間違いだらけの少年H: 銃後生活史の研究と手引き

  • 辺境社
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  • Amazon.co.jp ・本 (845ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326950287

作品紹介・あらすじ

『少国民H=山中恒』と『戦後派N=山中典子』のコンビが世代差を超えて、風化しつつある銃後史(戦時生活史)を学び直しながら、多くの資料を駆使して『少年H』の間違いの原因に鋭く迫る!さながらミステリーの謎解きをするようなスリルと面白さ!戦時史を学ばなかった人、戦時自分史を書きたい人、戦時考証をするマスコミ関係者、『少年H』を読んだ読者へおくる世代差を超えた熱いメッセージ。

感想・レビュー・書評

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  • 16年前のベストセラー、少年H。
    歴史上のことで、勉強になるなあと思えるところがたくさんあったので、
    付箋をして読み進みましたが、それに間違いが多いと指摘する本もありました。
    少年Hの上下巻に匹敵するほどの分厚さ。

    いやまあ、事細かく指摘していて、重箱の隅をつついているような部分も。
    確かに、歴史的な事項での間違い指摘はよく調べていて、
    少年H側もノーコメントながら刷を重ねる段階で訂正しているようです。
    でも、中には「こんな風に少年が感じることがおかしい」みたいな指摘もある。
    それはちょっと違うだろうといいたい。
    なんせ少年Hは小説だし、どう感じようと勝手なんじゃないでしょうかね(^o^)

    夫婦で指摘しているけど、
    やりだすと段々と頭に血が上ってくるんでしょうね、こういうのって。

  • 【簡易目次】

    作者はなぜこんなに間違えたのか?
    読者はなぜこんなに間違いを見逃したのか

    はじめに なぜ『少年H』にこだわったか?

    1  最初の違和感

    2 ニ、三年は誤差の内?

    3  年表は歴史ではない 「日独伊三国同盟」(1)

    4  時空を超えた話 「日独伊三国同盟」(2)

    5  虚々実々混交 「日独伊三国同盟」(3)

    6  歴史的事実の前倒し 「軍事機密」(1)

    7  法律内容の曲解 「軍事機密」(2)

    8  予定と実施の時差 「軍事機密」(3)

    9  昭和期最大の行事 「紀元二千六百年」(1)

    10  実行不能の条件無視 「紀元二千六百年」(2)

    11  時局認識不足? 「紀元二千六百年」(3)

    12 アリバイ不成立 「不可侵条約」(1)

    13  無意味な腹立ち 「不可侵条約」(2)

    14  不可視の諸現象 「不可侵条約」(3)

    15  読まない新聞読み 「十二月八日」(1)

    16  通用しない旧基準 「十二月八日」(2)

    17  虚実の境界線 「十二月八日」(3)

    18  戦後歴史観の色眼鏡 「十二月八日」(4)

    19  諸悪の元凶は軍部か? 「踏絵」(1)

    20  戦中戦後の混同 「踏絵」(2)
     
    21  記憶概念と実態の差 「隣組」(1)

    22  掛け声報道と結果 「隣組」(2)

    23  裏目のアリバイ工作 「隣組」(3)

    24  未刊の新聞を読む怪しさ 「隣組」(1)

    25  粗雑な牽強付会 「防毒マスクとスパイ」

    26  状況証拠はクロ 「汽車の旅」

    27  新聞パロディ 「夏休み」・「欲しがりません勝つまでは」(1)

    28  胸の金釦は弾丸だ 「欲しがりません勝つまでは」(2)

    29  針の穴から棒も出る 「欲しがりません勝つまでは」(3)

    30  戦争のペーパー商法 「神戸ニ中入学考査」 

  • 妹尾河童著『少年H』について、時代背景等が間違っていると主張し、
    検証した一冊。

    『少年H』の出版後、妹尾氏は、『少年H』は友人たちと確認をとりながら、
    自分の記憶をたぐりよせて執筆したので、内容に間違いはないと言っていた。

    しかし妹尾氏と同年代の著者は、『少年H』を読んで共感する部分もあったが、
    違和感を覚える部分があった。
    それは、あの戦争時代には知り得なかったことを、少年Hが知っていたことだ。

    また、『少年H』には、年代がはっきりと記載されていないため、読者は
    「そんなものか」と、読み過ごしてしまいがちだが、実は当時の時系列に
    沿っていないエピソードもある。

    それを一つ一つ資料を提示しながら、検証されています。
    この資料を読めば、戦時史を詳しく学ぶことができます。

  • 元の『少年H』は読んでいない。映画から話題を検索してこの本に辿り着いた。小説の間違いを指摘する内容だけれど、証明するための資料が評価されているのに惹かれた。今でいうなら「○年はまだ外税方式だから、この時点でこのレシートの描写はあり得ない」という事実を関連の法令も見せながら指摘する感じ。書く仕事をする身として事実でないことを喧伝する(またはそう思われる)のはとても危ういと思うので、この手の検証の仕方も参考になる。読み切るより当時の世情を知るためにつまむ読みしたい本。

  • 「少年H」が映画化されるんだ。。。
    映画『少年H』公式サイト
    http://www.shonen-h.com/

    間違いだらけの少年 H - 児童文学書評 野上暁
    http://www.hico.jp/sakuhinn/7ma/matigai.htm

  • 7/21/11図書館

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著者プロフィール

1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。戦時下を描いたノンフィクションに『ボクラ少国民』シリーズ(辺境社)、『少国民の名のもとに』(小学館)、『アジア・太平洋戦争史』(岩波書店)、『戦時児童文学論』『靖国の子』(大月書店)などがある。

「2019年 『山中恒と読む 修身教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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