若きドン・ジュアンの手柄ばなし (河出文庫 ア 3-2)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309461823

感想・レビュー・書評

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  • アポリネールが糊口をしのぐために書いた2冊のポルノグラフィのうち、1冊は『一万一千の鞭』もう1冊がこちら。いかにもサド的な放蕩の末に日本軍に鞭うたれて・・・という『一万一千』の荒唐無稽さに比べたら、こちらのほうはわりとオーソドックスな、思春期男子のエロ妄想からスタート。

    夏休みの別荘、主人公ロジェ少年は、二人の姉、女中たち、年若い叔母らに手当たり次第に手を出す。そもそもほとんどが近親相姦、それ以外でも妊婦、生理中、性懲りもないスカトロ趣味など基本悪趣味。まあタブーを侵犯するのが楽しいということでしょうか。のわりには、相手が変わるだけでやっていることは特に変わりばえなくワンパターンなので、後半になるとちょっと飽きてきた。ポルノグラフィとしてあまり良い出来とは思えない。

    ところでアポリネールの死因はスペイン風邪だったんですね。38歳、若い。どんな死も不可抗力ではあるけれど、流行り病で亡くなるのは持病や事故と違いなにかとても理不尽な気持ちになるのは現状ゆえか。ジャン・コクトー「アポリネール論」も収録。

  • 赤貧に喘ぐアポリネールが糊口を凌ぐために匿名で書いたポルノ小説。主人公ロジェが性に目醒め、妊娠中の人妻ディアヌで童貞を捨て、姉のベルト、小間使いのカット、ディアヌの妹ミュレル、農婦ユルシュル、姉のエリーズ、叔母らと次々に関係を持ってハーレムを築く様を描く。当時のベストセラーだそうだが、現代の目で見ると単調で、出来の良いポルノではない。

  • 他人に知られたくない、閨房での秘め事と云う趣きは無いですね。
    子供がやるお医者さんごっこみたいな感じが…。

  • 少年の性の目覚めから放蕩の方向へ駆け抜ける小説。

    少女の裸体の記述が美しい。少年が持つ性への意識をうまく表現している。さすが天才アポリネールである。

  • 笑える放蕩

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