非対称情報の経済学: スティグリッツと新しい経済学 (光文社新書 49)

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334031497

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  • 本書はスティグリッツの弟子でもあり、スティグリッツの教科書の翻訳などを手掛けている著者が非対称情報の経済学について解説・論じた本である。

    情報の非対称性(非対称情報)とは、売り手と買い手(売り手同士、買い手同士)の間で情報量に差があることをいう(p.81)。本書は主に3つの構成となっている。

    まず第1章では、アダム・スミスの理論を中心とした伝統的な経済学の解説を行い、その問題点を主張している。次に第2章から第6章では、伝統的な経済学の問題を解決するために誕生した新しい経済学誕生の経緯とその理論の解説を行っている。特に非対称情報について取り扱っている。最後に第7章では、これまでの議論を踏まえて、1990年代以降の日本の金融不安の問題点と今後について著者の見解を述べている。

    本書はかなりわかりやすい。著者は様々な教科書を書いているだけあり、その経験が生きているといえる。また著者の主張はアベノミクスに多く反映されている。

    本書の問題点を一つ上げると、読み進めていくうちに内容が専門的になっていくことだ。特に第7章は金融理論を学んでいない人が読むのは容易ではないだろう。とはいえ、本書の要旨はわかるはずなので、経済学の知識が全く無くてもある程度理解することができると感じた。

    経済学を学んでみたい人、経済学を改めて学び直したい人のみならず、現在経済学を学んでいる学生にぜひおすすめしたい作品である。

  • 情報の非対称性は医療経済の大原則。

  • 情報共有という言葉がトレンドのようにあっちこっちで出てきたときに読んで、とてもためになった。

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