- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309462486
作品紹介・あらすじ
放浪生活こそ、ケルアックに最もふさわしい言葉だ。本書は、ベストセラー『路上』の三年後に発表された八編の散文による作品集。サンフランシスコの鉄道員時代、メキシコ・シティ、貨物船での航海、ニューヨークのナイトライフ、カナダ国境の山火事監視員生活、モロッコ、南仏、パリ、ロンドンに至る体験を、詩的で瞑想的な文体で生き生きと描いた魅惑的な一冊。
感想・レビュー・書評
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村上春樹『スプートニクの恋人』ですみれが愛読していた本書。
とくに山火事監視員の話が・・・とかいてあったのですが、確かにこの短編は良い。
最近読んだ『荒野へ』の中にもこの短編の言葉が書かれていた。
人間は自分自身と対話して、孤独の元に生きていかなあかん、ってのは根幹にあるのですね。
ケルアック、必死に生きてて好きやわーーーーーー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新書文庫
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読みづらいなー。と、想いながら読み進めていって、ある瞬間で読めるようになったのは、慣れたのか、ケルアック自身の変化なのか。思考が駄々漏れていて、あえてわざわざそういう書き方をしていて、それが「ビートニック」なのかなんなのかわからんけど。のんびりした時代だったのかな。と、思うところもある。おおらかゆえに働いては旅に出て、旅に出ながら働いて、時々、文章を書いて・・・。気の合う仲間とバカ騒ぎをして。エッセイなのか物語なのか。最後まで理解できなかった。★菅啓次郎「コロンブスの犬」
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存命なら88歳、1922年3月12日に生まれ41年前の1969年に47歳で亡くなったアメリカの詩人・小説家。
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読みにくっ!
ケルアックのspontaneous proseを忠実に再現したのだろうが・・・日本語だと冗長なだけだね。
中上さんは、原文のリズムや文体を殺すまいと頑張ったんでしょう。
でも無理があったね、すんごい読みにくい。意味が理解できない部分もちらほら。
それにしても、この本を読んで思うのは、ケルアックの方法論ってのは
小説じゃなくてエッセイなんかに向いてるんじゃないかってことだ。
経験したことを小説にブレイクダウンさせるケルアックみたいな作家にとって、
spontaneous proseってのは記憶と感覚を同時に働かせて、かつ記録していく方法だったわけだけど、
それって自己閉鎖性("self-containment")の世界に他ならないのよね。
誰かに伝える時には、それが伝達を阻害する。
だからケルアックは語りたくないものや倫理的に汚いものを描写して、
その痛みでショックを与えようとするグロテスクの異化作用を応用したわけだ。
だから彼の痛みっていうのは批判されて当然だった。批判されるべくして書いたも同然だったんだから。
問題はそれをフィクションとして組み立てたことで、世の評論家連に悪しき文化の隆盛を思わせてしまったこと。
(バイブルはいつだって活字なんだ。どんなに世界が変わっても、言葉にならない思想は世界に影響を与えないし、
与えたとしてもそれは誰にも認識できない。)
そもそも経験をブレイクダウンする必要なんてなかったのだ。ノンフィクションでよかったんだ。
ノンフィクショナルに世界を記録する方法としては、すごくいい方法だと思う。
「詩と小説の区別なんてない」とケルアックは言った。彼の作品は詩であり小説でもある。
そしてまた同様に、エッセイでもあると俺は思う。
この『孤独な旅人』はエッセイだけど、この作品にはケルアックの見る世界そのものが描かれていて、
彼の感じる世界そのものが描かれていて、彼の思考そのものが描かれている。
それが一斉に描かれている。
だから俺にとってこのエッセイはすごく面白かった。
人間の持つあらゆる外的世界とのつながりが描かれている。
人間を文字に置き換えたとききっとこういうものが出来上がるんだと思う。
ケルアックの筆圧の強弱がわかって、
俺にとっては関心させられる作品だったと思う。
支離滅裂です。