- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784330965079
作品紹介・あらすじ
国鉄からJRへ。分割民営化の大きな変革の中で繰り広げられた、鉄道マン達のドラマ。当時の本社列車課長である著者が、詳細なデータを基に国鉄最後のダイヤ改正をヒューマンタッチで再現する。
感想・レビュー・書評
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国鉄に関する本は、解体派(国鉄三羽ガラス)か、国鉄派(懐古派)に分かれているが、本書は極めて中立的だったと思う。
「国鉄財政の厳しさを理解しているが、解体が正しいかどうかもわからない」著者が、分社化を前提とした新ダイヤの作成や、会社間調整を命じられ、全国各地の鉄道マンと共に悩み最後の改正をやり遂げる。国鉄がJRとして再出発し、JR東海に就職した後の話も語られている。
境界駅、会社間協定、ダイヤの優先序列、貨物を分割できない理由なども丁寧に書かれている。
JR出発式セレモニーが一般的な国鉄とJRの分水嶺であっても、現場の区切りはダイヤ改正というのが非常に良く伝わってきたし、葛西敬之が未完の国鉄解体で漏らした「出発式に対する感動はなかった」も腑に落ちた。
著者が国鉄ダイヤ改正の最後の実務担当者であるように思われるが、そう考えると、JR東海は資産的には恵まれなかったものの、中核の実務担当者を多数抱えており、人的資材はかなり恵まれていたなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昭和62年4月1日JRスタート
しかし、この日にダイヤ改正は行われなかった。
つまり、この前に行われた国鉄最後のダイヤ改正
つまり昭和61年11月には、
すでにJRのダイヤで列車は走っていたのである。
この本は、その昭和61年11月のダイヤ改正を軸に、
国鉄からJRへの移り変わりの作業を行った著者が、
その様子を書いたものです。
表の話から見えない、JRが生まれるまでの
課程を
種が芽を出し、成長していく様子を見るように
知ることができます。