夜啼く鳥は夢を見た (河出文庫 な 7-4 BUNGEI Collection)
- 河出書房新社 (1993年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309403717
感想・レビュー・書評
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どことなくマンディアルグ風味な泥濘と水蓮と少年の舞台設定からして、惹かれないはずがないのです。長野まゆみさんらしい精緻で多彩な文章にぐいぐいと呑み込まれるようにしながら頰白鳥といっしょに沼をのぞきこむその瞬間の美しさ畏ろしさ。堪能しました。
物語の全体を通してみれば平坦かもしれないその一瞬を、いやむしろその一瞬のために、築き上げられ飾られた文章一行一行を味わうように、大切に読んでいくことのできる作品こそ、私が偏愛したくなる作品なのです。
「頰白鳥、駄目だよ。燥いているように見えても、水は沁み出してくるんだ。」
「沈んでしまうの。」
「あゝ、沼だからね。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もう10年くらい前に読んだ本!
でもたまに読み返すのです。。。
「沈みたいんだ。僕、この沼の中に沈みたいんだよ。もうずっと、そう思ってた。」
「沈めてくれるでしょう。そうしてほしいんだ。この手がいいんだよ。」このセリフが、、、、
忘れらないのです。。。 -
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面白かったです。
冷たい水と沼と、水笛や水蓮に涼しくなりました。
紅於だけに生命力を感じ、頬白鳥や草一は夢の中に生きているようなふわふわとした感じでした。頬白鳥は沼に魅せられ、沼に沈み、夢遊病の草一も沼へ。
頬白鳥が沈んだあとに咲いた青い水蓮、見てみたいです。
紅於はこれからも生きていくのかな。
暑い毎日の清涼剤でした。 -
2016年2月4日読了。
見ずに沈む少年、てだけで、もう。もう。 -
3.5
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全編通して夢か現実か曖昧で不思議な話。
水を豊富に含んだ柔らかい泥や水蜜の感触を想像するだけで、気持ちいいのと同時に引きずり込まれそうな恐ろしさを感じる。
途中で怖くなってきたがやめられずに最後まで読んだ。
唐突に終わるので夢から覚めた気分になった。
沼から聞こえる鳥の声に魅入られた少年たちは、その後一体どうなったのだろう。
しばらく頭から離れそうにない。