邪宗門 上 (河出文庫 た 13-12)

著者 :
  • 河出書房新社
4.19
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本棚登録 : 494
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309413099

感想・レビュー・書評

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  • 息子の高校国語の課題図書だったので家にあった本。
    新興宗教についての本と息子に聞いていた。
    昨今、宗教が世間を騒がしているので読んでみようと手に取った。
    漢字には結構自信があるが、私でも読めない漢字、知らない言葉がルビなしでばんばん出てくるので、思った以上に読むのに時間がかかっている。
    内容的には理解不能なくらいに難しいということはなく、俗物的な内容も含まれわかりやすい。
    全く前知識無しに読んでいるので、下巻での千葉潔の役割がとても気になる。

  • たった100年前なのに、宗教の価値観ぐわんぐわんに違う。(「たった100年前なのに〜が違う」構文、どんな感想にも当てはめられちゃいますね!邪構文です。大学の出席レポートとかにおすすめです。どうせ先生読んでないよ。)

    5.15事件もある。史実と織り混ぜてて、読むの疲れたよ。
    元を正せば、あらゆる宗教ははじめは新興宗教であって、それが、1930年代、戦争に向かうにつれて、国家統一のため思想的弾圧を受けるのかわいそう

  • 天才です。

  • これだけの本を書く筆力に圧倒される。実際にあったのだろうか?

  • 図書館で借りてきて通勤の行き帰り、家に帰って落ち着いた時間にずっと読んでいたが2週間の返却期限までに200ページしか読めなかったのでそこまでのレビュー。
    文体は平易で意味はスッと頭に入るのだが、所々最近は使われない言い回しがあり、昭和初期の空気感を出すのに貢献していたと思う。

  • 半年程前、村上春樹の『アンダーグラウンド』を読んだ辺りに高橋和巳『邪宗門』を知り、読みたかったのだが、在庫のない状況で断念。

    つい先日、新刊で置かれていることに驚き、これは読まなくてはなーと購入。河出さん、素晴らしすぎます。

    しかし、キツイ!
    和製カラマーゾフな場面もあり。濃すぎて、消化できない。

    宗教って、救いって、何だ?

    「宗教家に指導された百姓一揆は、これが何ほどかの成功をおさめた際にも、遂に社会経済史的な何らの変革をもらたしえないことは、歴史がこれを証明する。」

    「天皇制を支える神道理念は、先端まで行った所で、ふわっと、農村の自然崇拝とその日々の感情生活へと解体されるのであります。」

    地域的、政治的に力を持ちだしたひのもと救霊会が弾圧され、機能を停止してゆく様子が上巻では描かれる。

    小説として面白いのは、阿礼が教主の娘としての立場を見つめ、揺れながらも屈さない強さ。そして、千葉潔が悲惨な幼児期から「生きる」こと、ただそれだけを問い続けて放浪する姿だと感じた。

    政治的側面と、精神的側面が交互に展開される中で、阿礼はひのもと救霊会を生かす道を模索し、潔は己を明かすために漱石の『門』で出てきた禅寺を訪れる。

    ここの展開が非常に面白い。

    組織としての救いのシステムと、個人としての救いの在り方が、一つの国という社会の下でどうなってゆくのか、恐る恐る下巻に手を伸ばす。

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