漫画 サピエンス全史 文明の正体編

  • 河出書房新社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309293028

感想・レビュー・書評

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  • ホモサピエンスは素晴らしいから生き残れたと思ってるでしょ?
    全てを征服して、色んな力つけて、開発して、生活が豊かになったと思う。
    で、幸せになれたの?
    違いますよ、
    さほど誇れるような成果もなく、ただただ環境と自然動物などまわりに被害を与えてるだけですよ。
    狩猟生活の方が楽だし幸せだったのにね。

    というざっくり内容あってるんだろうか。
    難しいお話。
    アメコミなのも入り込みにくい

  • 『人類の誕生編』よりも難しくなったように思います。
    第三弾もあるそう。
    これからどんどん難解になっていくのかしら…。

    まとめると、こういうことなんだと思います。
    〈万物は変化し
    人々はけっして満足せず
    あらゆるアイデンティティは虚構だ〉

    今正しいと思って行っていることが
    後に大変なことになるかもしれないのでしょうか?

    〈どんな物語を信じるかで違ってくる。
    これまで何度も変わってきたし、
    この先も変わりつづけるでしょう。
    意見の異なる相手を殺しても真実は見つからない…
    無知の淵に沈むだけ〉

    〈人々が何も信じなければ
    社会の秩序が崩れて多大な苦しみが引き起こされる。
    取りつかれたように信じすぎれば
    それもまた恐ろしい苦しみをもたらす。
    政治の重要な目的の1つは
    その適切なバランスを見つけること〉

    〈物語というのは、人々を助けるために作るただの道具…
    益より害が大きいのなら変えることはできるし
    変えるべきである。〉

    物語を変える力は一人一人にある、としめくくります。

    言葉にするとすごく難しいですが
    この本は漫画なので、少し理解しやすいかと思います。

  •  前巻より字数が多く内容も難しくなってきました。自分の中では一番衝撃的な「小麦に飼われているのは誰?」が、文章に比較してスッと入ってこなかったのは既に知っていたからかな?漫画に邪魔されたか?

     人種差別、ジェンダー問題も生物的な原因では無く、社会文化的なフィクションであると作者は言います。
    (未だに)男と女は違うのだから、当然役割も違うのだという考えは自分も含めて人々の中には根強く残っています。
     問題はその違いが偏見に繋がり、社会的地位が低く留め置かれ、選挙権が与えられなかったり、ガラスの天井のような状況が続くということなのです。
    2021年現在では、それはおかしいと思う人も増えているように思います。まだ、拮抗していますが戦争も革命も起こさずに社会は変わってきたのです。それこそ女性の特性を活かした変革でしょう。
    (未だに)としたのは、後50年したら、この考え方も古くなってしまうのと、揺り戻しだってあるかも知れないからです。   
     
     漫画になっても、古代からの歴史や地理などを網羅しているため、前提となる知識が無いと読み進めるのに苦労する本ですが、フィクションを疑うきっかけになると思います。

  • 7万年前に起きた「認知革命」
    1万2000年前に起きた「農業革命」

    アニメ「はじめ人間ギャートルズ」の最終回。はじめ人間たちの前にブンメーという男がやってきて、勝手に囲いをつくり耕作し始めるという話だった。まさしくブンメーは狩猟採集を捨てて、自らの力で収穫をするという革命児だったのだ…。
    麦や稲の栽培に人間が縛られているという、
    著者の達見に舌を巻く。

    "「政治の大問題はいかにして100万人に食料を与えるかではない。いかにして百万人の考えを一致させるかだ。」by 孔子 "

    文字と数字の獲得で、多くの人の考えを一致させるための「神話」を作りあげた。その「神話」は人々を連帯させ助け合う大きな力となったことは間違いない。しかし「神話」を成立させるための虚構が、分断や戦争を引き起こしているのも紛れもない事実である。

    "「神話」は物語である。物語は人々を助けるために作るただの道具にすぎない。益より害が大きいのなら変えることはできるし、変えるべきでもある。"

    巨大な益を得ている人々は、その益を簡単には手離さないだろう。しかし益は刹那的なもので、そして容易に害にひっくり返るものと心得なければならない。

  • 文字の発明の背景、理由は単体で意味を持たない数字などを記録するため。一方で物語は記憶する事が出来るため文字の発明の前から語り継がれてきた。歴史を通じて人間の脳の仕様を学んだ。

  • 『漫画サピエンス全史』の第2弾。1万2000年前に農業革命が起こって以降の人類の歩み。

    まず穀物(特に小麦)の栽培化をするようになり、狩猟採集をやめて定住が始まった。それにより集団で密集して暮らすようになり、食糧の貯蔵ができるようになった。それにより人口が増えたが増えた人口を養うためにさらに食べ物が必要に。貯蔵は財産の私有という考え方を生み、ヒエラルキーができる。下層の人間は常に過酷な農作業に明け暮れる。土地や財産をめぐり、集団どうしでの戦争も拡大していく。密集して生活することにより疫病も蔓延する。動物の家畜化も進む。

    農業の成果を記録するために文字が発明され、そのデータを管理するために官僚制度ができた。

    集団を統制し支配するために、物語を超えた共同主観(共同幻想)たる虚構が作られた。国家、法律、制度、宗教、お金、そういった皆が価値を認めるから存在するフィクションである。支配のためのフィクションによりヒエラルキーも固定化され強力になっていく。

    作者の主張は「人々の統制のために物語、虚構を作る力(認知革命)」「定住し農耕すること(農業革命)」が人類を良くない方向に進めた、というもののようだ。

    思想的に左寄りで偏りはあるものの、作品としての完成度は高く(本は大きくて読みづらいが……)、読んでよかった。

  • 贅沢の罠のところにゾッとした、まさしく自分がいまはまっている!足るを知ることが大事なのに!
    想像上の秩序の話もすごく深い、怖くなった。刷り込まれている常識、自分が自分でないようだ。
    差別の章、男性がなぜ優位かという内容の話はとても興味深い。
    信じるって難しい!
    今まであまり考えてないことに言及している内容だったので難しかったが、漫画なので最後まで読めた。

  • 巨大本、とにかく扱いにくい。内容よりもサイズに問題がありすぎて、そのことばかりが気になる。

  • 漫画アプローチでハードルを下げてくれている本。

    文明の中で様々な仕組みが発明されていく中、影になってしまう部分にも光が当たる。⚫︎⚫︎で▪️が生まれた、みたいな一言で済まないのでリアル感とともに理解できる。

    一方、日本のよく練られた漫画スタイルに馴染んでいると、視点や登場人物がコロコロ変わるのに少し戸惑う。

  • 少年ジャンプで育った世代なので漫画はとても分かりやすいです。ただ、日本人は人種差別、宗教に対する知識も経験も少ないので、訳者の簡単な解説がもう少しあっても良いかなと思いました

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ユヴァル・ノア・ハラリの作品

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