こんがり、パン: おいしい文藝 (河出文庫)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309419824

感想・レビュー・書評

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  • パンにまつわるおいしいアンソロジー、『こんがり、パン』 - 旅と日常のあいだ
    https://www.tabitoko.com/entry/2020/04/21/002414

    こんがり、パン :津村 記久子,穂村 弘|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309419824/

  • 奇しくも和食に関する展示を見に行くという日に、頭の中が小麦でいっぱいになってしまった。

    トーストしていない食パンの上をバターあるいはマーガリンがごろごろ転がるのには私も覚えがある……。
    エッセイを読んで面白くなることのひとつに自分の人生と重なる瞬間もあるよね。なんて思った一冊。他のシリーズも読みたい。

    思い出深い某所のパンが食べたくなった。いまだにあの店のあんバタフランスを越えるパンに出会ったことがない。だけどきっと訪れることはないでしょう。記憶の中で美化され続けるあんバタフランス。

  • 短編ではなくショートショート。
    宮下奈都さんの「パン」お母さんが甘いものが嫌いで、子供達も欲していないと思い、パンという名の違う食べ物を作って、お客様にも出して、それがパンでないことを、サンタがいないことった時のように、必死に弟には、悟られないようにパンと呼んだとの逸話が面白い。
    入江敦彦さんの「ロバの蒸しパン」京都の蒸しパン屋さんの話が気になり調べたら、京都産業大学近くにあるようだ。今度京都に行ったら、行ってみたい!
    ちょっと短すぎるが、通勤電車10分のお供には良い。

  • 腫瘍ができて入院しながら読んだ。
    パンだけど美味しい話が書いてあるわけでもなかった、それぞれのパンにちなんだ思い出のようなものをかいた本だった。ご飯ではなく、少し毎食食べるわけではないパンのほうがみんななにかの思い入れのある話があるんだなと思った。

  • 41人の作家さんによるパンにまつわるアンソロジーのエッセイ集。

    私自身もパン好きなのでこの本のタイトルとこの表紙のイラストですぐに読みたくなって手に取りました。

    パンとひとえに言っても、今の日本だとあらゆる種類のパンの種類があり、
    その中から作家さんがこれだと思ったパンを描くというのも
    なかなか面白いものが見れたと思いました。
    好きなパン屋さんのこと、好きなパンの食べ方、
    パンについての思い出、パンの歴史などを
    多方面から描かれていて、パンの世界も知っているようで知らないことが沢山あって新しい知識が得ることも出来てお得でした。

    印象的だったのは、
    岸本佐和子さんの「一度切の文通」。
    高校生の頃、昼休みになると学校に来るパン屋さんに
    クラスのパンの注文をするパン当番というのがあり、
    パン当番であった不思議な出来事でした。
    著者はパン屋さんと紙袋に書かれた文字を通してささやかな文通を
    楽しんでいたはずなのに、後になって同級生に聞いていたらパン当番のことも知らなかったという。
    これだけはっきりと覚えているのだから夢ではないと思いますが、このパン屋さんとのやり取りが何だか微笑ましい光景でほっこりとしてしまいました。

    川上弘美さんの「しょうがパンのこと」と長岡弘さんの「ショウガパンのこと」
    でショウガパンのことが書かれていましたが、絵本でショウガパンのことは
    紹介されていたようですが初耳だったので興味津々でした。

    鹿島茂さんがフランスパンのことについて書かれていましたが、
    さすが自由の国、そして革命の国というお国柄のせいか
    フランスパンについての法律があったりパンの長さや重さの法律まであるなんて吃驚でした。
    そして何人も書かれていたサンドイッチやあんぱんでは
    歴史や由来を知ることができ、サンドイッチでは食べ方も
    その国によってだいぶ違いがあるのも発見でした。

    読んでいるだけでパンが焼ける香ばしい匂いが漂ってきそうで、
    幸せな気分になりますが、その一方では悲しみのあるパンもあり、
    現在でもロシアによるウクライナ侵攻の影響で
    小麦の輸出が困難な状況は続いています。
    その影響で世界中で小麦の価格が上昇してパンはおろか
    小麦を手にすることが難しい国もあります。

    今現在、幸せな気分でパンが食べれることに感謝をしつつ、
    これからも美味しいパンを多くの人達が食べれるようにと願うことも忘れないようにパン食を嗜みたいと思いました。

  • 総勢40名の作家達によるパンにまつわるエピソード集。それぞれ全て印象的だったけど、津村紀久子、入江敦彦、開高健なんかは文章が上手いし(何様笑)、澁澤龍彦のは着眼点が面白いし、長田弘のは興味深かった。
    ショウガパンうさぎかわいい

  • 美味しそうな文章もあれば、胸がぎゅっとする文章もある。パンをモチーフしたアンソロジー。

    好きな作品
    「パンに涙の塩味」開高健
    「パン」宮下奈都

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著者プロフィール

1978年大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で第21回太宰治賞。2009年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞など。他著作に『ミュージック・ブレス・ユー!!』『ワーカーズ・ダイジェスト』『サキの忘れ物』『つまらない住宅地のすべての家』『現代生活独習ノート』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。

「2023年 『うどん陣営の受難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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