世界地図から歴史を読む方法: 民族の興亡が世界史をどう変えたか (KAWADE夢新書 217)
- 河出書房新社 (2001年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309502175
作品紹介・あらすじ
世界史を形づくってきたのは、民族の大移動や抗争の歴史である。各地域、各時代の民族たちはなにゆえに、その土地で、激しい興亡を繰り返してきたのか。"地図"という新たな視点を用いて、より空間的に民族の歴史像をとらえ、世界史を読み直す本。
感想・レビュー・書評
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それぞれの項が年代順でなかったり、地域的にも脈絡なくつづられているようなかんじであったが、アジア・ヨーロッパ・アメリカ・アフリカそれぞれ細かいところまで、淡々と(?)記載されていて、非常に勉強になった。2001年発行の本で、その時点でまだ紛争の火種が残っていると記されているものについては、確かに現在2023年でも燻ぶったままのように思われる。
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百年戦争で習俗の異なるイングランド軍に侵入されたことが、フランス側の民族意識を高めた。p.55
多民族国家イラン。ペルシア人50%、アゼリ人25%、ギラキ・マザンダラ人8%、クルド人7%、アラブ人3%。古くから東西交通の要所だった。p.66
サンマリノは、国境の出入国管理・通貨発行・関税をイタリアに委任している。p.76
「アラブ人」は曖昧な概念。肌の白いシリア人も、エジプト南部やスーダンの肌の黒い人もみな「アラブ人」。p.104
レバノン。イスラム教徒68%。キリスト教徒32%。大統領はキリスト教徒から、首相はスンナ派から、国会議長はシーア派から選ぶルール。イスラム教徒とキリスト教徒の主導権争いが続いた。イスラム教徒のPLO・シーア派武装組織ヒズボラは、レバノンに活動拠点。p.117
キリスト教を国教にした世界初の国、アルメニア。p.136
ジプシーの故郷は西北インド。そこから、ペルシア・トルコ・バルカン半島を通ってヨーロッパに移動してきた。ヨーロッパ人はジプシーはエジプトから来た人々だと考えていた。英では「エジプシャン」から「ジプシー」になった。p.154 -
“歴史を読む方法”というタイトルはいくらなんでもウソつきすぎ。“世界の国境の歴史”がいいところ。新書の分量で全大陸網羅しようとしてるから、展開がやばいはやい。1行内で独立した国が滅亡したり当たり前。要所要所で面白いところはあるんだから、もっと1冊としてまとまった本を買いて欲しい。
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2018/4
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地政学的な理由から、こういう紛争が起きて…的な話だと期待していたのだが、ただ単に、紛争の地図を挿絵に出来事をつづっただけだった。広く浅く、民族紛争について知ることはできました。(記憶に残るかが問題だ)
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薄い新書で、書名のテーマには無理がある。断片的な歴史の紹介に留まっている。書名を意識して読むと肩すかし感、大。
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世界で起こるいろいろな民族紛争の背景にある過去の帝国の存在などの歴史、そして欧州に残る小国の存在の意味、ユダヤ人・アルメニア人の歴史、など読み物として面白い内容でした。しかし、やや荒っぽく、断定的なところが、学問的に本当?という疑問を感じました。
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世界史の新しい楽しみ方
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12年も塩漬けにしていた本をやっと読んだ。よい本だった。数ある世界史の入門書の中でも良い本であると思う。