ギケイキ2: 奈落への飛翔 (河出文庫 ま 17-4)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309418322

感想・レビュー・書評

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  • ギケイキの続篇。

    頼朝との邂逅を遂げた義経。物語は、そこから源平合戦(一ノ谷の戦いの鵯越や壇ノ浦での平家滅亡)をすっ飛ばして、一気に頼朝と義経の対立へ。頼朝の命で義経討伐に向かった土佐坊正尊一味との京の町での攻防を中心に、全編コミカルに描いている。

    そして都を去る義経。西国を支配しようと意気軒昂に船出したが、結局激しい嵐に遭遇して出発地に戻され、吉野を目指して過酷な山中行軍。その山中で、静とのねっとりとした離別と静の捕縛。え、物語はここで終わりなの?。ということは続きがあるのかな?

    ネットで調べたら、著者はロックミュージシャンでもあるとのこと。古典でロックしてたんだ、と妙に納得。

  • 引き続き読みました『ギケイキ②』。やはり、『義経記』の原文を一章分位読む。次に原文をチラ見しつつ『ギケイキ』の対応する箇所を読んでみると! その解釈の深さ的確さ、背景知識(勉強)、行間を、そして台詞と台詞の間を埋める想像力に驚嘆するとともに、その想像力が生み出したセリフに抱腹絶倒。読んでいてむちゃくちゃ楽しいぞ。なんど吹き出したことか! あるいはまた、『平家物語』巻七「福原落」にも比すべき「義経都落」の286頁から289頁なんかを原典と対照させて読んで見よ。町田康の文の芸に感動感涙するぞ! しかし最後まで来て、アレ?! これ巻五の初めの二章で終わってるやん(原典は巻八まで)! この分やと『ギケイキ④』まで行かんと完結せんやん。町田康、早く続きを書いてくれ!

  • 相変わらずめっちゃおもろいやんこれ。2ページに1回ぐらいの頻度でツボにはまる部分があったんじゃないかな。笑いの止まらない変な人やと思われる可能性が高いので、外では読まないほうがいいかもね。自分はやったけど。
    メンヘラ弁慶をはじめ登場人物全員、基本やる気が無くてグータラしている奴らばかり。そんな彼らが追いつめられたときの様子が見もので、大爆発する者、絶望にくれる者、そもそもピンチであることを理解できない者など様々なんだけど、いずれも皮肉たっぷりにdisられるさまは痛快の一言。大いに楽しませてもらった。その中でも一番面白かったのは敵側の土佐坊正尊の悲哀っぷり。レ・ミゼラブル、ああ無常とはまさにこのこと(違

    3巻目も絶対に読みます。

  • ギケイキ2巻目。頼朝との再会から確執への流れがメインのストーリーなので、1巻目の千年の流転よりも読んでいて苦しい。
    どうしても義経側に立って読んでしまうので、梶原景時にムカついてしゃーない。
    んで、壇ノ浦の合戦が見どころとして語られると完全に思っていたのに!なんと自慢になるから言わない、だと!オモロイやないかい!!
    個人的には合戦時の卑屈な景時の様子と義経の勇ましいさまを見たかったのはあるけど。
    前巻から続くファッションの説明、ちょっとしつこいなーと思ってきたん私だけ?斬新やしええねんけど、毎回想像するの楽しいっちゃ楽しいけど、先に進むのにタイムラグあんねんそこで。
    義経の内面、というか町田康の言い分が多めで話脱線してるけど、そこがこの本の深みなんかなと思ったり。

  • 面白い、だけでなく分かりやすい
    登場人物のキャラが良い、今まで堅苦しいかった人達に急に親しみが湧いた

  • あとがきにもあるが、義経が平家を滅ぼすあたりから頼朝が義経を疎んじるまでの話がほとんど描かれないので、頼朝の行動原理が理解しずらい。平家物語で補完するしかないのかな。

  • ギケイキ3を早く読みたい。完結するのかな?

  • ものすごく読むのに時間がかかったけどやっと読んだ。喜三太がいいキャラしててかわいい。

  • 義経が、頼朝と対面したと思ったら、その後の平家討伐は1ページですませて、あっという間に頼朝との関係悪化期が描かれる。刺客の正尊を撃退した後は、落ち目感はなかった!ぜんぜん落ち目感はなかった!と何度も強調しつつの都落ち。最後は静と別れるまでが語られる。◆印象に残ったのは、起請文の効力。それが実際に効いたという世界観。義経が自分の書いた起請文が根も葉もあることだと証明するために、こういった行動をしたのだ、という風に描かれており。◆全4巻の計画らしいが、この続きは未だ書かれていないようで。けど、このあとって滅亡までまっしぐらというか書いてても読んでてもつらそうで、どうもりあげるのかなあ、と一抹の不安。◆"つくづく思う。人間は首尾一貫しようとして滅ぶ、と。人間は根底に於いて首尾一貫しないものだ。人の心は瞬間的に変わるし、瞬間的に明滅している。"(p.388)

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著者プロフィール

町田 康(まちだ・こう)
一九六二年大阪府生まれ。作家。九六年、初小説「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞・野間文芸新人賞を受賞。二〇〇〇年「きれぎれ」で芥川賞、〇五年『告白』で谷崎潤一郎賞など受賞多数。

「2022年 『男の愛 たびだちの詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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