あられもない祈り (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309412283

感想・レビュー・書評

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  • ねえこんな苦しいことある…??
    軽い気持ちで読み始めたら、吐きそうなくらいしんどくて、私の2023年しんどい恋愛小説大賞ぶっちぎりの第一位です。

    〈私〉と〈あなた〉のおはなし。

    一緒に暮らす恋人がいる〈私〉と、奥さんがいる〈あなた〉のおはなし。それだけ。

    登場人物はたくさん、母や父や職場の同僚やそれこそお互いのパートナーも出てくるけれど、みんな「その他の登場人物たち」だった。

    ただ、〈私〉と〈あなた〉の恋のおはなし。

    自分勝手でまっすぐでどうしようもない恋のお話。

    ぼんやり霞のかかったような比喩表現にぎゅっと胸を掴まれて、また苦しくなる。

    これは読むタイミング、精神状態を選ぶ作品だと思う。とりあえず、今日でよかった。

    またいつか、読みたい。



    ”求められなければ気が休まらないくせに、いったん始まってしまうと、あとはもうおびえを抱いて朦朧としながら早く終わることばかり考えている、セックスという行為そのものはいつだって不透明で、ただその前後にある意味ばかりを必要としていた、それを打ち砕いたのはあなただった。”p5

    ”馬鹿らしいと思われるだろうし、子供だと呆れられるかもしれないけど、私はたとえ殴られたって、そばにいてほしい。それ以外に何も望まない。あなたを縛ることは、私にはできないから”p49

    ”帰りの新幹線の中で、また忙しさの周辺に先の見えない不安ばかりが覆う日常に戻るのかと思ったら気が遠くなり、私はまるで学校に行きたくない子供のように泣き続けて、あなたを困らせた。薬指にしかはまらない指輪は目立ちすぎて、きっと出番がないだろうと思った。”p126

    “痛い、苦しい、淋しい、そのぜんぶを正当化できない息苦しさ。巨大な罪悪感を持ちきれなくて、あなたを責めた。自業自得だと思うほど飛び出す言葉は容赦なく、自分の内側から噴き出した毒がまわって病んでいく。”p132

  • 最初から最後まで地に足が着いていないようなフワフワとした感覚

  • 自分にとってはすごく難しい立ち位置の本だった。ときどき打ちのめされて、総合的にはここに書かれている感情への嫌悪感のほうが勝った。

  • 自分にはあまりハマらなかったかも、、
    ずっとふわふわした感覚で、現実世界じゃなくて夢の中を小説にしたものを読んでるみたいだった(にしてはそれなりに悪夢なんだけど、笑)
    普通のメンタルの時に読んでメンタル引きずられてあんまよくなかった、かも。
    逆にメンタル落ちてる時に逆に読むといいのかなぁ。めちゃくちゃうまくいってる時に読んだらそれはそれでよく分からない気がする。

  • 残念ながら理解できない世界観、途中挫折

  • 深い海の底でそこには私とあなただけが存在しているような印象の話。
    楽しい日常はなくそこにはどこまでいっても私とあなた。ずっと暗くて息苦しい。
    これが不倫をしている時の心情なのか。

  • 揺れる二人、交わりそうで交わらない。うーん、焦れったい。中学生かという。
    恋愛小説もここに極まれりである。

    と言っても、そこは人生をこじらせてしまった大人なので、いや実に瑪瑙臭い、いや面倒くさいのだ。離れれば追いかけ、追われれば逃げる、詩的に表現するなら蜃気楼のような、とか言う説明が通用するのもバブルまで。
    まぁこういう面倒くさい奴らが御託を並べるのも嫌いじゃないんだけど、イマイチ乗り切らないのは、なんかもうやりすぎて厨二病っぽくなってるからかなぁ。無念。

  • あまりよい読者にはなれなかった。

  • 難しい

  • 純!すぎてむずい

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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