- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309467856
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
ひええ、おもしろかった…!
暴力や報われなさ、悲哀を突き抜けた先に滲むおかしみが岸本佐知子さんの翻訳と相性抜群で、むうむう唸りながら読みました。
はじめて読む著者の本なのですが、1編読むごとにずぶずぶ沼にはまっていくように、その世界に引き込まれていきました。
何事もなかったように始まるのに、読み進めていくうちにその"ヤバさ"の核が見えてくる感じが癖になります。
恐ろしさや気持ち悪さがごった煮になったどろどろの中に、小さな美しい光がきらめくような瞬間に救われたような気持ちになったり。
「スパイダーヘッドからの逃走」はぐわんぐわん感情を揺さぶられて、映画を1本観たような疲労感と共に読了。
「訓告」「センプリカ・ガール日記」のじわじわと不快感が押し寄せてくる感じにぞくり。
「わが騎士道、撃沈せり」は喜劇と悲劇の塩梅が絶妙だし、翻訳するのが楽しかったのでは…と感じさせるセンスにあふれた訳を堪能できました。 -
どの短編も、登場人物が(設定も)常軌を逸しています。心情的に寄り添うのがとても難しくて、戸惑いながら読み続けました。が、最後まで読んで、なぜか晴れやかな気持ちになっています。私みたいなポンコツも、生きてていいんだ…的な。まだ頑張れそうです、私。
-
読んでて気持ちのいい文章ではない。訳も微妙な気がする。最後のお話の最後の方だけよかった。絆のしずく。