死者と踊るリプリー (河出文庫)

  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309462370

感想・レビュー・書評

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  • 今回のリプリーは殺人しないのだけど、相手が勝手に死ぬのだけど、それまでの、またそれからばれるか否かまでの不安な過程について、解説にも書かれているが、彼の少しで崩れる、犯罪の上に成り立つ人生の危うさを描いている。
    リプリーは犯罪者だ。どうも彼が主人公ゆえ肩入れし読んでしまうが、薄氷の上生きる存在であるのは正しい。厚かましく彼の犯行を知る人のない世界などないように、と思うが、彼の世界側、ちょっと悪い奴の魅力を読むにつけ逮捕されたくなく望んでしまうのは、完全にストックホルム症候群。私はリプリーが好きだけれど、悪い奴がどんな恵まれた生き方を手にしようと不安と背中合わせだ、と描いたシリーズ最終作は、素晴らしいと思う。

  • リプリー・シリーズの第5巻。
    本作ではリプリーの『過去』、主に『贋作』で描かれた事件が重要なモチーフになっており、『贋作』のストレートな続編と言える。
    スリリングな展開で一気に引き込まれた。ラストは少々肩すかしなきらいがあるが、それはまぁ、ご愛敬だろうか。

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著者プロフィール

1921-1995年。テキサス州生まれ。『見知らぬ乗客』『太陽がいっぱい』が映画化され、人気作家に。『太陽がいっぱい』でフランス推理小説大賞、『殺意の迷宮』で英国推理作家協会(CWA)賞を受賞。

「2022年 『水の墓碑銘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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