- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414201
感想・レビュー・書評
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20220919030
聖の表面の裏面にある賎、その歴史的な背景や宗教、放浪芸との関係
興味深いが放浪芸がなくなりつつある今、記録することの重要性を改めて考えさせられた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
野間宏 沖浦和光 対談 「日本の聖と賤 中世篇」
日本文化の大きな鉱脈として中世の賎民文化を捉え、日本文化史の見直しを試みた対談
主なテーマ
*賎民制と天皇制の対比〜天皇制や国家宗教など支配体制側の制度が確立すると、制度外のものを穢れに追いやる
*親鸞らの賎民への布教〜人間平等と国家との対立
*猿楽能など賎民文化
学校教育としての日本史は、天皇や武家など支配体制側の活動史であり、賎民の仕事や生き様を丁寧に拾い集めたのが民俗学である という位置づけに 納得
賎民制や身分制は、支配体制が権威や血統を守るために人為的に作ったものとし、支配体制側の制度が確立すると、制度外のものを穢れに追いやることにより生じたものとする論調
賎民間における共同体意識(助け合って生きる)と河原者根性(何としても生き抜く)など 制度から はみ出したものや土着思想に未来を感じる
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日本の芸能の起源にも触れていて興味深い
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面白かったです。参加している読書会での、今年凄かった本のひとつとして挙げられていました。
対話形式とは思いませんでしたが、知識が深くて広くて興味深いです。
読めば読むほど、知りたい事が増えます。
聖、というのは私度僧なのか。日本仏教史からは外れている存在…今読んでいる「阿・吽」から続きの世界を知ることが出来ました。皇族や貴族のものか、仏教。。
「梁塵秘抄」、読みたいです。 -
第1章 日本文化の深層に潜む“聖”と“賎”
第2章 国家宗教に反逆した聖の群れ
第3章 伝統的祝福芸と被差別民衆
著者:野間宏(1915-1991、神戸市長田区、小説家)、沖浦和光(1927-2015、大阪府、社会学者)
解説:塩見鮮一郎(1938-、岡山市、作家) -
いわゆる被差別部落の起源、芸能や工芸と部落の関係について、二人が対談した内容をまとめたもの。知識の背景を全く知らないので、ここに書かれていることがどのくらいの正しさなのか、単なる二人の思い込みなのか、判断ができなくてよく分からない。