エリック

  • 河出書房新社
4.25
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本棚登録 : 956
感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309273587

感想・レビュー・書評

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  • 【きっとお国柄ね。】

    いやぁ最後がめちゃくちゃほっこりした!素敵でした。

    いろんな立場の気持ちを汲み取れる作品でした。

    ある日ホームステイにやってきたエリック。
    他の人とは違って、独特の感性や行動をするエリック。
    それを受け入れられない僕。
    でもお母さんが「きっとお国柄ね」というと、そういうもんだと思って気にならなくなっていったらしい。
    そしてある日突然いなくなったエリック。。。
    なにかしてしまったのかな、そんな風に考えていると、、、心あたたまるラストはぜひご自身の目で。

  • この本は、コラージュ作家の山下陽子さんより直々にお薦めいただいた口笛文庫で買いました。口笛文庫は神戸の六甲にある古書店。書棚から溢れてうず高く積み上げられた本がどうやって均衡を保っているのか謎でした。わたし好みの本がいっぱいだったのでまたお邪魔したいと思います。

    ぼくと交換留学生のイブンカコウリュウはときどきすれ違っているように見えるけれど、ぼくの思いやりの心はちゃんと彼に届いていたみたい。風に乗って帰っていった彼が残してくれたもの。かけがえのない思い出を映すカラフルな花びらは、感謝のしるし、親愛のあかし。

  • エリックは外国からきた交換留学生。小さなエリックが見ているものや、(絵そのものには描かれていないけど)エリックの表情に気づいたとき、じわわわ、とあたたかな気持ちになった。「きっとお国柄ね」と他者を受け入れるやさしさのなかで、エリックがエリックなりに幸せに過ごした時間が、とてもいとおしい。

  • エリックみたいに小さなものを楽しんでみよう。

  • 2019.6月。
    最後よかったなあ。優しい優しい。ぽっと花が咲いたみたいな。

  • ショーン・タンの世界展で買いました。
    良いです。
    自分の価値観と違うものとでも繋がれる、ということ。
    エリックがかわいく、エリックの興味を持つものもなるほど〜、という感じです。
    そして最後の絵には、じわじわ感動しました。

  • 絵本短編集『遠い町から来た話』の1篇「エリック」を独立させ、ひとつの絵本とした作品。短編集のひとつなので、『遠い町から来た話』を未読でももちろん楽しめる。
    黒い妖精のような留学生エリックの持ち込む、異文化の変てこさと、エリックに自国の良さを伝えきれない主人公のもどかしさ。モノクロの挿絵には、不思議さやユーモラスさだけでなく、ちょっとした居心地の悪さを掻き立てられる。それは、エリックと主人公の抱える、ディスコミュニケーションの苦さでもある。しかし、最後の挿絵が見開きで現れたときに、その感覚がほんの一部だけ溶け出して、そこに何か美しい触れ合いがあったような、そこはかとない理解の感覚が訪れる。
    絵の力、色の力を感じさせる佳品。

  • 「アライバル」のショーン・タンの作品。アライバルはタッチが気味悪くて好きになれなかったけど、こちらは素直に読むことが出来た。

    交換留学生のエリックは葉っぱのような炎のような顔をした小さな生き物。いつも食料戸棚の中に入って寝泊まりや勉強をする。ボクはそれでいいのか迷うが、お母さんは
    「きっとお国柄でしょう」
    と納得する。
    ボクはエリックを自分の国の素晴らしい所を見せてあげたくて外に連れ出すが、エリックは道端に落ちている小さなものにしか興味を示さない。

    エリックは控えめであまり話さないので、ボクは不安になる。しかしエリックが帰った後に戸棚の中に素敵な贈り物が。

    アライバルと同じ異文化ギャップを扱ったものだが、こちらはお互いが歩み寄ろうと気を配り合う姿が微笑ましい。

  • とても親しかった先輩が、卒業祝い(?)にもらったという本。

    読んでみて、なぜこの本が贈られたのか、よくわかった。
    同時に、この本を贈った人は、その先輩のことをとてもよく知っているなと感じた。

    「この人はほんとうに自分のことを知っている」と思えることはなかなかない。結局、誤解したまま、されたままの付き合いになってしまう。

    だからこそ、特に思うんだけど、知己っていいなぁ。


    10月12日 追記
    穏やかに暮らしていながら、いなくなってから「あ、いなくなったんだな」と気付かせるような。途中下車するように、すっと人生から降りてゆくような、そんな別れ。
    その時にはもちろん「ありがとう。とても楽しかったです」という言葉を添えて。いつまでも枯れない花を残して。

    • 10roroさん
      いささかさんも、本の送り主の方と同じく、その先輩のことをよくご存知なのですね。本当の相手を知っているというのは、相手がそれを自然と伝える意思...
      いささかさんも、本の送り主の方と同じく、その先輩のことをよくご存知なのですね。本当の相手を知っているというのは、相手がそれを自然と伝える意思がありまたこちらも自然に相手へ伝えることができているからなんだろうなと、思います。知己いいなぁ。誤解したままされたままの付き合いは、できることならば誰ともしたくないですね。結果理想論だとしても…。いつまでも良い関係でありますように!
      2013/07/22
    • いささかさん
      ありがとうございます。いいですよねぇ。
      卒業の時期だったことと、その先輩がそういう本をもらうことが意外であったのとで、なんというか、しみじみ...
      ありがとうございます。いいですよねぇ。
      卒業の時期だったことと、その先輩がそういう本をもらうことが意外であったのとで、なんというか、しみじみとしてしまいました。
      2013/07/27
  • 鳥肌。
    お国柄。笑

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著者プロフィール

1974 年オーストラリア生まれ。幼いころから絵を描くことが得意で、学生時代にはSF 雑誌で活躍。西オーストラリア大学では美術と英文学を修める。オーストラリア児童図書賞など数々の賞を受賞。2006 年に刊行した『アライバル』は世界中で翻訳出版されている。イラストレーター、絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしての活躍の場を拡げている。9年の歳月をかけて映画化した『ロスト・シング』で2010 年に第83回アカデミー賞短編アニメ賞を受賞。2011年にはアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。2019年には日本で初めての展覧会を開催。現在メルボルン在住。

「2020年 『ショーン・タン カレンダー 2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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