作家と楽しむ古典 平家物語/能・狂言/説経節/義経千本桜

  • 河出書房新社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309729145

感想・レビュー・書評

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  • ジュンク堂書店池袋本店・MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店で開催された、「池澤夏樹 個人編集 日本文学全集」連続講義「作家と楽しむ古典」の書籍化。シリーズ第4弾。
    古川日出男さんの「犬王」読了後、興味がわき読んでみる。
    平家物語への熱量が素晴らしくて、面白かった。琵琶法師によって演奏され語られてきた「平家物語」にも興味が出てきて、読んでみようと思った。講義に参加したかったな。
    他3人の作家の方も、とても興味深く読めた。平家物語ほど身近ではなかったので、これから触れていきたい世界だなと思った。

  • 『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は一冊も読んでいないし読む気もないが、現代語訳をした方々が何を思ったのか、そして単純に「平家物語」と付くものは何でも摂取したいという気持ちから手に取りました。

    「平家物語」古川日出夫
    …『平家物語』のなかで人は本当によく泣きますよね。…月を見て泣きます。風が鳴ると泣きます。…現代のわれわれは近代ヨーロッパ以降に教育された泣き方しか知らないんです…現代の教育が入ってくる前の人は別の感性をもっていて、別のことで泣いていたはずなんです…(p.48)
    私は月を見て泣き、空の色が変わっていくのを見て泣く人間なので、そうか私は別の感性で生きている人間なのかと指摘された気分で目から鱗でした。

    「能・狂言」岡田利規
    能はまだまだ初心者なのだけれど、「松風」の最後「松風ばかりや残るらん、松風ばかりや残るらん」は原文の空間構築力というか、言葉の力がすごすぎて、やはり現代語ではどの話も読みたくないといういつもの結論に達しました笑

    「説経節」伊藤比呂美
    読んだことないので、さっそく読みたくなった。
    小栗判官の話とかは知っていたのだけれど、これは説経節だったのだな。

    「義経千本桜」いしいしんじ
    歌舞伎でやる段はほとんど見ていると思うけど、読んでやはり文楽を見に行かないといけないですねという気持ちが強まりました。5月ちょうど国立劇場でやるんですよねえ。豊竹咲太夫と桐竹勘十郎…

    私はこの本の中で「義経千本桜」パートが一番「私もそう思う」となったのですが、サブタイトル?になっている「思いどおりにならないかなしみ」という言葉が言い得て妙だなと。『平家物語』も基本はそうだと思っていて、私的には「なくしたくないけれど、なくしてしまうかなしさ」。『平家物語』パートにも書いてありましたが、人間は必ず死ぬということ、なんですよね。いつか死ぬ中で、どう生きるか?(死に方含む)、ということなのだなと改めしみじみ。

  • 図書館で。
    最初だけは読んだけど、講義をまとめた本なんだ…と読んで知りました。

    翻訳って大変だろうなぁとは思うけど、古川さんの文だと今風すぎてなんだか合わない。あの時代の背景とか、常識とかが今とは違うので、その辺りは無理に今風に直さなくてもいいんじゃないかな~なんて思いました。

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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