NOVA 5---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)

  • 河出書房新社
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309410982

感想・レビュー・書評

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  • 書き下ろしの日本SFの短編集です。
    図子 慧の「愛は、こぼれるqの音色」のハードボイルドな感じが気に入りました。
    あと、私が気に入ったのは石持浅海の「三階に止まる」。ものすごく怖くなりそうなネタをさらりと表現。
    それから、伊坂幸太郎の「密使」。こんなヒーローもありか。ということですが、それ以上に、こんな密使は嫌だということで。

  • 今巻は自分の好みの作品ばかり。特にお気に入りは四作。伊坂幸太郎「密使」、謎の組織の暗躍といい、伊坂さんらしさが溢れた時間SF。素晴らしい。宮内悠介「スペース金融道」、量子金融工学とかよくもまあそんな発想を、と思いましたが、その突飛な発想を含めてコミカルで楽しかったです。須賀しのぶ「凍て蝶」、幻想的な恋物語が素敵です。上田早夕里「ナイト・ブルーの記憶」、「華竜の宮」に連なる世界観の物語をまた読めたことが嬉しいです。他、東浩紀「火星のプリンセス 続」の展開がまるで読めないので続きがかなり楽しみです。

  • SF小説…どんなかんじだろ?

  •  書き下ろし日本SFアンソロジーの第5弾。今回は好みの作品が多かった。図らずも、奇数巻は本格SF寄り、偶数巻は幻想小説寄りのパターンになっいるそうだが、つまり自分は本格SF傾向の作品が好きだということだろう。
     特に、上田早夕里『ナイト・ブルーの記録』、石持浅海『三階に止まる』、宮内悠介『スペース金融道』が読んでいて楽しかった。

  • 個人的にナイトブルーが気に入った。これができれば義肢に感覚を与えることも出来るか?
    でも、外部からの情報の9割を占めるという視覚からの情報だから、こういうことが出来るのかもしれない。


    3階にとまる
    これもよかった。ライトで。


    密使
    さすが伊坂さん。星新一っぽいおとしかただったかな。
    途中で、ん?聞いたことある話しだぞ、と思ったら。群れのルールかぁ。


    火星のプリンセスは未読。

  • 【ナイト・ブルーの記録・上田早夕里】
    ★★☆☆☆
    どうにかいじったら、おもしろいアニメになりそうな話。機械と人間が一体化してくる近未来。
    ラストはナゼ詩人なのか分からないー。
    【愛は、こぼれるqの音色・図子慧】
    ★☆☆☆☆
    ううーん。設定も、話の流れもなんだかよく分からない・・・。暗い、汚い、いやらしい。
    全く好みじゃないので。
    【凍て蝶・須賀しのぶ】
    ★★★★☆
    最後のシーンで、「あれ?」ってなって、エーシャが娘だったとこが「ほぇー」って好み。
    ラピュタと不老不死とユダヤ。
    【三階に止まる・石持浅海】
    ★★★☆☆
    小泉くんの推理がすごいね。
    最後の「おいおい。四階の住居者よ。いったい何をやらかしたんだ。」ってとこが好き。
    【アサムラール バリに死す・友成純一】
    ★★☆☆☆
    アサムラールってほんとにあるのかな?と一瞬思ってしまったよ。
    話としてはあんまりおもしろくない。
    【スペース金融道・宮内悠介】
    ★★☆☆☆
    アンドロイドの話。
    これで終わり!?途中なのかと思ったよ。アンドロイドは首相には絶対になれないと思う。
    【火星のプリンセス 続・東浩紀】
    ★☆☆☆☆
    途中からでよく分からない・・。
    【密使・伊坂幸太郎】
    ★★★☆☆
    ひー!Gが出てくる話だなんてー。
    ちょっと最後の意味が分からなかった・・。残念。

  • 書き下ろしの短編8編のSFアンソロジーです。
    伊坂作品が読みたくて手にとった本ですが、あまりSFを読まないためか、新鮮で楽しめました。
    特に「凍て蝶」「スペース金融道」が好きな作品です。
    あまり読まない作家の作品を楽しめるのがアンソロジーのいいところですね。

  • SF短篇集。伊坂幸太郎につられました(^_^;)

    伊坂幸太郎の「密使」も面白かったんですが、他にも「ナイト・ブルーの記憶」(上田早夕里)、「三階に止まる」(石持浅海)が個人的に好きでした。

    このお二方の作品も、今度読んでみようと思います!

  •  わが家の大晦日。長女は予備校、次女は郵便局アルバイトの後すでに初詣に出かけており、三女は学校の宿題を紅白みながらやっている。親父は、紅白にはあまり興味はなく、格闘技がない今年は読書三昧としている。

     で、大期待のNOVA5!

     オープニングは「ナイト・ブルーの記録(上田早夕里)」。海関係だが、ふわっとしたイメージの秀作。続く「愛は、こぼれるqの音色(図子慧)」ってのはイマイチ理解しづらい。テーマがテーマだし、面白くないといってもよいだろう。オカルトチックな「凍て蝶(須賀しのぶ)」はどこかで読んだような気がする。長寿命のヒロインがそう思うのだろうが、きっと気のせいだ。

     続くエレベーターのオカルト話は結構楽しい「三階に止まる(石持浅海)」。この作家期待できそうな気がする。次は駄作「アサムラール(友成純一)」、さらに読む気がしなかった「スペース金融道(宮内悠介)」、好みではない「火星のプリンセス・続(東浩紀)」と流し読み。

     そして今回もっとも期待の時間SF by 伊坂。「密使(伊坂幸太郎)」。とても楽しみなので、これは明日(=2012年)のオープニングに残しておくことにした。正月はこれを読もう!

     ということで、2012年あけましておめでとう。他人から6秒だけ時間をもらうことができる主人公が、未来を守るための任務を背負って活躍する。いやぁ、面白い。「私」と「僕」が大活躍。再読しないと意味が分からなかったのだが、わかってしまうと面白い。

     平行宇宙をさりげなく否定しながら、蟻やらゴキブリやらを使っての未来&過去改変物語が進む。気が付くと読者は世界Aと世界A'の平行宇宙に浮かんでいるという物語。この作品だけでもよかったな。

  • NOVA1~4は未読だけれど、
    5の評判があまりに良かったのでここから。
    すごく面白かった!

    伊坂幸太郎のSFは伊坂幸太郎らしいなあという感じで、「あるキング」みたいな実験的な作風ではない。地味な超能力とか個人的な救世主とかちまっこい伏線とか個人的にたまらないモチーフがいっぱいなので胸が熱い。

    図子慧の「愛は、こぼれるqの音色」のチヨダコーキっぽさ、よい。酔う。

    でも何より宮内悠介の「スペース金融道」が面白かった!
    これ沢山よみたい!
    本気でスペース金融道はシリーズ化するんじゃなかろうか。
    いや、シリーズ化したところで第一話がいちばん面白かったね…って
    なる可能性は大きいんだけども…それだけこの話は良いのだけども…

    全体的に毛色の違うSFが盛り込んであって、しかも全部が面白かった。
    そんなアンソロジーなかなか無い。国内SFではなおのこと。
    ほかのNOVAも読もう。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。批評家・作家。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。株式会社ゲンロン創業者。著書に『存在論的、郵便的』(第21回サントリー学芸賞)、『動物化するポストモダン』、『クォンタム・ファミリーズ』(第23回三島由紀夫賞)、『一般意志2.0』、『弱いつながり』(紀伊國屋じんぶん大賞2015)、『観光客の哲学』(第71回毎日出版文化賞)、『ゲンロン戦記』、『訂正可能性の哲学』など。

「2023年 『ゲンロン15』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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