モヤモヤしている女の子のための読書案内 (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 350
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617268

作品紹介・あらすじ

自分自身、そして友だち、親、学校など様々な人間関係の中で他人に打ち明けづらいモヤモヤを抱えている女の子へ――周囲に知られることなく多様な価値観に触れられる44の悩み別「読書」のすすめ。全114冊の本を紹介!

感想・レビュー・書評

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  • 河出書房新社「14歳の世渡り術」シリーズの一冊。タイトルの「女の子」と呼ばれる年齢はとうに去ったが、モヤモヤすることは無論今も絶えない。14歳の頃を振り返っても、第一次のモヤモヤ期はバッチリ到来していた。
    反抗的なモヤモヤもあったが、大好きだった祖父の急逝であれこれ思い悩むようになり、内に籠りきっていたのが一番大きい。

    文筆家で二女の母である著者が「いい子のふりをすることにうんざりしている女の子」に向けた本書。
    思春期ならではや、大人でも通じる悩みに対するヒント本が揃っており、読後は気になったものを片端から読みたくなる。14の自分を悩ませた「死」に関する本はなかったが、もしリアタイで本書に出会っていたら「適切な本を教えてくれそう」と手紙を書いてでも聞こうとしただろう。

    本のジャンルは近現代のエッセイと文学がメイン。比較的共感しやすい時代だし、現役JCの意見も反映し選書に至ったという。(チョイスが不思議だと目次で思ったが、これで合点がいった笑)
    以下、個人的に気になった本をメモ。
    (注)同じ悩みを抱えているわけではない笑↓


    ・つい他人と比べて落ち込んでしまう
    『地獄の楽しみ方』京極夏彦
    「地獄のような現世を楽しく生きる」がテーマの特別授業らしい。怪奇作家は青少年らに何を説くのか…

    ・毛深いのが悩み
    『キュロテ』ペネロープ・バジュー
    世の中の、或いは自分らしく在るため、時代の価値観に抗った実在の女性15名を紹介。知名度はマイナーだが、間違いなく全員イケてると期待!

    ・いじめがつらい
    『風葬の教室』山田詠美
    些細な出来事からいじめのターゲットになった杏。いじめの行為自体が絶対悪だから、自分を追い詰めるのは間違っている。こればかりは、今昔変わらぬ事実。

    ・一致団結を求められる学校行事が苦手
    『堕落論』坂口安吾
    著者曰く「戦後の日本人に衝撃を与えたエッセイ」。恥ずかしながらタイトルを見てもあらすじが浮かばなかった。坂口氏は連帯意識の裏の顔を戦前から見抜いていたのだろうか。

    ・競争が苦手
    『弱者の戦略』稲垣栄洋
    自然界で弱いとされる生き物達の多彩な生存戦略を紹介。「根性論は自然界の前では無力」との事で、ここでも体育会系精神は不評だった笑(以前読んだ『体育会系 日本を蝕む病』より)

    ・自由研究のテーマが思いつかない
    『もっとヘンな論文』サンキュータツオ
    どんなものでも研究対象になり得るという自由研究の指南書。自由研究はクリエイティビティを養えるとっておきの手段なのかも。


    「読書は心を守るシェルターにもなり、理不尽な周囲に抗う武器にもなる」
    あとがきで著者はこう語っている。人やSNSにモヤモヤをぶちまける前に思い出したい。こういう闘い方もあることを。

  • 不道徳お母さん講座|堀越英美|cakes(ケイクス)
    https://cakes.mu/series/3972?show=author

    モヤモヤしている女の子のための読書案内 :堀越 英美|河出書房新社
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309617268/

  • 学校では、国語の先生兼司書教諭。
    この本面白いよ!と言って紹介しても、いまいち相手の心に響かないことってあります。

    生徒の心に響く作品はないか、
    読書嫌いの生徒がこれなら読めたという作品はないか、
    読書好きの個々の好みに合った本を紹介できないか、
    そんなふうに思いながら、暇があれば本屋を覗いています。

    そんな私にとっては刺激的な一冊。
    女の子向けかといえばそうともいえない選書。
    大人でも楽しめるし、男子でも楽しめる本が多いと思う。
    この本の特徴としては、お悩みごとに本が紹介されているところがあげられる。

    毛深いんです…
    親がうざい!
    プレッシャーがきつい

    なんていうありがちな悩みや、性器の形が気になるというかなりつっこんだものまで。
    それぞれのお悩みを解してくれそうな本を見開き2ページで紹介しています。
    チートとか、親ガチャとか、イマドキの言葉遣いも含めて大変ユーモラスでわかりやすい紹介文が興味をそそります。

    選ばれた本がとても幅広く、あまり小説がないのも特徴です。
    序文にも書いてありましたが、本にもいろいろあるということを伝えるためだとか。
    ほとんど読んだことのない本だったので、とても勉強になりました。

    巻末には、ベストセラーになった本の次につながる作品も掲載されており、こちらも参考になる。

    もっと本を読まねばと読書意欲をそそられました。

  • 思春期のもやもやを抱える女の子のためのブックリスト。ということになっているが女子に限定せずとも参考になるリスト。

  • 悩み別に本を紹介してくれるなんて、なかなか粋な計らい。導かれてここからいろいろ読みました。

  • よくある青少年に薦める本とはひと味違う感じです
    著者いわく良書ではないものも紹介されています
    でもこの時期にありがちな大人に反発する気持ちには合ってる気がします
    自分は読む年齢ではないけど紹介者である著者の考えをダイジェストで取り入れられてよかったです

    「弱者の戦略」稲垣栄洋 
    植物の話題が面白そう

    事実とそうでないものを分ける訓練
    勝手に想像しているだけに時もある

    他者は自分と違うから誤解が起きて傷つけあったりする
    みんな同じであれば安心出来るから同じ事を強要される

    違うということを前提に人付き合いする
    相手を遮断せずに考えを取り入れる事
    違う人から認めてもらったら嬉しい

  • 好きなシリーズの、比較的新しいラインナップ。図書館で見かけるまで、その存在を知らなかった。モヤモヤしてもないし、女の子でもないし、14歳でもないからか、いまひとつピンとくる作品に巡り合えず。エッセイとして見てもそこまで楽しめず、とりあえず読んではみたけど…っていう感じでした。

  • 学校という狭い空間の中に押し込められて限られた人とばかり接しているとモヤモヤがたまってきます。そんなときにちょっと違った視点からものをみることができれば、すっとするでしょう・・・この中に1冊くらいあなたのモヤモヤに効く本があるかもしれません。

    [NDC]159.7
    [情報入手先]
    [テーマ] でーれーBOOKS2022/エントリー作品

  • 中二病なんていう言葉はなかったけれど、
    今思い出しても、足元が頼りなくなるくらい
    グラグラと心が揺れっぱなしだった我が中学時代。。。
    もう何がそんなに辛かったのか思い出せないくらい大人になってしまったけれど、
    あの頃にこの本があったらなと思わずにいられません。
    実際に中学生の女の子のお母さんである著者が娘のために
    選りすぐって集めた本の数々は、大人の私でも今すぐ読みたいと思う本がたくさん。
    娘はもう大きくなってしまったので、
    孫娘が中学生になったらこの本を勧めて、
    『おばあちゃん、さすが!』って言われたいわ。

  • 紹介されている本には、サブカル要素が多い。

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著者プロフィール

1973年生まれ。文筆家。早稲田大学第一文学部卒。著書に『エモい古語辞典』(朝日出版社)、『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)、『不道徳お母さん講座』(河出書房新社)、『スゴ母列伝』(大和書房)など、訳書に『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』(河出書房新社)、『だからわたしはここにいる』(フィルムアート社)、『ギタンジャリ・ラオ STEMで未来は変えられる』(くもん出版)、 『ガール・コード』(Pヴァイン) など。

「2022年 『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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