十二神将変 (河出文庫)

著者 :
  • 河出書房新社
4.04
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本棚登録 : 367
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309418674

感想・レビュー・書評

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  • 歌人・塚本邦雄の書いたミステリ。
    気になるなぁ…と思いながら書店で手に取ったら、帯を書かれていたのが岸本佐知子さんで「あ、買おう。」とそのままレジへ。

    難しい漢字や馴染みの薄い植物や色の名前などがたくさん出てくるので、読んでは調べ、調べては読み…と行ったり来たりしながらゆっくりと読み進めました。
    煌びやかな表層の下に蠢く、罪や愛憎や死の湿った気配。
    さまざまな思惑を滲ませた、機知に富んだ会話。
    読みながら、くらり、くらりと眩暈がするような感覚を味わいました。

    しかし、私の人生の経験値が足りなさ過ぎて、本書を十分に味わえたとは到底言えません。
    …が、逆に言えば、これからもまだまだ本書の凄さに気付けるということ。
    また読もうと、決意。

    • 111108さん
      すずめさん こんばんは

      知らなかったです!歌人×ミステリという意外過ぎる組み合わせ。
      帯が岸本佐知子さんって‥買っちゃいますね!

      難解な...
      すずめさん こんばんは

      知らなかったです!歌人×ミステリという意外過ぎる組み合わせ。
      帯が岸本佐知子さんって‥買っちゃいますね!

      難解なんでしょうか?謎解きというより奇妙な物語?
      2022/02/06
    • すずめさん
      111108さん、こんばんは!コメントありがとうございます。

      読者も一緒に推理して犯人当てに参加できる、というようなミステリではないで...
      111108さん、こんばんは!コメントありがとうございます。

      読者も一緒に推理して犯人当てに参加できる、というようなミステリではないです。私は今回はじめて読んだのですが、雰囲気に飲まれて酔いながら読んだなぁ…という感じでした。岸本さんが帯に書かれていた「これはもう、文字でできた麻薬」という言葉がとても似合う本だと思います。
      2022/02/07
    • 111108さん
      すずめさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど‥雰囲気に飲まれ酔うような感覚なんですね。岸本佐知子さんの帯上手いですね!
      読んでみたい...
      すずめさん、お返事ありがとうございます♪

      なるほど‥雰囲気に飲まれ酔うような感覚なんですね。岸本佐知子さんの帯上手いですね!
      読んでみたいような、読むのが怖いような気持ちになります。
      2022/02/07
  • 歌人の方が書かれた小説

    題名で買ってしまった

    1974年刊行
    難しい漢字、使わない言葉が出てくるので調べながら読む事になる。その為、読むテンポは悪くなった。


    建築士事務所で働く長男、宝石デザイナーの長女、精神病理学者の父と良妻賢母の母、そして居候の叔父で暮らす飾磨家は一見して幸せで裕福な家庭に見える!
    そんな飾磨家、長女の沙果子が思いを寄せる最上立春が中国で出張中のはずが不穏な動きあり!?

    ヘロイン中毒で死亡する若者

    ケシの花を育てる結社

    名家のしがらみ


    色んなものが纏わりつく、粘り気のある物語・・・

  • ちょっと読んでは、言葉の意味を、漢字の読み方を、画像を検索するので、ちっとも進まないけど楽しい
    おまけに突然ストーリーに爆弾ぶち込んでくるので、目が点になり、意識が遠くにさまようことになる。
    読書って楽しいを再確認した。

  • 難しかった。いつかまた読み返すのが目標です。

  • 寸暇も惜しんでとかページをめくる手が止まらないとか、そういうレベルで面白かったです。
    無駄な肉を削ぎ落としていながらもグルーヴ感のある文章、絶妙なテンポのストーリー展開。日本語で書かれた物語を読む快楽がここにあると言って過言でないです。
    解説を読むと久生十蘭や夢野久作を高く評価していたとのことですが、なるほどと納得ですし、良い意味で頭のぶっ飛んだ設定とかネーミングとか、もう大好きです。

  • 噎せ返るほど濃密でありながら透徹した文章だった。巻末解説の、敗北した男たちと逞しい女たちが云々という段が本編にそぐわない古臭く陳腐なクリシェでどうにも白けた。

  • まず通読。どれほどの知識、教養があれば読みこなせるのだろう。

  • 中井英夫にハマってた頃、「短歌研究」や「日本短歌」の編集長だった中井に並んでよくその名を見かけた。現代短歌の巨星、塚本邦雄。寺山修司らとともに前衛短歌運動を行い、短歌を現代に蘇らせた歌人である。この人の短歌は全然違う。
    その塚本邦雄が遺したミステリ「十二神将変」。三十一文字の短い言葉に、沢山の意味を閉じ込める魔術師ゆえにこの文章の言語感覚に陶酔したい。
    まさに中井英夫の「虚無への供物」にも似た絢爛豪華な文体、悪く言えばまだるっこしい傑作である。「虚無への供物」を彩る花が薔薇なら、「十二神将変」は罌粟だ。中井英夫がダメな方はこれもだめでしょう。
    魔法陣を象った九星花苑で急死した最上立春。死因はヘロイン。その傍らに十二神将の一体が置かれ。サンスクリット学者、精神病理学者、茶道家、菓子司、浮世離れな面々の人間関係、力関係。男世界、女世界、絡み合う男女関係。
    立春と女性たちとの忍ぶ恋、時に同性愛の薫りもさせながら、いきなりラストで犯人が明かされる。
    ミステリと言っても探偵小説ではない。犯人を当てようとするのは無駄だ。探偵や警察が出てくるわけではない。立春は開始早々で死ぬが、殺人だと騒がれもせず、淡々と話は進む。ミステリだと言われなければ何も気づかないで最後にへえ~と思うだけだろう。
    ラストの短歌が素晴らしい。紹介したいけどネタバレになるので書けません。それがいろいろな意味を持つ。さすが巨星の短歌なのです!

  • これもとにかく読んでほしい…!!

    第三章がちょっと高度な教養バトルの様相を呈するので本当になんの話かさっぱりわからないいんですが、そこを乗り越えたら第四章は初っ端から義兄弟タイム始まるので悲鳴を上げてください…

    姉の夫の精神科医×寺の元住職で風来坊のハイパー教養人の義弟

    12歳差のこの義兄弟がまあ最高なんですよ…

    姉夫婦の母家の別棟に義弟が住んでいるんですが、家族が留守になるとこの別棟でね、色々しているんですよ…読んで確かめてください…私はよすぎて変な笑いが洩れました…

    秘密結社、芥子農園、それに絡む殺人とお話自体もミステリで大変面白いです!

    とにかく第三章を頑張って乗り越えてください…

  • 空晶氏の多才の絢爛と国際的モテぶりが凄すぎて笑った。巻末、島内氏の解説中に引用された左東子の歌に誤字あり、こちらも老眼で自信がないので、思わずアレッ、と85頁まで確かめに行ってしまった。

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著者プロフィール

1920年生まれ。2005年没。歌人。51年、第1歌集『水葬物語』刊行、以後、岡井隆、寺山修司らと前衛短歌運動を展開。現代歌人協会賞、詩歌文学館賞、迢空賞、斎藤茂吉短歌文学賞、現代短歌大賞など受賞。

「2023年 『夏至遺文 トレドの葵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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