少しずつわかってきたシェイクスピア。
「道化」の存在と、意外にも下ネタ有りなところ。
『リア王』に対して無礼な物言いをすることを唯一許されていると思われる「道化」。
そして児童書ではシェイクスピア翻訳の大家が下ネタは毎度スルーしている。
確かに悲劇なのだが、なんだかドタバタ感が凄くてむしろ笑えてくる。
でも、そんなツッコミどころ満載な面も含めて意外と面白い。
こんな完全ネタバレをここに書いたことは一度もないが、まあこれはいいかな400年も世間にネタバレされてきたので。
でも一応【以下ネタバレ注意です】
長女ゴネリルと次女リーガンも悪いが、ゴネリルに対してリア王の罵詈雑言は呆れるほど酷い。
リア王の狂ったセリフは真面目に読むと疲れる。
ゴネリルはまだ夫がいるうちから、1人の男エドマンドを、未亡人ホヤホヤのリーガンと取り合う。
何やってんだ、この姉妹。
次男エドマンドの方を信じて長男エドガーを悪者とみなしていた父親のグロスター伯爵が、「ああ、そうだったのか、ごめんよエドガー」的にコロッと心変わりするのが一瞬。
おいおい。
大悪党のエドマンドが「最後に善行を。リア王と末娘コーディーリアを殺せと言ったの撤回するよ」的なこと言い出してコロッと心変わりするのも一瞬。
おいっ。
(撤回令、間に合わなかったし)
オールバニ公爵は忠臣なんだが、「ああ肝心なリア王のこと忘れてたわ」となる。
えっ!
リア王に対するケント伯爵と、父親に対するエドガーの献身ぶりは凄い。
盲目となり自殺したがる父親グロスター伯爵に素性を隠しながら護り続けたエドガー。
父親をうまく騙して助けた策は素晴らしかった。
それなのに最後、「宿敵の弟エドマンドに決闘を申し込みに行くこと」と「ずっと側に居た私はあなたの息子のエドガーでした」と告白したら、ビックリした父親は(たぶんショックのあまりの心臓発作で)死んじゃいましただと。
おいおいっ。
光文社古典新訳文庫にも『リア王』が有るから『ヴェニスの商人』の次は『リア王』を読むことにしたのだが、図書館に蔵書が無かったので、『リア王』は本書でおしまいにする。