学校、行かなきゃいけないの?: これからの不登校ガイド (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 180
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617282

作品紹介・あらすじ

はじめに第1章 不登校ってなんだろう?不登校は「子どもという生命」と「学校という制度」のミスマッチ――フリースクール「東京シューレ」理事長 奥地圭子さんに聞く第2章 学校は変わらないの?校則なし、宿題なし、チャイムなしを実現させた中学校 ――世田谷区立桜丘中学校・元校長 西郷孝彦さんに聞く第3章 「学ぶ」ってなんだろう? 「学ぶ」ことで人生の選択肢が増える――学習支援を行う「アスポート」理事 土屋匠宇三さんに聞く第4章 学校行かなくて、本当に大丈夫?「不登校でも可能性は無限にある」みたいなことは言いたくない――お笑い芸人 山田ルイ53世さんに聞く第5章 不登校になる私はおかしいの?子どもたちが飢えているのは、大人の失敗談――精神科医 松本俊彦さんに聞く第6章 不登校、その後の人生いろいろ悩むけど、割と普通に生きています――不登校経験者 座談会おわりに相談窓口・情報サイト参考文献

感想・レビュー・書評

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  • 14歳の世渡り術シリーズの一冊。

    学校、いかなきゃいけないの?に答える雨宮さんの言葉は明快だ。
    「あなたを大切にしてくれない場所にいてはいけない」
    まえがきとあとがきで何度も繰り返されるこの言葉。それにつきると思う。

    この本は不登校にかかわる大人たちへのインタビューを集めたもの。

    「不登校」が入学要件の学校、東京シューレ葛飾中学校をつくった奥地圭子さん。
    校則なし、宿題なし、チャイムなしを実現させた中学校の校長西郷孝彦さん。
    生活保護世帯や困窮世帯のこどもたちにマンツーマンで学習支援をするアスポートの土屋匠宇三さん。
    自身も不登校・ひきこもり経験のあるお笑い芸人の山田ルイ53世さん。
    清原和博氏や高知東生氏を治療している精神科医の松本俊彦さん。
    最後は十代から五十代までの不登校経験者による座談会。

    不登校になると、本人も保護者も孤独で不安だろうと思う。
    経験者や支援者のおはなしを読むことで、ひとりじゃない、話が通じる人がいる、と思えることで、だいぶ気のもち方が違うのではないか。

    孫引きになるが、医師であり、脳性麻痺の当事者である熊谷晋一郎さんの言葉が沁みた。
    『希望とは絶望を分かち合うこと』

    相談窓口・情報サイトの紹介が巻末に載っている。

    • 5552さん
      夜型さん、リンクありがとうございます!

      『自立とは、依存先を増やすこと』
      依存先が少なかったら、その依存先がなくなってしまった場合、...
      夜型さん、リンクありがとうございます!

      『自立とは、依存先を増やすこと』
      依存先が少なかったら、その依存先がなくなってしまった場合、崩れてしまいます。
      依存先を多くしておいたら、その中の一つがなくなっても、崩れないで立っていられる。
      自分をちょっとずつ預けておくイメージですかね。

      障がい者の方のみならず、不登校の子にも、知っておいてほしいお言葉ですね。

      不登校の子はここでダメなら終わりだ、、、と思ってしまいがちですから。
      2021/03/22
    • 夜型さん
      独居老人や、孤独死予備軍(おひとり様、引きこもり、非モテさんなどなど)や、一人親世帯なども、輪を作っていって欲しいですよね。

      シェアハウス...
      独居老人や、孤独死予備軍(おひとり様、引きこもり、非モテさんなどなど)や、一人親世帯なども、輪を作っていって欲しいですよね。

      シェアハウスなんてのもよくありますが、全員が全員できる訳ではありませんから…。
      2021/03/22
    • 5552さん
      孤独死予備軍!
      うーん、他人事じゃないですね、私は。(苦笑)
      私の住んでいるところは地方都市なのですが、街の方に行くと、どなたかが一軒家...
      孤独死予備軍!
      うーん、他人事じゃないですね、私は。(苦笑)
      私の住んでいるところは地方都市なのですが、街の方に行くと、どなたかが一軒家を借りて、皆で集まれる場を作っているのを発見することが多くなってきてますね。
      シェアハウスよりもハードル低そうですが、やっぱり自分で一歩踏み出す何かがないと、難しいかもしれませんね。
      2021/03/23
  • フリースクールの理事長
    校則、宿題、チャイムをなくした中学校元校長
    学習支援の理事
    お笑い芸人
    精神科医
    学校や不登校について語る

    中学生~大人向き

    コロナ禍を経て不登校児童は増加
    低年齢化も進んでいる
    短期間学校を休み学校に何とか戻った我が子
    10ヶ月後から約1年不登校(継続中)
    死を思わせる言葉を口にし
    廃人のようだった小学校低学年
    1年不登校(週1短時間登校有)から明るさが戻る
    ここからが見通しがたたない

    廃人となり1週間に1度腹痛と嘔吐の生活に戻すか
    次に戻したら命が危なかったり
    もっと精神にダメージがある
    そう思うと学校を最終のゴールに急がすべきではない

    今、母ができることは選択肢を減らさない
    情報収集、冷静な対応
    何気ない子供の話に耳を傾けること

    学校を少し残しながら
    第2の居場所を探し中

    時間はかかるかもしれない
    いつか、ああ、あんなときもあったね
    と子供と笑いあいたい
    最後の不登校経験者の談笑を読むと
    少し希望がみえた

  • ◆答え探す人の道しるべ[評]貴戸理恵(関西学院大准教授)
    学校、行かなきゃいけないの? これからの不登校ガイド 雨宮処凛(あまみや・かりん)著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/89863

    学校、行かなきゃいけないの? :雨宮 処凛 | 河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309617282/

  • 不登校に関するためになる内容が多岐にわたって書かれています。巻末に相談・情報サイトが書かれているのが良いです

  • フリースクール運営者や不登校問題に取り組む人びと,不登校経験者へのインタビューを作家の雨宮さんが行ってまとめた一冊。髭男爵の山田ルイ53世さんの中学生からの引きこもり生活の話しなんてのもある。昔は「登校拒否」と言われてそれ自体が異常な病気のようなものとして扱われていたけど,今では「不登校」自体は誰にでもあり得ることと見なされ,それ自体を問題視することは(建前上0無くなっているそうだ。不登校だとしてもそれ以外の方法で義務教育は終えられるようになっているし,多様な選択肢がある。ということが本書を読んで理解できる。「靴が合わないときには,足を靴に合わせるのではなく靴を変えよう」というのはとても良い表現だ。
    大人になってから改めて考えると,小・中学校というのは異常な世界だったなと感じる。本書でも述べられていることだが,意味の分からない規則だとか集団生活のためのルールだとかによって大人に管理・評価されるような環境は,義務教育以外なら軍隊か監獄,ブラック企業ぐらいかも。多くの子供を効率的に画一的に教育・管理するためにはある程度仕方ないことかもしれないし,だからこそ親達も教育から解放されて効率的に労働に従事できる訳なのだが。大学生ぐらいになれば解放されるのだから「大人になるまでの今だけだから我慢しよう」「みんな通る道だ」と子供に言ってしまうけど,学校が合わない子供にとってはそんなこと言われても意味ないだろうな。

  • 学校行きなさい!が前提でなく、むしろ学校おかしい位の論調に好感を抱いた。

  • 我が子が2人不登校なので、不登校経験があっていまは生き生きとしている人たちの話を読むと、励みになります。

  • 世の中あらゆるものが可視化され問題が見えるようになり、多様性が求められている。それに対応しようとする取り組みも多くある。ここで紹介されているフリースクールや校則をなくした中学校などがその一例だろう。
    しかし不登校者は増え続けている。多様性に対応している学校や大人はごく一部だけなのかと愕然とする。子どもは管理するものとの考えがまだまかり通るのか。
    しかしそれを打破しようという動きはある。学校以外の道筋も示されている。困っている子がその情報にたどり着きますように。そのため伝えていこう。

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著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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