ジャンル特化型 ホラーの扉: 八つの恐怖の物語 (14歳の世渡り術)

  • 河出書房新社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617596

感想・レビュー・書評

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  • 「14歳の世渡り術」というシリーズで(たぶん)はじめて編まれた小説のアンソロジー。
    ホラージャンルを「5W1H」に分け、今をときめくホラー作家たちに執筆を依頼、編者の株式会社闇代表・頓花聖太郎(とんかせいたろう)さんが、各短編に解説をつけた。
    ホラーのジャンルというものは細分化されていて、読者の好みのホラージャンルもさまざま。
    このアンソロジーでは読んでいくうちに読者お好みのホラージャンルが見つけられるようになっている。
    いわば読者とホラーのマッチングアプリならぬ、マッチングブックだ。
    私はオカルトホラーとモンスターホラーが好きだと判明。
    芦花公園さんの『終わった町』は、文体も展開もうつくしい、と感じた。どんどんバッドエンドに向かっていく展開がゾクゾクした(←ヘンタイ!)。その後、自分もだいぶ厨2病だな、と思った。
    平山夢明さんの『さよならブンブン』は、爽快さと切なさがあるホラー。猫好きは、泣くかも。
    各話のあとの解説が的を得ていて、どこが怖いのか、を、きちんと説明しているのがいい。
    ホラー苦手だけど挑戦してみよう!という勇者は解説を先に読んでもいいとのアドバイスがある。
    「14歳の世渡り術」シリーズにこの解説付きホラーアンソロジーを入れた理由を考えてみる。
    これから、怖いことや、理不尽なことにたくさん遭遇する14歳に、怖いものを怖がってばかりではなく、しっかり分析し、対峙してほしいという願いがあるのかもしれない。
    自分の「怖いもの」をみつめることで、見えてくるものもあると思うから。

    巻末のホラージャンル別ブックガイドもうれしい。


  • ホラーを、SF、心理、サスペンス等々にジャンル分けされた短編集。色んな作家さんが参加していて豪華。
    怖いか怖くないかでいうと、まぁそこまで怖くはないかな、という感じではあるが、それぞれの章ごとに解説があって、その分析されている感じは嫌いではなかった。

  • 14歳の世渡り術というシリーズらしいですが、
    本当にホラー入門的に様々なジャンルを読むには
    すごく良い一冊だと思います。
    澤村さん、雨穴さん作などどれも面白い。

  • 恐怖のツボを刺激。
    「さよならブンブン」怪猫,読後感良し。
    「告発者」悪行動画,後味悪い。
    「閉し念仏」ドラム缶の息苦しさ。
    「11分間」AI暴走。
    「民法961条」15才遺言能力は初耳。

  • ビジネスシーンで使われる5W1Hがホラーに対して使われていることに笑った。これがまたうまい具合に当てはまる。「何が恐怖の根源か」という判断基準を設けたことが素晴らしい。短編ごとの解説が毎回楽しかった。

    私自身は、ジャンルがどうこうというより、読み終えたときの余韻でゾワゾワするものが好み。本書で言うと、『みてるよ』がそれだった。

  • どの話も面白く、各恐怖の特徴を捉えた解り易い解説もあり、まさに『ホラーの扉』とだけある。

    が、個人的には本格的なグロやホラーが好きなので、満足度は控えめであった。

    まさに『ホラーの扉』とだけあって、いつもは手に取らないような方には、是非お勧めしたい。ホラーの扉を開けていただきたい。いらっしゃいませ。

    ・みてるよ/澤村伊智
    ・終わった町/芦花公園
    ・さよならブンブン/平山夢明

    が個人的に好きかな。

  • ホラーはなぜ怖い? 人気作家陣が書き下ろしたホラーを各ジャンルの魅力解説とともに味わう、ホラーカンパニー・株式会社闇がてがけたもっとホラーを「楽しむ」ための最恐アンソロジー。




    ホラージャンルを『5W1H』に分けて 各短編に解説がついている
    中に書いてあった『23分間の奇跡』と言う本を読んでみたくなったので読みたい本リストに入れた
    『民法961条』の「十五歳に達した者は、遺言をすることができる。」というのは知らなかった
    どの話も微妙にゾワゾワするのだけど 短編だから仕方ないけど ちょっと物足りなさを感じてしまう

  • 本書を含むシリーズ『14歳の世渡り術』の対象読者層が中学生以上なので、内容も―この執筆陣としては―若干の手心が加えられた感はあるものの、執筆陣自体は言うなれば―いささかズレた喩えかもしれないが―今年のNPBのオールスター第1戦のスターティングオーダー級の顔ぶれで、とてもジュニア向けとは侮れない。

    掲載作品を5W1Hでカテゴライズし、編者が各々の作品の後に添えた解説もなかなかの読み応えで面白い。ホラー小説はそれなりの数を読み込んできた―という多少の自負はある自分でも“なるほどなあ”と目から鱗が落ちるような記述もあったり。

    10代からこれだけのアンソロジーを読める今の世代が、正直少しうらやましくもある。

  • ホラーはなぜ怖い? 人気作家陣が書き下ろしたホラーを各ジャンルの魅力解説とともに味わう、ホラーカンパニー・株式会社闇がてがけたもっとホラーを「楽しむ」ための最恐アンソロジー。
    ホラーが、なぜ他のジャンルと違いハードルが高いか?それは、自分の好みのジャンルを見つけにくいからということで、様々なホラージャンルの短編を集めたアンソロジー。
    コアなホラーファンには物足りないが、ホラー初心者向けの分かりやすいストーリーではあるけど、ホラーならではのじわじわと恐さを高める絶妙な語り口のエピソードばかり。
    「ぼぎわんが来る」の澤村伊智さんの心霊ホラー「みてるよ」。YouTuberでホラー作家の雨穴さんのサスペンスホラー「告発者」。平山夢明さんのモンスターホラー「さよならブンブン」。
    この3本は、ホラー初心者にも楽しめる傑作エピソード。
    各ホラージャンルの特徴や解説があるのも、楽しい。

  • フリガナがいっぱい着いている。14歳の世渡り術という、言わば児童向けの小説シリーズのひとつだったらしい。かといって怖さが控えめかといったら、いい意味で大人気のない怖さだった!

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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