- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309801032
感想・レビュー・書評
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昔EQというミステリ雑誌で読んだ作家だなあと思い、手に取りました。いわゆるショートショートの作家で、ナンセンスミステリとあとがきにあったが、ミステリ?こういう話はパラパラ読むと面白いのですが、短編集になると飽きますね。途中で。
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著者紹介に書いてある“ナンセンス・ミステリ”っていうのがピッタリな、不思議な味わいの作品ばかり。
表題作も良かったけど、私としては『オーハイで朝食を』が好き。
『そこは空気も澄んで』と『拳銃つかい』も良かった。 -
短編だけを書き続けた職人的作家の短編集。
エラリイ・クイーン誌の編集者に代々愛されたそうで、登場人物が雑誌を見てエラリイ・クイーン本人に電話するシーンのある作品など、遊び心いっぱい。
ジャック・リッチーにちょっと似てますが〜もっと摩訶不思議感が強いです。
表題作は小説を書こうと呻吟しているうちに何故か家の中に馬を呼び出してしまった男の話。書いた物を実体化出来るのだが、概念的な物は出来ず、なかなか思ったとおりには出来ないという。
他に警察に電話して家の中に馬がいると言って長々と怪しげな話で困らせる男の話もあり、馬が好きなのか? -
〈KAWADE MYSTERY〉は独特な味わいを楽しめる作品を紹介してくれるお気に入りシリーズで、普段なかなか知る機会のない作家に出会えていつも期待して読むのだが、今回もやってくれた。ロバート・トゥーイはもちろん今回が初対面。作品の印象は、型にはまらない脱力系ユーモアクライムミステリと言い表したらいいだろうか。好みでいえば同系統のジャック・リッチーの作品の方が絶妙なはずし加減やまとめ方が上手くて好きだが、こちらは脱線脱力すれすれな感覚が面白い。全14話が収録。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】印象に残った作品のみコメント『そこは空気も澄んで』マフィアの一員である青年ベンと下っ端の叔父アルは、二人揃ってボスの元に呼び出される。マフィアとして成りあがるための試験としてベンに突き付けられたのはあまりにも厳しい要求。ほのめかされている内容に肝心の叔父が気付かない、ベンは悩む、といった状況が物悲しい。『物しか書けなかった物書き』表題作は異様な能力を身につけた売れない作家の物語。酩酊中に書いたものを現物にしてしまうというあり得ない話で、一見全てを手中にする成功話になるかと思いきや、妻の豪遊ぶりに嫌気がさし…。オチがきれいに決まっている。『支払期限が過ぎて』『家の中の馬』どちらも悪のり気味のジョークで自分に降りかかった災難を乗り切るジャック・モアマン主役の作品。前者はジャックリッチーの『エミリーがいない』と似た発想だが、弁護士らを煙に巻くマシンガントークがすごい。後者はさらに悪乗りに拍車がかかっていて強烈だ。『オーハイで朝食を』冴えないタクシー運転手の元に刑事が訪ねてくる。思い出したくないある朝に出会った夫婦との関係について質問されるのだが…。不可解な夫婦との出会い、不愉快な思い、全容のわからない言い知れない不安感が最後のオチまで続く。主人公の男性が遭遇したかもしれない結末を思うとなんとも奇妙な後味の悪さを残す印象的な作品。
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ミステリのお決まりの裏を書くような、変わった展開。短い話のほうが、面白かった。
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不思議な味わいの小説集だった。飄々としているようで、とってもひねりが効いている内容。出てくる男が、どうも落ちこぼれっぽいのばかり。でも憎めない感じがするが、実際会うと手こずるんだろうなあ。
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1923年生まれで,現在消息不明〜EQMMやAHMMに載せた短編14作〜法月はナックルボーラーと呼ぶ。そんな感じがするね。読み手が結末に近付くとひょひょろと失速して,どちらに転ぶか分からない