図説 日本100名城の歩き方 (ふくろうの本/日本の文化)

  • 河出書房新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309761381

感想・レビュー・書評

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  • 私の中で城が流行っている。小説で出てきた城をチェックし、出張や旅行の時に足を運んだり。何冊かお城に関する本読んだけれども、分かりやすくて一番良かったな。
    行きたい城をピックアップ!

  • 日本100名城が選定されているということを知ったのは、つい最近のことです。
    リストだけ見ても、なんだかピンとこないと思っていたところに、本があることを知り、読んでみました。
    日本100名城を選んだ(財)日本城郭協会の監修によるものです。
    天守閣が残っていなかったり、城跡しか残っていないものがあったりと、城と呼べるかわからないものもありますが、しっかりした理由のもと、選ばれた名城が紹介されています。

    お城は好きですが、特に詳しくはありません。
    ただきれいと思って眺めるばかりでしたが、ひとつとして同じデザインの城は無いことにようやく気付きました。

    信長の安土城が、天下無双の素晴らしいものだったと思っていましたが、大阪城の方が全ての面で凌駕していたとのことです。
    また、天守が作られたのはは安土城が最初とされていますが、それ以前に二条城に築かれており、二条城は銀閣、銀閣、東福寺開山堂が原型となっていた可能性があるとのことでした。

    城郭建築の中で最も難しいのが石垣技術。
    たしかに、築400年建ってもなお、崩れずに緻密なまま残っている石垣には、堅固さだけでなく美しさもあります。

    石川啄木「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」は盛岡城のことだと知りました。

    この本に載っていたことではありませんが、『荒城の月』の舞台として、青葉城址、鶴ヶ城址、九戸城址、岡城址、富山城に、歌碑がそれぞれ設置されているそうです。
    どのお城がモデルになっているか、明確になっていないからですね。
    でもそれって多すぎではないのでしょうか?

    東北大学は、仙台城の二の丸にあるそうです。
    金沢城内に金沢大学がありましたが、今は大学が移転し、二の丸櫓などが復元されたとのこと。
    お城の中の大学として有名だったのですが。

    小田原城は、北条氏のものという知識しかなかったため、春日局の子である稲葉正勝が現在の形にしたということは知りませんでした。
    また、春日山城は、奈良の春日大社から勧請された上越の春日神社から名前を取っているとのことです。

    城は戦国時代に日本各地に建てられましたが、闘う城から見せる城へ返還したのは秀吉だそうです。
    他の大名が真似できない豪壮な天守を築いて相手を圧倒したのだとか。
    たしかに、秀吉が建てた城は豪壮なものが多いという印象です。

    岐阜城と名付けたのは信長で、その後も血縁が住み続けたようです。
    信長の孫秀信は関ヶ原の戦いに西群として参戦したため、敗戦後に居城であった岐阜城は廃城となったと知りました。

    岡山に鬼ノ城という名前の城があるとは驚きました。
    きのじょうと読むようですが。まるで民話や伝説に出てきそうな名前ですが、もともと山の名前が鬼城山だからだとか。

    巻末に城郭用語解説が載っているのがためになりました。
    薬研堀(やげんぼり)や犬走、武者走など。
    搦手(からめて)とは、大手の裏側という意味だそうです。つまり搦手門とは裏門を意味するとのこと。

    武者返しの一種として忍び返しがあるそうです。ねずみ返ししか知りませんでしたが、どれも用途は同じです。
    櫓と聞いたら、高楼を思い出しますが、もとは武器庫の意味だったと書かれており、矢の倉→やぐら→櫓となったことに気付きました。

    100名城のうち、これまで訪れたことがあるのは、五稜郭・弘前城・多賀城・仙台城・水戸城・江戸城・小田原城・上田城・岐阜城・駿府城・名古屋城・彦根城・大阪城・津和野城・岡山城の15城。
    遠景で見たことがあるのは、岩国城・熊本城。
    訪れてみたいのは、姫路城、会津若松城、犬山城・松本城です。

    日本中にほどよく点在している100名城。そのすべてを訪れるには、時間も手間もかかるライフワークとなりそうです。
    100名城スタンプを集めている友人を、熱心に応援しようと思いました。

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著者プロフィール

千田嘉博(せんだ・よしひろ)
1963年愛知県生まれ。奈良大学文学部文化財学科卒業。城郭考古学者。大阪大学博士(文学)。国立歴史民俗博物館助教授などを経て、現在、奈良大学文学部文化財学科教授。主な著書は『織豊系城郭の形成』(東京大学出版会)、『信長の城』(岩波新書)、『真田丸の謎』(NHK出版新書)、『城郭考古学の冒険』(幻冬舎新書)など。

「2021年 『新説戦乱の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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