瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか

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  • 河出書房新社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309268897

感想・レビュー・書評

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  • 「泣き虫しょったんの奇跡」は、「プロ編入試験」を「瀬川晶司側」からみたみたものであるが、本書はこれを「将棋界側」からみたものである。純粋に瀬川を応援する棋士、棋界での政治力アップのために試験を利用する棋士、既得権を守るため頑なにアマチュア参加を拒もうとする棋士。プロ編入試験は棋士の様々な思惑の産物であり、これを巡って棋界で一種の戦争が起きたことがよくわかる。ただ、本書からは、一服の清涼剤のように、瀬川が、皆が応援したくなるような、まっすぐないい人であるらしいこと、そして、将棋連盟の現会長である米長邦雄が実行力・影響力はあるが我が儘な変わりものであるらしいことが感じられる。その他、色々な棋士が実名で登場するので、この手のものが好きな人にはとても興味深い。

  • ドキュメント風ながら、とても熱い本だった。そして、当時の将棋連盟の力学模様も面白かった

  • 衰退する組織の活性化しようという活動に取り組みにも、三段リーグの矛盾にも取り組む改革本。行方さんは出てくるといつでも酔っ払っている。野月さんや高野さんなど、普及に熱心な息子の大好きな棋士の方はやはりこの一件に大きく関わっているようで、まるでコンサルタントのよう。

  • プロ編入という当時では考えられなかったことが実現できた瀬川さんの本です。
    当時に比べると将棋界も発展してきているのでしょうか。

  • なんでこうまでまっすぐで一途なんだろうって思う。
    ご本人はもちろん、応援されたご友人の尽力は、
    計り知れないものだろう。
    当時のみなさんと同じ年代なので、
    もし自分だったら、こんなに友人に手を貸したり、
    或は、助けてもらえるだろうか。
    誠実な人柄の求心力の強さを想う。

  • 書きました

  • 高校野球好きな人は野球が好きなんじゃなくて、残酷物語的なところが好きなんだよ。というのをどっかで聞いたことがあるが、現代将棋界の歪なシステムは残酷物語生成工場で、そんな物語が好きな俺としては物足りないエンディングではある。

  • 一度は挫折した「プロ棋士になる」という夢を35歳で叶えた瀬川晶司さんのお話。

    関係者の動き・心情、当時の将棋会の状況などを、時系列に沿って丁寧に描いており、全体を通じて描写に厚みがあります。また、「瀬川晶司プロ入り問題」を覆う緊張感が、最後まで緩むことなく著されており、ページをめくる手が止まりませんでした。
    いずれも、綿密な取材の賜物だと思います。

    将棋に関わる人々を描いたものには名著が多いですが、本書もそれら名著の中に加えられるべき作品だと思います。

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著者プロフィール

1969年愛知県生まれ。名古屋大学工学部中退。ライター。電子雑誌トルタル編集長。1995年ライターとして活動開始。「大相撲」から「噂の真相」「大人の科学」までジャンル不問の30以上の雑誌、100冊前後の書籍・新書・電書・ムックに原稿を執筆。その他ウェブ、広告、チラシ、パンフ、占いアプリ、博物館の説明文など、文字あるあらゆる場所に出没している。著書は『アホウドリの糞でできた国』(アスペクト文庫)など。
◆独立作家同盟講演録:『文章生活20年。現役ライターが初めて教える文章のコツ講座』

「2016年 『ライター志望者が知っておくべきおカネのはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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