鬱屈精神科医、占いにすがる (河出文庫 か 17-3)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309419138

感想・レビュー・書評

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  • 「もしかすると読者諸氏は、本書をエッセイなのか私小説(のようなもの)なのか判然としないと感じるだろう。しかしわたしはどちらでも構わまないと思っている。」

    ベストセラーリストや国政をみて世の中バカじゃないのかと思っているところや、財布や小銭入れを絶対に使わないところが、自分と違っていて新鮮だった。いつもは自分と似た考えを持つ人の本を選んで読むので。

    「この本は自己嫌悪の物語かもしれない。自己嫌悪の主成分は未練、自己嫌悪とは、現実と折り合いをつけるためのセレモニーであり、しばしば依存症を伴う。」

  • 小説なのか?自分語りなのか?
    不思議な本

  • 精神科医の先生の占い体験記というシチュエーションに興味を持ち手に取りました。
    なんだか、とても生きづらそうな方で心配になりましたが、それぞれの心のうちをありのままに表出してみると大概みんなこんな感じなのかな、という気もします。

  • 春日武彦さんの本は面白くてつい手に取ってしまいます。タイトル通り、春日さんが占い師に占ってもらうところから始まるエッセイ。これでもかと己の内面を克明に書かれているので、読んでいると「占いに行かなくてももう答えはでているのでは?」と思ってしまいます。何が原因で鬱屈したものを抱えているのか、ここまで自己認識するにはそれなりの苦しさがあるはず。残酷なのは、たとえ苦しさの原因が分かったとしても、どうにもならない点で、これはずっと抱えて行くしかない。だからこの本で著者は占いというものに縋っているのだけれど。いつも彼の著作を読んでて思うのは私も彼と同種の人間だということ。苦しさを手放せなくても、同類の人間がいるという事実だけで、苦痛は多少和らぐような気がしています。今回も面白いエッセイでした。

  • 春日先生の著作はこれがはじめて。

    本人の中では実はわかっているのにすごく丁寧に中心を避けてその周りを書いているのか?と思わせる書き方でした。

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著者プロフィール

1951年生まれ。産婦人科医を経て精神科医に。現在も臨床に携わりながら執筆活動を続ける。

「2021年 『鬱屈精神科医、怪物人間とひきこもる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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