- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309406954
作品紹介・あらすじ
なまけものは人間の至高のすがた。浮世のことを語っても、この世の煩わしさから解き放ってくれる摩訶不思議な水木しげるの散文の世界。『妖怪になりたい』に続く幻のエッセイ集成第二弾。水木版マンガの書き方も収録。
感想・レビュー・書評
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タイトルとは裏腹、水木サンはかなりの努力家です。努力家の中の努力家、努力家ゆえのこのタイトルなのだろうか、とにかく改めて大尊敬したい偉人のひとりになった。
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「即ち、猫とか、つげ義春とか、ニューギニアの森の人たち、といった、高度ななまけ生活をいつもぼくは夢みていた。」(なまけに傍点あり)
猫とつげ義春は同列なのか!
金持ち喧嘩せず、を裏返せば貧乏人はケンカっぱやい。経済的に安定する以前、ガロに書かれたエッセイは攻撃的で面白い。ただ、寸鉄人を刺しすぎるところもあり、手塚ファンにとって痛し痒し。 -
水木プロダクション公式サイトげげげ通信
https://www.mizukipro.com/
なまけものになりたい :水木 しげる|河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309406954/ -
エッセイとして軽く読むには、文章に結構クセがある。
『ゲゲゲの女房』と2冊セットで読むとその当時の漫画家としての生活の大変さや水木の家庭事情等等理解しやすい。 -
激務の水木だからこそ、こんなに働くのはおかしいと言える
幸福とは何なのか今一度考えてしまう
日本人は苦しみに耐えることに価値を見出す傾向が強い、と1979年の時点で言っている
まだ変わっていないようだ -
水木流漫画の書き方指南が面白い。
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本文引用「人間そのものが無為に生まれたんだから、無為にすごすのが天地自然の法則にかなっている」「人間の体そのものが、崇高なものに向かないようにできている」といった水木しげるさんの考えが好きです。
何か世の中の役に立つことをすることが使命のように感じて肩肘張って生きているよりも、ただ純粋に生きていることを楽しむことができたら素敵だなと思います。
水木さんの「なまけものになりたい」という姿勢は、目に見えないものに生かされていることを認識したうえでの謙虚な人間の在り様だと感じました。 -
「ビンタ 私の戦争体験」
「祖先の匂い」
「異次元のよう、あのころ 私の戦後50年」
「コレクション」
「霊を形にした妖怪像 私の宝物」
「ある不思議な人形作家の死」
「トランクいっぱいの妖怪たち」などを収録 -
「妖怪になりたい」が面白かったので、こちらも読んでみました。
楽して生きる・・・永遠の夢です。
「妖怪になりたい」より、多く妖怪について語っているような気がします(笑)
私も、妖怪を「感じられる」ような人間になりたいです。
いつの間にか、非科学的なものは信じない!という大槻教授のような人間になっていたなあ、とこの本を読んで気づかされました。
万物に魂がある、と考えるのは日本人らしい、伝統的な考えで、迷信だとか、ばかげているとか非科学的だとかそういう風に一蹴すべきでないな・・・と思ったのです。
妖怪を感じられる(この感じられるがポイント)ような心のゆとりを持った人になりたいです。
この本でも例のパプアニューギニア・ラバウルの土人との交流が書かれています。
やはり楽園の生活はそそられます。残念ながら、衛生面で今の私には耐えられないだろうけど・・・。
このラバウルも文明化の波に押され、車やラジオが普及しているとか。
この記事が書かれたのは、もう30年前だから、今は電気が普及したり、普通に都会になってたりして・・・。
この地上から、楽園がすべてなくなる日も遠くなさそうです。
ああ、あと漫画講座「親切なる漫画のかき方」が面白かったです。
45年前に掲載されたものだそうですが。
そして、最後の解説を「多重人格探偵サイコ」の作者がされています。
この方、水木先生に影響を受けていらしたんですね・・・
今をトキメク(←表現古い)漫画家さんなので、予想だにもしませんでした。
「妖怪になりたい」の方が好きでしたが、こちらはテーマが多岐に渡り、面白かったです。