レッド・ステイツの真実 ――アメリカの知られざる実像に迫る

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  • 研究社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327377298

感想・レビュー・書評

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  • "世界のほとんどの人々は宗教を生活の基盤として生きている。そして、アメリカでは、キリスト教徒が多くすんでおり、生活~政治、経済まで様々な影響を与えている。その実態をわかりやすく解説したのが本書である。この解説で、納得しえた部分は多々ある。
    グローバルに活躍する人は、宗教についての理解を深める必要がある。キリスト教、イスラム教、仏教など一通り学ぶべきなのでしょう。"

  • なんでアメリカでは、中絶反対派が医者を殺したりする事件が起きるのか?ティーパーティーの危険思想はどっからくるのか?そもそも進化論を学校で教えるとか教えないとか大騒ぎになるのはなぜなのか?と不思議に思っていたのが、大体解決。すべてはキリスト教、そして聖書を頭から信じ込んでいることによるらしい。
    その聖書、そもそも書いてあることも矛盾だらけで、現代の世に全然合わないし、解釈が分かれるようなことが多いのだけど、リベラル派と保守派で、同じ文章を全く別の解釈をしているのがすごい。それから、都合の悪い部分を読み飛ばしてるのもすごい。例えば、同性愛は殺されても仕方ないとか言いつつ、離婚した夫婦も殺されるのかというとそうでもない。

    最初は、保守派のコテコテキリスト教の人たちは、どういう思考回路なんだ、頭がおかしいんじゃないか?と思いながら読んだのだけれど、だんだん保守派のいうこともわかることもある、と思った。
    それから、リベラル派は、保守派よりは近しいところもあるけれど、でもやっぱりこの人たちもおかしいよね、と思うこともあった。
    極端から極端なところがアメリカらしい、のかも。

  • アメリカの保守派のキリスト教への信仰の強さがよくわかる。
    民主党が青、共和党が赤。赤がレッドステイツ。
    ソ連は共産主義であったが、共産主義は社会主義の延長線上にあるので、多くのキリスト教徒は社会主義を聞いた瞬間に宗教弾圧を思い浮かべてしまう。
    英語では同性愛の性交(あなるセックス)をsodomyというが、これはSodomが語源。

    2010年秋、オバマが年収25万ドル以上の家庭には課税すると発表した時、ビルゲイツ、バフェット、ソロス、シュミットなどリベラルな大富豪が、当然のことだと主張した。この時、保守派キリスト教徒たちは、彼らが真のクリスチャンだったら、自由意思で何億ドルか小切手を切って、無料で貧者を救うだろうと主張しt。MSやグーグルはアメリカの税法の抜け穴を上手く利用して資産を海外に移し、合法的に脱税している。
    MSやグーグルなど大企業が正統な税金を払えば、わざわざ増税しなくても、良いと主張。

    保守派キリスト教は、Freeという言葉を経済にもあてはめて、自由市場、自由経済、規制のない経済活動が神の意志であり、全ての自由は自己責任が伴うと主張。

    レーガン大統領がソ連のことを悪の帝国と呼んだ時も、保守派キリスト教たちの一部は共産主義者たちは悪魔の手先だと本気で信じていた。

  • 「ブッシュ元大統領のiPodには、白人歌手の曲しか入っていない」という噂を聞いたことがある。
    こういうネタが三度の飯より好きな向きには、間違いなく楽しめる本。

    「保守派の生態をただ嘲笑うのでなく、フェアな立場で書かれている」と聞いていたのだが、そちらの点ではやや期待外れ。保守派のアレなところをあげつらい、返す刀でリベラル派のアレなところにチクリと一刺し…といった趣で、およそマジメな議論や批判をするといったものではない。
    だが、これはこれでいいのだと思う。もともと本書はアメリカという国家の、外には意外と知られていないナマの姿をそのままに知らしめることを目的としたものであり、プラスアルファを求めるほうこそお門違いではないだろうか。

    ただインパクトのある内容だけに、まっさらの状態で読むと、トンデモ・リベラルにキョーレツに洗脳されてしまうおそれがある。アメリカの現状について、最低限の知識のある人向け――やっぱり本書はそういう話が三度の飯より好きな手合いが、「あるあるw」と楽しむのがよろしいかと思われる。

    2011/9/6~9/7読了

  • ギャラップ社の世論調査に基づきながら、各章別に聖書を引き、リベラル派と保守派の聖書解釈や思考癖を羅列的に網羅したもので、レッド・スティツのさまざまな事実ではあろうが、「真実」というには、誇大表記のタイトルと言わざるを得ない。「知られざる実像に迫る」などと副題するからには、その対象にもっと深く、深層心理をも浮かび上がるほどに、照射しているものを期待したが、まったくの期待外れ。
    読みやすかろうと一週間の旅のお供に持って行ったが、かなりの興ざめもあって1/3ほどしか進まなかったのも無理はない。

  • 『ザ・ホワイトハウス』7thシーズンの最終話でCJがジョシュに渡したメモ「WWLD」には元ネタというかしっかりした背景があることを初めて知った。というわけでこのドラマが好きな人には大推薦。バートレット大統領のセリフからの引用もあるし、ということもあるけれど、あのドラマを見ているとどうしても民主党寄りな見方に傾きがちなので、レッド・ステイツの人々の考え方を公平に紹介しているこの本で中和するといいと思う。西森さんは基本的にはリベラルな人なんだろうけど民主党のダメなところは容赦なく指弾し、対話への具体的な提案もしている。

  • これはなかなか…私たち日本人にとって…貴重な良書。
    書名はややミスリードで、より内容に忠実に題名をつけるなら、『キリスト教保守派の世界観(頭の中)と聖書の言葉』という感じでしょうか。「アメリカ」といっても、私たち日本人が普段接しているのはワシントンやNYやLA、あるいはCNNやニューヨークタイムズといったリベラル系の情報に偏っており、実はアメリカの半分近くを占める保守の人たちの考えや行動原理に接する機会はあまりありませんので、その実例を含めた解説はなかなか目から鱗。日本人の「アメリカ理解」のための著者力作かと。

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著者プロフィール

西森マリー(にしもり まりー)
ジャーナリスト。エジプトのカイロ大学で比較心理学を専攻。イスラム教徒。1989年から1994年までNHK教育テレビ「英会話」講師。NHK海外向け英語放送のDJ、テレビ朝日系「CNNモーニング」のキャスターなどを歴任。1994年から4年間、ヨーロッパで動物権運動の取材。1998年、拠点をアメリカのテキサスに移し、ジャーナリストとして活躍している。著書に『ディープ・ステイトの真実』『世界人類の99.99%を支配するカバールの正体』『カバールの民衆「洗脳」装置としてのハリウッド映画の正体』『カバールの捏造情報拡散機関フェイク・ニューズメディアの真っ赤な噓』(以上、秀和システム)他多数。

「2023年 『カバール解体大作戦 世界人類の99.99%がまもなく覚醒!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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