- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414300
感想・レビュー・書評
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著者:塩見鮮一郎(1938-、岡山市、作家)
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標題と内容が少し異なる。正しくは「部落研究史入門」とすべき内容であり、部落や差別が歴史的にどのように発生してきたのかについて論じられている訳ではなく、それらの研究の歴史を紹介するものである。しかし、第二次大戦前後の共産主義者によって、(被差別者にとっての)差別者が農民や労働者から国家へと巧妙に理論するかえが行われたというところは大変興味深く感じた。
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「部落解放史」ではなく「部落史」であるところに注目。
部落解放史と言えば水平社運動を嚆矢とするものを想像するが、本書ではそれに先駆けて著わされた部落史の研究書から始めて、唯物史観から見た部落史、皇国史観から見た部落史と順を追って「部落がどのように見られていたのか」をその起源の考察を含めて明治(以前)から終戦までの部落史を解説したもの。
大学の講義に使えそうなくらいよく出来た解説書。 -
帯にもある通り、ありそうでなかった本。これまで、部落について書かれた本というのは、この筆者が指摘するように、イデオロギー色の強いものだったけど、この本は客観的に資料に基づいた検証がなされているように思う。
部落というものがどのように生まれ、根付いて行ったのか、丁寧に書かれている。