- Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314009645
感想・レビュー・書評
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日本で『タロット』と聞くと、オカルトやスピリチュアル、未来予言の様な、興味の無い人から見たら近寄り難い物に思われるかもしれませんが、本来のタロットとは…!?というタロットカードの成り立ち、歴史、哲学、宗教、寓意、絵の芸術性など、そちらが重要視され、オカルト&スピリチュアルなどは殆どありません。日本人のタロットのイメージが変わる一冊です。
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時の流れとともに変わり続けてきたタロット。多種多様な絵柄の中には、その時代の空気や人々の世界観が封じ込められている。そのすべてを解き放つ、タロット研究書の決定版。 占い・オカルト的イメージ・図像解釈などから、歴史的、社会学的に読み解いていく。 資料的価値の高い本。情報量がすごい。
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かなりのボリュームでしたっ。582ページ!!本の厚さ4cm、重さ990g、一般的な英和辞典なんかより大きいです。持つのが重いのが難点ですが・・・なんといっても「大全」。読みごたえのある本です!
占い方のマニュアルではなくて、
「タロットとは何なのか」
「タロット占いの歴史」
「タロット・カードの歴史」
「図像の解釈」といったマニアックな内容になってます。
帯にある「フリーメーソン、薔薇十字団、ニューエイジ、ユング心理学」こういうキーワードにぴくっと反応しちゃう人に向いた本ですね。
オカルト~隠されたもの、秘密、秘法、明らかにされないことほど知りたくなるのは、私だけではないと思いますが、その辺の流れが分かりやすく、興味深く読めました。
カラーセラピーで勉強する内容(メスメル、神智学などなど・・・)もあり、違う角度から書かれたものを読めたのも良かったです。
何より、ニューエイジ・ムーブメントによって生まれたタロットの新たな使い方は、カラーセラピーと共通するところが大アリ!で、ほっほぅ~~と思いましたね。
あと、カードの絵がいっぱい載ってるのがいいですね。特にカラーのものは、見るのが楽しい。-
「帯にある「フリーメーソン、薔薇十字団、ニューエイジ、ユング心理学」」
反応しちゃいました。図書館でチェックします!「帯にある「フリーメーソン、薔薇十字団、ニューエイジ、ユング心理学」」
反応しちゃいました。図書館でチェックします!2013/07/30 -
2013/07/31
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本書は神秘的で古代からの叡智の象徴であるタロットとその占術についての解説…などではない。オカルティックな要素をほぼ排除した「タロット」そのものについての歴史の解説書である。大著ではあるものの、決して難しい内容ではなく、タロットが占いの手段としてどのような歴史を歩んできたかを辿り、そして中世から近世ヨーロッパに於ける図象的解釈及び比較を行いながらタロットのデザインについてその起源を明かす。占いなどのオカルティックな要素が如何にして後世によって「創作」されていったのかを知る上で、等身大のタロットカードを知ることが出来る啓蒙の書と言って良い。
「タロットについて学びたい」と相談したらこの書を薦めて下さったのが、実は半ばプロとしても活動されているタロット占者の方だった。曰く「とても客観的な考察がされているので、タロットに対する偏見や迷信から自由になれるのです」。 -
タロットの成立から現代までの歴史や図像学的な意味について、現実としてどうだったのかを書いた本。分厚いので読み始めるの躊躇してたけど文章も読みやすかったし、筆者の視点もオカルト的じゃないので馴染めました。占いの参考でなく、歴史を知るには良い本だと思います。
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借りたもの。
タロットを神秘的な魔術道具としてではなく、図像学の視点からひも解く専門的な本。
絵札として興味深い、大アルカナ22枚を絵解きする、充実した内容。井上教子『タロットの歴史―西洋文化史から図像を読み解く』( http://booklog.jp/edit/1/4314009640 )よりも、文献の量、世界各国に普及したタロット(占い札)のルーツの検証の視点は奥深く、徹底している。
中国からイスラームの占い札も検証対象とする幅広さ。そこから導き出される可能性は信ぴょう性が高く思える。
著者自身も占い師であるため、占いを行う側、教える側として身近なエピソードを交えつつ、イマジネーションを刺激し、時代毎に様々な解釈が成され、変容するタロットの魅力をより強く感じる。
タロットは“遊び”である。
その遊びとは、ふざけた意味ではなく、あらゆる自由さ(占いの仕方、解釈、その時の気分)を表している。 -
タロットカードの歴史や図像学に的を絞った本。
タロットのみならず、オカルトの全体史としても興味深い内容となっている。
タロット占いの「やり方」を示した本ではなく、タロットカードの歴史、特に「誰がどのように広めていったのか」「そしてどのように移り変わっていったのか」といった経緯に的を絞っている。
ボリュームもあるので気軽に読めるとは言い難いが、文章そのものは難解なものではない。