- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334007218
感想・レビュー・書評
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図書館で借りて読む。瀬戸内寂聴と元日弁連会長中坊公平、建築家安藤忠雄の鼎談。2001年刊行。
初出は2000年のテレビ番組でのそれ。書籍化にあたり、新たに鼎談を行ったものも含む。
中坊は2013年に、瀬戸内は2021年に亡くなったのだが、傘寿を超えて今なお活躍中の安藤、数多くの著書が没後の今なお愛読されている瀬戸内はともかく、かつては時の人で、時には政局にさえ大きな影響力を与える存在でもあった中坊を知る人は少なくなった。特に、この鼎談がテレビで放映された頃の中坊は、絶大な国民的人気と社会的影響力を誇る実力者だった。鼎談の内容も含めて、こうした人たちが少なくなってしまった今、やはり隔世の感を覚えずにいられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「世の中には犯罪を犯す人がいますが、そういう人を見ていますと、真っ白な状態からある日突然、真っ黒になるわけではないのです。その間に、灰色の時代が必ずある。
人間は、徐々に徐々に、軌道を外れていくのです。」 -
瀬戸内寂聴、中坊公平、安藤忠雄の三人の対談をまとめたもの。
中坊氏が話されていて森永ヒ素ミルク事件の話が一番心に残っています。
それと、「もし世の中に価値があるとするならば、思い出なんだ」という言葉。
瀬戸内寂聴さんの「人の痛みを我が痛みに」という言葉。
これができれば、今起きている悲しい出来事の多くはかいけつするのではないだろうか。
3人は色々な話をされているのですが、一言でまとめてしまえば、考える、学ぶという姿勢が大事なんだと、私には思えた。