さざなみのよる (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1609
感想 : 118
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309417837

感想・レビュー・書評

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  • すごかった
    とにかく引き込まれるようにして読みました

    ナスミの話から、過去や未来と行き交って、その時その時に同じ時間を過ごした人たちの思いが重なっていきます

    亡くなった人は、本当にいなくなっちゃったわけじゃなくて、少しずつ生きてる私たちにくっついてるんだなって

    私にもそういう人がいるからわかる
    いなくなっちゃったけど、ちゃんといるんだよね

  • 想いを言葉にした瞬間、なんだか違うものになってしまうことってないだろうか。そういう、かたちのない大切な想いを、木皿泉さんは小説にしてくれたように思う。

    限られた命だと実感するからこそ、何気ない日常が大切なものだと気づくもの。病気で余命宣告されなくても、本来、私たちは確実に死に向かって生きているはずなのに、そのことからつい目を逸らしてしまう。

    でも、ナスミをみていると、生きていることも、死にゆくことも、この地球上においてごく自然なことなんだと思えてくる。
    私も彼女のように、誰かのこころになにか残るような生き方ができるだろうか。少なくとも他人の幸せを願えるような人でありたいな。

    自分を作りあげてきたもの。これまで出会ってきた人たちの言葉や想いもそう。それらが自分のなかに残っていたら、たとえ亡くなってしまっても本当になくなったわけではいない。受け継いでいくことで、生きている人のなかに生き続けることができるんだ。

    目の前のことに必死で自分のことしか考えられなくなっているとき、自分のなかにある大切な想いを確かめたいとき、この本をまた読み返したい。

  • 初めて読む作者さん。帯に泣ける本第1位と書かれていたのを見て読んでみる事にした。
    主人公は話が始まってすぐに病気で亡くなってしまう。その後も彼女と関わった人達の中で彼女の話は続いていく。彼女との思い出彼女の存在を感じつつ生きている人達は彼女亡き後も生活を送る。
    1つこの作品だけではないのだけれど、若い人が病気で亡くなるときは毎回この病気の設定になるのがちょっとな、と思う。

  • マーケットストア「富士ファミリー」を営む
    小国家三姉妹の次女ナスミ
    43歳で癌になり亡くなる
    ナスミの死後の家族、友人をナスミの思い出と共に描く

    淡々と描かれるなかにホロッとさせられる
    ナスミの生きた証が今を生きる人々に
    様々な影響を与え生きる力に変えていく

    ナスミの日出夫は「キ」
    ナスミは「ガ」
    のエピソードが泣きそうになった
    人を1文字に表す独特な表現が
    ナスミの素敵な人柄だと思った

  • 変な意味ではなく、死ぬのもいいもんだと思える本。
    そう思えるように、人との関係を大切にしていこうと思える本。
    さすが脚本家だけあり、抜群のテンポ。

  • 4.3かなぁ。

    主人公?であるナスコが若くして死んでしまう所から始まるストーリー。

    当たり前だけど、読み手である自分とこのナスコさんとの間に思い出(情報)なんて、ないのだから感情移入なんでできなかった。

    でも、このナスコさんの周りの人の死後の世界。
    つまり、ナスコさんが死んだ後の『生きている周りの人』達の話の中から、ナスコさんのイメージが出来ていく。

    この感覚知ってる。
    父の葬式の時。

    比較的、知っているつもりだった父の思い出だが、
    葬式に集まった人達の思い出により、意外な一面やらしいと思う一面が出てきて、なんだか感動させられた。

    この物語の主人公ナスコにも言えるが、人は本当に影響を与えあって生きているのだなぁと感じずにはいられない。人が死ぬ。昨日までは確実に存在していたはずの命が今日は無い。これが、影響を与えないはずがない。そして、物語の冒頭ではサラッとしてしまったナスコの死という現象は、生きているうちを含め、本当に多くの人に影響を与えたのだという事。自分の死んだ後に、これほどの影響はあるのだろうか?今のうちに、絆を増やしたいなと思う。
    今は、まだ生きてるのだから。

  • 「やどる」
    今この身体に命がやどりその人生を終えた時また次の身体にやどる。生まれ変わりとからそう言う大袈裟なモノでは無くて。
    今は悲しみの真ん中でもそう思えば未来が楽しみになります。

  • 木皿さんはドラマの『すいか』で名前を覚えた方。
    こういう雰囲気の作品凄く好き。

  • よく、死んでも心の中で生き続けている、といった表現が使われるが、これはまさに、死者が生きてるいる者に与えている影響は想像以上であるということを表現する話。当然、一人の人がいなくなるというのは悲しいことだが、そこから新たな考えが得られたり、新たな幸せが生まれたりする。死はマイナスの面だけではないということを感じさせてくれた。

  • これも途中で辞めてしまった…
    良い本なのだとは思う。でも、読み続けるのはしんどかった。今の私には合わなかった…

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著者プロフィール

夫婦脚本家。ドラマ「すいか」で向田邦子賞、「Q10」「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”」で2年連続ギャラクシー賞優秀賞。他に「野ブタ。をプロデュース」等。著書『二度寝で番茶』など。

「2020年 『さざなみのよる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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