黒魔術の手帖 (河出文庫 し 1-5 澁澤龍彦コレクション)

著者 :
  • 河出書房新社
3.46
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本棚登録 : 727
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309400624

作品紹介・あらすじ

魔術、カバラ、占星術、錬金術、悪魔信仰、黒ミサ、自然魔法といったヨーロッパの神秘思想の系譜を日本にはじめて紹介しながら、人間の理性をこえた精神のベクトルを解明。オカルト・ブームの先駆をなした書。

感想・レビュー・書評

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  • これを書いた当時の時代背景も鑑みてしまうけれど、こんなのが本棚に並んでいたら絶対手に取ってしまうよね、と思う。黒魔術の例を淡々と、しかし具体的に説明して、「難易度は高いと思うがみなさんもやってみたらどうだろうか」とか言ってしまう澁澤さんにこちらが笑ってしまう。楽しい本。

  • 手元にあるのはバフォメットが表紙の本ですが何度読み返したことか。

    黒魔術に関連する事柄を澁澤氏独特の文章で語るエッセイ集。
    当時の書物や絵画から転載された挿絵が文章と合っていて不可思議さ妖しさ薄暗さが溢れるようで好きです。

    ジル・ド・レエに関する最後の4章は圧巻。彼の所業を知ってはいるもののここまで多方面から光を当てられているものはこの本が初読でおどろおどろしさと残酷さに驚いたものです。今ではもっとおどろおどろしいものも平気で読めますがあの初読時の衝撃は忘れられません。
    一番好きなのはホムンクルスの章です。人造人間の作り方なんて読むだけでわくわくしたものです。

  • 想像もつかない程の文献を読み尽くして、微妙なテーマを冷静に、軽妙に語る。読み終えても魔術師にはなれない、という距離感が絶妙。そして歴史が好きになる。

  • 魔術、占星術、錬金術などのヨーロッパで起こった黒魔術の世界をいろんなエピソードで紹介されてるエッセイ。

  • 黒魔術に見入られた人とその実際に行われた(とされる)所業について淡々と述べている本。実話に基づくと思いながら読むとなかなかに刺激的である。

  • 私は女の形をした血の泉…
    Björk "BACHELORETTE"

  • 魔法の本と言う一面もあるが
     著者の、パロディ的な観点による批評が面白い。

  • ヤコブスの豚/カバラ的宇宙/薔薇十字の象徴/夜行妖鬼篇/古代カルタの謎/サバト幻景/黒ミサ玄義/自然魔法もろもろ/星位と予言/ホムンクルス誕生/蝋人形の呪い/ジル・ド・レエ侯の肖像

  • 仏教の影響下で育ったせいか、描かれている昔のヨーロッパの国々の魔術の行為はかなり気持ち悪い上に違和感を感じた。挿絵の中に変に可愛い物があり、ちょっと笑える。悪魔の階級別容姿の絵とか、下級の悪魔の姿は虫?!

  • 9/25 読了。

  • トイレ本

    ジル・ド・レエの章が圧巻。

  • 黒魔術、白魔術、自然魔法、錬金術、カバラ、占星術、星辰術と。

    この手の本は始めて読んだが、何に舌を巻くって、著者の尋常じゃない参考文献を読み漁ってることを想像するに難くない。

    黒魔術、そんなものに使われていたものの遺物が、現在にも残存する。
    星座占いに使っている、各星座を表す記号(ゾディアック)。
    各々の元来の意味が、また凄い。
    例えば蟹座を表す"♋"
    性交渉の際の体位、ソワッサン・ヌフ(69)を表す、と。詳細は割愛。

    さて、簡単に悪魔を召喚できる方法を本文より抜粋。

    まず悪魔を呼ぼうとする者は、一度も卵を産んだことのない一羽の黒い牝鶏をもって、二つの道のぶつかる十字路に行かねばならない。この十字路で、深夜、牝鶏を二つに引き裂いて、「エロヒムよ、エサイムよ、わが呼び声をきけ」とラテン語の咒文を唱える。その際、東を向いて膝まずき、糸杉の枝を手にしていなければならない。そうすれば、悪魔はすぐに姿をあらわすー


    日常に倦怠感を覚えてる方は、悪魔でも召喚してみては。

    思った以上に、歴史の勉強になる一冊でした。

    やはり、テンプル騎士団、薔薇十字軍、フリーメーソンはどこにでも出てくるのな。

  • 高校時代、古本屋を廻って熱心に集めていた。澁澤の見せる世界観にある種のあこがれを感じていた。今読んだらまた印象も変わるかもしれない。

  • 章は、ヤコブスの豚、カバラ的宇宙、薔薇十字の象徴、夜行妖鬼篇、古代カルタの謎、サバト幻景、黒ミサ玄義、自然魔法もろもろ、星位と予言、ホムンクルス誕生、蝋人形の呪い、ジル・ド・レエ侯の肖像(聖女と青髯男爵、水銀伝説の城、地獄譜、幼児殺戮者)。
    コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』とエレファス・レヴィの三部作を読むために読んだ。初心者でも十分楽しめる、黒魔術の入門に最適の書。
    眼鏡が初めて出現したのが17世紀初頭、望遠鏡が一般に使用されるようになったのが1663年。

  • 一番最初に読んだ澁澤龍彦がこれだった。同じ河出文庫だけど、表紙は違ってた。こっからどっぷりと澁澤にはまっていきました。

  • [ 内容 ]
    魔術、カバラ、占星術、錬金術、悪魔信仰、黒ミサ、自然魔法といったヨーロッパの神秘思想の系譜を日本にはじめて紹介しながら、人間の理性をこえた精神のベクトルを解明。
    オカルト・ブームの先駆をなした書。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 手元のはバフォメットの表紙のやつ。思春期に読んでたらもっとビリビリしたんだろうな。
    初見の方はこれを入り口に澁澤の小説の方もぜひ。

  • 大好きな本です。昔の表紙しか持ってないのですが、恐らくこれだと思いました。読み過ぎてページが数枚バラバラになってます。

  • 単行本版が本当にかっこよかった。
    文庫じゃなくてあの装丁のやつが欲しいなぁ。

  • 鏡リュウジさんオススメ

  • 2009/04/09購入

  • 素晴らしいの一言

  • 私は手帖シリーズが好きだ。

  • よいなぁ。其の名の通り、黒魔術関係の本です。

  • 黒魔術まずはここから

  • テーマは恐ろしいけど、それ以上に好奇心を刺激する一冊。彼の博識と語り方がまた独特で、ともすれば単なるオカルト趣味の披露に成り下がりかねないものを、ここまで面白い読み物として成立させてくれます。、

  • 魔女に憧れた思春期のころ、澁澤竜彦の『黒魔術の手帳』に出会って愛読したものでした。自分が書く世界観の根底にあるどす黒いものはこのあたりで培いました。あくまでも博物学的なエッセイの書き連なりなんですが、こういうのがエスプリなんだと焦がれたものです。やっぱり荒俣さんより渋澤派! なわたしでした。

  • 何もかも真っ黒だという初版本で読みたかった。カバラ的宇宙が面白かった。十二宮のサインについての説明は初耳だったので。あとはタロットについての記述。一冊の書物がばらばらにされたもの、というのはどうやら本当のことらしい。全てを理解できたものは、世界の秘密に通ずるというが……?タロットというと魔術的で、一般人とは縁遠いものだと思われがちだが、実はトランプの原型(小アルカナだけだが)となったもの。何も知らずに遊戯に使ってるってある意味恐ろしいわ。

  • 比較的最近文芸春秋版が出ましたが、私がもっているのはこちらの河出文庫版。澁澤龍彦はここから入りました。
    黒魔術のあれこれを図版もいろいろ交えながら紹介しています。とっつきやすい一冊だと思います。

  • あぁ、この人私ととよく似ている考え
    もしくは、私がこの人に似ているのか

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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