源氏物語 下 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集06)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (704ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309728766

感想・レビュー・書評

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  • 637ページに渡る下巻、1週間かけて読み終わりました。源氏物語のうち、光君が亡くなった後の宇治十帖。スーパースターとも言うべき光君とは違い、人間臭さが溢れている男2人、女3人の物語。最後は「えっ、これで終わり?」という呆気なさで終わってしまうけれど、訳者あとがきで書かれているように、これから先は読者の想像に委ねられているのだと思う。
    何にしてもこの大長編を読み終えた達成感がものすごい。そして、これを訳した角田光代さんや編集者さんの偉業に拍手を送りたい。とても読みやすい訳で、すらすらと読めた。読書好きとして、源氏物語を通読できて良かったし、ありがたく思う。

  • 下巻をやっと読了しました!8月に中巻を読み終えてから、他の図書館予約本が何冊も届いてしまい時間がかかってしまった!
    下巻が一番好き。上中巻で男たちの好色ぶりにウンザリしてたけど、匂宮のクズさは突き抜けた感あり!薫のヤンデレも少し笑える。
    いつもの角田光代さんの文章を期待するとちょっと違うかもだけど、全五十四帖、読了後の達成感は半端ない。

  • とうとう読み終わった。長かったなぁ。

  • 現代文だから、読みやすいのだけれど。
    しっかり読まないと、いつのまにか話が進んでる。

    これを漫画にした大和和紀はすごい。
    この文章から、着物を考え背景を書き、登場人物の心の声を描いたんですね…。

    これを機に、他の『源氏物語』読んでみます!

  • なんだか今ひとつ面白くない。これが本当に同じ作者による続きの話なのか。華麗さがなくどろどろとした話が続く。浮船もあまり好きな感じではない。
    ただ解説を読むと、そうかこれはこの時代としては自立した女性の話と読めば良いのかと。もう少し時間が経てば違う感想になるかも。

  • ど正直な思い…
    やっと,読み終わった〜!
    面白かったか,面白くなかったかといえば,間違いなく「面白くなかった」
    が,『千年ロマンス』は確かに感じられたかな?
    現代との恋愛観や人生観の違い故に理解し難い表現があるのもまた,感情移入できない要因にもなり,一方でそれでも変わらぬ人間らしさに感心したり.
    それでも最後の女性,浮舟の登場は俄然現代人にわかりやすい恋愛模様になり,最後の尻切れ蜻蛉感も,個人的には浮舟に与えられた「選択の自由」と読めて,1000年前にも女性を『個』として描いて締めくくった『紫式部』と言う作家の千里眼のような洞察力にはやはり恐れ入ったのだった.

  • 2023.10.27 読了。
    下巻「匂宮」〜「夢浮橋」までの完結巻。

    上・中巻に続いて学生時代にサラッと読んだ程度しか触れたことのない源氏物語をなんとか読み終えた(多分三巻合計で千ページくらい?)。
    ☆3.7くらい。なんとか、と言っても角田さんの現代語訳は読みやすく下巻にもなってくると時代背景や言葉使い、生活習慣なども段々と読み慣れてきた感覚。上巻で角田さんが「どの登場人物にも肩入れせず淡々と訳そうと思う」というような解説を書いていたが確かに淡々としていたのかもしれないが、初心者の自分にとっては偏りや色眼鏡を持って読まないことが逆に全体を通して知るには良かったのかとも思う。
    下巻でも解説をふむふむと答え合わせ的に読めたことも理解が深まって良かった。

    上・中巻に比べて下巻のイメージとして平成の月9ラブストーリーを読んでいるような感じで、そういう意味でも読みやすいと感じたのかもしれない。
    「桐壺」から始まるとにかくキラキラな光君のキャラクターに比べると匂宮や薫は人間味のある登場人物だったと思う。

    現代語訳をした人によって源氏物語のイメージもだいぶ違うと聞くので他の人が訳したものも読んでみるのも面白そうだし、この時代の他の物語を読んでみるのも楽しいかもしれないと思った。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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