アイデアはどこからやってくる? (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 197
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309616612

感想・レビュー・書評

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  • 最後の方のまとめが、とくにオススメ!なるほど!

  • テノリオンの開発者であり、NHKの番組で小学生に素晴らしい授業をされていた岩井さん。その発想力のユニークさ、素晴らしさにとても感動していたのですが、さらにウゴウゴルーガのキャラクターデザインも彼だったのですね!100かいだてのいえも読みたいなー。

  • アイデアを出すための本。アイデアは、考えることでしか生まれないが、考えるって何をどうするのか…その方法論ではなく、筆者の成功事例から、分析している。この人のアイデアは着眼点に優れている。この、カネがなくてもできる、普通の常識を疑う姿勢が参考になる。
    まず、読みやすい!具体的な部分も抽象的な部分も押さえられてて、理解しやすい。そして、説得力がある。自分の不得意から、そういう人にも使いやすいものを考える、それはシンプルだけど難しい。不満を解決するのがアイデアだという考えにも好感。

  • 「ぼくも、技術が追いつかず5年寝かした種があります」

  • 図書館
    再確認のための本。
    わかっているはずなのに、でも忘れがちになることを思い出させる。

  • 岩井氏は、音や光を題材にしたインタラクティブな作品をつくることを得意とするアーティストで、テレビ番組「ウゴウゴルーガ」やヤマハの楽器「TENORI-ON」など、コアなファンを持つ作品を生み出してきた方です。最近では、絵本『100かいだてのいえ』など、自分の娘さん達との交流の中から生み出した作品で新境地を拓き、教育関係者からも注目を集めています。

    そんな岩井氏が、自らの代表的な作品を題材にしながら、アイデアがどんなふうに生まれ、どんなふうに育っていくのかを説明したのが本書。

    ・アイデアは常識の裏側に隠れている
    ・アイデアは挫折から転がり出る
    ・アイデアは居心地の悪さから生まれる
    ・アイデアは歴史の中に埋もれている
    ・アイデアは子どもが教えてくれる
    ・アイデアは木のように育っていく

    というのが本書の章立てですが、「常識の裏側」「挫折」「居心地の悪さ」「歴史」「子ども」「木」というキーワードが示すように、アイデアを特別なものではなく、日々の暮しや風景や気持ちのすぐそばにあるものとして描いている点に特徴があります。

    当たり前ですが、アイデアは、何も一部のクリエイティブな人々だけのものではないのです。それは、誰にとっても開かれた資源であり、可能性です。そして、人は、アイデアを生み出し、形にすることによって、毎日の生活を豊かにし、幸せになることができる。アイデアこそ、人を人たらしめてきたものなのだといえるでしょう。

    「『アイデアを出し、形にする』ことで人生を貪欲に楽しみたい」「アイデアとは、生きがいそのもの」と言い切る岩井氏の言葉には、アイデアの力で人生を切り拓き、幸せをつかみとってきた人ならではの力が宿っています。

    現状に不満があったり、居心地が悪く感じていたりする時こそアイデアの出番です。挫折や限界を自分自身の力で乗り越えようと知恵を絞る時こそアイデアが生まれるチャンスです。そして、誰のどんなアイデアでも「それ自体が魅力的であればちゃんと受け入れてもらえる」のですから、どんな時も諦めることなく、アイデアの木を生み育て続けていくことを大切にしないといけないのでしょう。

    自分にもできる!もっと楽しくなれる!と勇気をもらえる一冊です。
    是非、読んでみて下さい。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    アイデアとは、自分の意志で人や物を動かし、幸せになるための手段、といってもいいでしょう。

    横開きを縦開きに変えたり、ページをめくる方向を逆にしたり--本というメディアが本来持っている機能や要素をうまく使えば、非常に体感的な絵本ができる。絵本を一種の体験装置にすることができる。

    従来の規格からはみでたものでも、それ自体が魅力的であればちゃんと受け入れてもらえる。周りを変える力さえ持つことができる。型破りのものには、そんな力が宿ることを実感した出来事でした。

    常識を覆すようなアイデアを生み出すには、まずその常識をつくり出している要因が何か考える必要があります。それを見つめ直してみることで、世界全体ががらりと変わるようなすごいアイデアが、もしかしたら見つかるかもしれません。

    音楽を絵や図形としてとらえる――この考え方は、絵や映像が得意
    だった僕には、とても魅力的に思えました。

    「テレビゲームは映像楽器だ」というアイデアは、とても新しいものに感じました。そこで音楽をテーマにした楽器のようなゲームをつくりたい、と思ったのです。

    魅力的な楽器は、多くの人を動かし、音楽自体を変える力があります。つまり、新しい楽器をつくることは、新しい音楽や文化をつくることと同じなのです。

    道具が生まれた背景には、人々の大きな挫折があったはずです。食べたくても素手では木の実が割れず、走って追いかけても獲物に逃げられた失敗を乗り越え、望みを叶えるために、人々は試行錯誤して道具をつくりました。そうした道具を実現できたのは、人間にアイデアがあったからです。
    人間は、アイデアによって道具をつくり、挫折を乗り越え、望みを叶え、不可能を可能にしてきました。(…)アイデアが、不可能を可能にしてきたのです。

    最も僕がワクワクしたのは、自分が今やっていることは、もしかしたら、世界でまだ誰もやっていないことなのではないか、そう思えたことです。

    変わった性格や見た目だけが人の個性でしょうか?独特な絵が描けることがアーティストの条件なのでしょうか?
    例えば、他人が普段気がつかないことに着目したり、まったく新しいアイデアを思いつくことも、目には見えないけれど、その人の個性のひとつではないでしょうか。

    振り返って考えてみると、僕は子どもの頃からずっと、自分が最も居心地のいい場所、面白いことができる場所を見つけようとしてここまで来たのかな、と感じます。自分が今いる場所の居心地の悪さを自覚し、それを改善しようと努力すること、そして同時に自分自身を常に変えられる柔軟さを持つこと――それは言い換えれば、自分が納得できる人生を探求し続けることなのかもしれません。

    今、テレビはデジタルへ、電球はLEDへと、長い歴史を持った技術がいくつも大きな転換期を迎えつつあります。そんな時代に我々は、これまでに積み上げてきた歴史を一度振り返り、技術が生まれた最初期に、人々がどんな夢を抱いていたかを見直すべきかもしれません。

    僕は、子どもたちのごっこ遊びの中で生まれるこれらの「見立て」こそが、人がアイデアを生み出す原点なのではないかと考えています。

    大人からは無駄に思える行動の裏には、世界を知りたい、探求したい、という子どもの純粋な好奇心が渦巻いているのではないでしょうか。そして、時には大人が考えもしなかった遊びを子どもたちは見つけるのです。僕は、ここにも我々のアイデアの原点があるように思います。

    何かに不満を感じた時――それはアイデアの種を見つける最高のチャンスです。(…)あきらめたり、文句を言うだけでは、アイデアは永久に生まれません。

    僕は、日々の生活でも、家の道具を使いやすくしたり、子どもたちが喜ぶように遊びを工夫したりするアイデアをつい考えてしまいます。それは、自分の生活を豊かにしたいという思い以上に、僕の本能のようなものかもしれません。つまり、僕は「アイデアを出し、形にする」ことで、人生を貪欲に楽しみたいのです。

    自分の人生は、過去の人々が考えた無数のアイデアによって支えてもらっている。そう思ったら、なんだか愉快になってきました。先人のアイデアをただ使うだけでなく、自分も他人の人生にちょっとでもプラスになるアイデアを思いつけたらどんなに素敵なことか--自分の役割をそんな風に位置づけたら、とても前向きになれます。
    僕にとって「アイデアとは、生きがいそのもの」と言ってもよさそうです。
    これからもどんな時にも一歩前向きにアイデアを考え、実行する。そのことが自分をきっと楽しい人生に導いてくれる、と信じて生きていきたいと思います。

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    ●[2]編集後記

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    今年はドングリが不作のようで、クマの出没が相次いでいます。ドングリは、哺乳類にとって、貴重な炭水化物源で、秋にせっせと食べて冬眠に備えるのです。人間も、農耕に頼れるようになるまではドングリが貴重なエネルギー源でした。縄文時代の人間が腹いっぱい炭水化物を摂ることができたのは、秋のドングリの時期だけと言われています。

    この週末、妻と娘がシイの木のドングリを拾ってきたので、どんな味がするのだろうと食べてみることにしました。ドングリはそのままでは食用に適さないものが多いのですが、スダジイだけは渋みがなく、食べやすいと言われています。妻と娘が拾ってきたのは、そのスダジイの実でした。

    まずは生で食べてみます。淡白ですが、ほのかに甘みがあって、意外と癖がない。娘も気に入ってむしゃむしゃと食べています。焼いたほうがより美味しそうだなと思い、フライパンで軽く焦げ目がつくまで煎ってみたところ、とても香ばしくなりました。殻も自然に割れるので、焼いたほうが断然食べやすく、娘も大喜び。家族みんなでドングリを黙々と食べていたら、何だか縄文時代にタイムスリップしたような気分になりました。

    銀杏といい、ドングリといい、都会にいても楽しめる秋の味覚、意外とあるものですね。秋の楽しみがまた一つ増えました。

  • アイデアに名前をつける
    アイデアの種には蒔きどきがある

    「自分も他人の人生にちょっとでもプラスになるアイデアを思いつけたらどんなに素敵なことか」

  • きちんと岩井俊雄さんの名前を認識したのは『100かいだてのいえ』という絵本に出会ってから。
    読んでいくうちに、ジブリ美術館の展示作品に関わった人だということが分かってびっくり。
    (トトロぴょんぴょん、上昇気流など)
    他にもゲーム作りやTENORIONなど幅広いジャンルで活躍してらして、本当に才能のある方なのだなぁと思う。

    どんな小さなアイデアでも、使い続けていくうちに大きなアイデアになることもある。
    頭で考えるだけでなく、自分の感覚を信じるのも大事だと思った。

  • 岩井さんの考え方を分かりやすく解説した本。おもしろかったー。

    なんかを思いついてからの実行力というか実現する力がはんぱない。天才。圧倒。

    ほんまに子供に読ませたらいいやろなー。

  • TENORIONの作者と言うことで読んでみました。
    非常に興味深く読めたかな。
    空から降ってくるアイデアを待っていてもダメなんだと...。

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著者プロフィール

1962年生まれ。メディアアーティスト。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』、三鷹の森ジブリ美術館『トトロぴょんぴょん』、音と光を奏でる楽器『TENORI-ON』などを手がける。著書に絵本『100かいだてのいえ』など。

「2010年 『アイデアはどこからやってくる?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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