プーア・リチャードの暦

  • ぎょうせい
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784324048689

感想・レビュー・書評

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  • ドナルド・トランプが次期大統領に決まった2016年11月、建国の父、100ドル札、ベンジャミン・フランクリンの300年近くまえのベストセラーである本書を読む。
    少し肌寒くなってきた11月、ガラスごしのぽかぽか陽気を浴びつつ、午後のお茶をのみながら、ほっこりできる本。(本書でベンジャミンに贅沢と罵られているtea time。先人の節制を知らぬ贅沢のおかげで、現代では、ど庶民のワタクシにもトリクルダウンされてる次第である...?)
    18世紀、合衆国のこの感じも私は好きで。カラっとしがらみのない、ピューリタニズムが光る建国当初の雰囲気。(緋文字とか読むとドロドロない、なんて言えないか?)

    第六章「野蛮人」のところで、ふれられているnative americanが出てくるお話も面白い。(フランクリンの創作も含まれているだろうか?ちょっと調べないとね。)
    教会や白人たちの押しつけがましさ、独善が、端的にのべられている。聖書の内容を知ったインディアン長老の「りんごを食べたのはヤバかった。りんご酒にしたらよかった。」がイケてる。
    「お前いつまでも原始人でいるつもりか!」と言う人もいるだろうし、美しくまとまった話に過ぎないとはいえ、インディアンの知らない村を訪問するルールやおもてなし術を読むと、彼らのような生き方が人類にとってモラルやメンタルのちょうどよい進化ポイント、だったように思えてくる。
    poor Richardが忠告する内容は、少しキーワードを置き換えれば、現代で十分通用する。チェスばっかやって、馬車のって運動しないと、病気になるよ、とか。この訓戒を聞くに、大量生産、機械、テクノロジーに人間が吸収され、しもべとなる時代の、ここがはじまりなのだなぁと思う。(近代的な意味で人間がいちばん人間だった時代、近代のおわりのはじまり、というべきだろうか。)

    その他、金カネ金カネいうとこも、お金だいすきトランプやカーニーバーガーの店長のルーツがみてとれ、彼らのまっとうなピューリタン(→プラグマティズム?)の系譜を知るようで、ほほえましい。

    あっという間に読める割に、バッググラウンドを掘り進めがいのある深度と広さをもつおもしろい本。

    この日本語書籍は、新潟の議員だった真島一男さんの訳。ぎょうせいから本書を出された彼がどのような人生をおくられたのかも興味がわいた。

  • プーアとは、貧乏な、というよりは
    控え目な、謙虚な、という意味。

    怠ける、ことによる税金。
    虚栄心、という税金。
    愚か、であるための税金。

    富者への道は、勤勉と倹約。

    人間の悲劇の大部分は、物事の価値を誤って評価すること。すなわち彼らの笛にばかみたいなお金を払うこと、
    によって起こる。

    太陽に見下ろされて起きない。夜明けとともに起床する。
    お気に入りの召使が欲しいなら、自分が自分の召使になるしかない。
    最初の欲望を抑えるほうが起こる欲望を全部満足させるより易しい。
    金儲けは一時、出費は生涯。かまどを二つ築くのはやさしいが、かまどを一つ灯を絶やさないことは難しい。
    ラム酒を飲みたくなったら、まずコップに半分水を入れる。

    富者になるのは簡単、勤勉と倹約があればよい。

    不要不急の品物を買いたくなったら、笛に大金を出してはいけない、ことを思い出す。
    見栄のために、高い笛を買わない。

    苦しい夢を見ないためには、そもそも夢を見ないくらい疲れて寝ること。リラックスして寝ること。
    調理方法を発達させたために、2倍の量を食べている。

    かげろうの寿命は一日もない。人間の寿命も同じようなもの。名声を求めず、有意義に過ごす人生を選ぶ。

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