ハング・ルース (河出文庫 さ 4-3 BUNGEI Collection)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 164
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309404622

感想・レビュー・書評

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  • 「ハング・ルース」とは、親指と小指は遊ばせておいてゆったりつかまっていればいいじゃん、という生き方の象徴だと思う。家出を繰り返し両親も離婚し、男か友達の家を転々とする生活のユニ(由以)。元陸上選手という健全な暮らしからいつのまにかずれ続けて、危ない仕事をして暮らしているフェイス(頼親)。酒場で出会ったふたりはひょんなことで一緒に暮らし始める。居場所がないユニと体温が欲しいフェイスは、いつまでそうして暮らし続けていくのだろう…。右足を傷めたら左足で支え、左足が疲れたらまたどうにかする。気楽そうに見えて、綱渡りのような生活。あと5メートル…の繰り返し。「愛してる」と雰囲気は似ていたが、こちらは恋愛色が強い。

  • 10/22 何百回目かの再読。この人の本の中でも1番読み返しているかも。既にこの世代を通り越しているのに、主人公達の気持ちを幼く感じないのが不思議。

  • 2005.6.8〜6.11映画バースデーウェディング

  • 全て捕まえなくても大丈夫、
    笑って笑って、あと5メートル走ってみる。

  • 読むのが少々めんどくさい作品だと思ったのは、共感しにくかったからかもしれない。
    ユニとフェイスの不思議な関係、好きです。

  • ユニもフェイスも、好きです。<BR>
    「体温中毒」とかウケる。ちょっと分かるし。<BR>
    そういえば、鷺沢さんの恋愛モノってめずらしいかも。<BR>不思議な感じのする物語。<BR>
    「恋とは幸福な思いこみである」って、確かにそうかもね。<BR>
    幸せなら、いいんだと思う。ばかみたいに、ずっと思いこんでいたい。

  • 父の借金、両親の離婚。安らぎに飢えて男と女友達の元を転々としていたユニ(由似)は、バイト先で出会ったフェイス(頼親)の家に転がり込む羽目になった。恋人なのか。同類なのか。体温で繋がれた二人は、悩みも問題も抱えながら、今日も何処かでふてぶてしく走っているのだろう。著者自身の履歴と重ね合わせると、より興味深い作品となるかもしれない。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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