- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309253459
感想・レビュー・書評
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他の感覚と比べて蔑ろにされて来た「味覚」から、人類の歴史やヒトというものを見ていく。
面白かった!
風味と人類との関係、苦味を感じる人感じない人、なぜ激辛が好まれるのか、などなど詳細に書かれている。
鰹節ならぬ「ブタブシ」の味が気になるなぁ。
しかし動物実験の記述が非常に多く、読んでいて辛かった…こんなに行われていること、普段は意識せずにいるから…。
それを実感した点でも読んでよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たぶん自分はスーパーテイスター。
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2016年11月3日読了。
とても興味深くて面白かった!幅広い内容と、多彩な例え話で、専門的な内容も難しく感じずに読むことができた。 -
「舌の味覚分布地図」の否定で掴み、風味、苦み、甘味、まずさ、辛さ、食品メーカの味覚操作、といったトピックを最新の知見を交えて解説し、美味の本質に迫る。1、2章がやや硬いが3章から俄然面白くなる。
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おいしさの人類史 ジョン・マッケイド著 論理的説明超えた味覚の世界
2016/5/8付日本経済新聞 朝刊
この本は確かに人間の味覚について書かれている。しかし、その内容は題名とは少々趣を異にする。「おいしさ」とは何か、とは実は答えるのが難しい。動物は生きていくのに必要な栄養素を外部から取り入れなければならない。これが「食べる」という行為だが、体が必要としている食べ物は「おいしく」、そうではない、あるいは摂取しない方が良い食べ物は「まずい」だろう。
なぜなら、そうであれば、「おいしい」ものを好んで食べる個体は、そうしない個体より栄養学的に有利であり、体に良いものを「おいしい」と感じる性質やそれを好んで食べる性質は自然選択により進化するからだ。これが「おいしさ」に関する進化学的な解答だ。
だが、実際にはおいしさはそれだけでは説明できないのだ。たとえば、この本の後半に登場する「辛み」というおいしさはこの論理に反している。そもそも辛さとは、植物が自分を食べるものから身を守るために身につけた武器なのだから体に悪い。しかし我々人類は、この辛さをおいしさのひとつとして、掌中におさめている。逆に「甘み」は我々にエネルギーをもたらす大切な糖の味であり、大多数の人に好まれる。しかし現在では、甘いものの食べ過ぎにより、健康を害する人が大量に存在する。このように、おいしさというものは、単純な合理的論理だけでは説明しきれない。
この本は、そういうおいしさの不思議を様々な観点からとらえようとした試みであるといえるだろう。甘さ、辛さ、苦み、塩味などの人間の味覚について、著者はその驚くべき博学ぶりを発揮して、変幻自在に記述してみせる。話は科学から文化論にまで及び、自分が今読んでいる本が味覚についての本なのかどうかすら分からなくなる時があるくらいだ。
しかし、「おいしさ」とは、様々な人間の嗜好に基づいて成立しているものであり、科学のような単純な論理に還元できないのであるのだから、それについて語ることは、すなわち人間について語ることと同義であるといえるだろう。そういう観点から見ると、この本は、味覚を通して、人間を語ることに成功していると思える。様々な味覚を通して現れる「おいしさ」というものが、生物として生きていくために必要な「形質」としての味覚から、様々な人間の行為や文化を経由することで、「おいしさ」としてふいに立ち現れる、その過程を楽しめることも、この本の魅力のひとつだろう。
原題=TASTY
(中里京子訳、河出書房新社・2400円)
▼著者は米ジャーナリスト。魚類供給危機の分析でピュリツァー賞。
《評》北海道大学准教授
長谷川 英祐 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784309253459 -
人類史とあるが、食に関して初めて原子生物が誕生し外部から栄養物を取り入れる所から始まり、先端的な食の技術に至るまで縦断する、まさにお腹いっぱいの内容。ただ食生活の歴史が列挙されている訳ではない、エキサイティングな内容だった。
食事の変化による生物的な進化、それに連動して文化や社会がどのように発展して来たかに始まり、味覚の受容体の発見や畜産や農産物の品種改良、分子料理や人工肉の研究に至るまで幅広い内容