恋する西洋美術史 (光文社新書 384)

著者 :
  • 光文社
3.58
  • (14)
  • (29)
  • (36)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 277
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034870

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読了

  • 恋愛という観点から美術史を説いた本。
    ピカソとかロダンの恋愛話とその時期の作品の対比が面白い。芸術家の恋愛話ってロマンチックですき。
    私は美術詳しくないので、直感的にブーシェとかフラゴナールの厚塗りしてますって感じの肌の描き方がとても可愛くてすきだったんだけど、だいすきな「ブランコ」が取り上げられててうれしかった。美術史上は評価低くても、お部屋に飾るなら絶対ああいう絵がいいです。
    挿絵全部カラーならもっと良かったです。美の巨人見たくなったー!

  • 「西洋画」が苦手だった私。現代美術はある程度解釈の仕方を観る側にゆだねてくれている感じがある一方で、西洋画は「観るルール」だとか「正しい解釈」が存在しているというイメージから。恋愛という身近なキーワードで西洋美術史をひもといていくというこの本を読めば、少しでも理解が深まるだろうか、という期待から購入。
    読んで思ったのは、昔の人も、昔の神様も、性にまつわるあれこれに翻弄されていたんだなあということ。現代の自分たちと何ら変わりなく。ただそこに時代背景の違いが顕著に表れていて、そのギャップが面白い。
    現代には性の記録や妄想を、あんなにはっきりとキャンバスに残している画家はいるんだろうか?未来の人にもこんなシンパシーを感じてもらうために、ぜひ取り組んでいただきたいものです。
    たぶん同じシリーズで、食事から西洋美術史を見るというものもあったので、次はそれを読みたい。

  • 恋愛を画題にした名画にまつわるお話。
    新書であるからして、それほど体系だった感じではなく、エピソード的。絵画から紐解く(あるいは垣間見る)西洋性愛史、といった趣き。

    前半は比較的お行儀よい印象だが、後半は肉食系色恋のすさまじさの片鱗も漂わせる。
    巻末の参考文献が親切だ。奥深そうな分野であるし、この森に入りたくなったら、こうした文献が手引きになるのだろう。

    *新書なので仕方ないとは思うのだが、絵が小さくて、白黒のものがほとんどなのが残念。「画面右端にこれこれこういう男がこんな表情をしていて・・・」って言われてもわかりません、先生。こういうのは、大教室でスクリーンにスライドを大きく映しつつ講義してもらえばよいのかもなぁとちょっと思った。

    *巻頭の『ピュグマリオンとガラテア』(ジャン・レオン・レジーム)が好きだ。ニューヨーク・メトロポリタン美術館にあるらしい。

  • [ 内容 ]
    恋愛―それは人類の長い歴史を通じて、私たちの人生にとって常に重要なものであり続けた。
    画家たちの恋愛事情、奔放な性的エピソードに溢れた神話、人類の恋愛の諸相を捉えた、新しい角度からの西洋美術史。

    [ 目次 ]
    第1章 恋する画家たち
    第2章 愛の神話
    第3章 愛のかけひき
    第4章 結婚―誓われた愛
    第5章 秘められた愛
    第6章 禁じられた愛
    第7章 愛の終わり

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 絵画に出てくるアイコンの説明あり。絵画を通して西洋の歴史、文化が勉強できた。絵を見るのは好きなんだけど理解はしていなかったので私には丁度よかった。

  • よかった!
    食べる…とかも読んでみたくなった。

  • 美術作品というのは、改めて思うと、
    ともかくたくさん絵画などみて、そこで、「訳のわからないすばらしさ」を感じるときが、いつかおとずれ、そこから、「訳のわからない何か」と問われて、いろいろと歴史、技法、コンセプトを知りたくなる・・・というところまで、ともかく、作品を見続ければ良いんじゃないかを思う。浴びるように。話はそれからだ。

  • 絵というものには その絵が描かれた時代の気分がばっちりのこっているんだなぁ と。

  • 西洋美術史というか、

    『絵画を通して学ぶ西洋文化史』

    といったほうが適している内容だと思った。


    私はギリシャ神話とか世界史には興味が無いんだなーと実感した。。
    でも昔の思想や出来事が今の美術に与える影響って大きいし、強制的に詰め込まなきゃいけないのかもしれぬ。

    「接吻」をテーマにした絵画を何作か考察している部分で、最後の1作として紹介されていたマグリットの《恋人たち》が衝撃だった!
    布で顔を覆った二人の男女がキスしていて、昔にはなかったキスの「匿名性と、その盲目性」を象徴しているんだそう!!
    「唇は直接触れることなく、ただ行為としての、ただ形式としてのキスだけが描かれている」。。。
    確かに、現代は軽い気持ちでキスする人が多いと思う。私も流されてしちゃったことが多々あるし(/_;)
    キスの神聖性が薄れてきているのは確かだと思う。
    まさに、「キスの美術史の最期を飾るにふさわしい作品」です!!!!!

    ***

    ダンビーの《愛の絶望》は見た瞬間にぐっと引き込まれた。
    女本位に描かれている作品がやっぱり好き。
    実物を見てみたいなぁ。

    ***

    あと、フュースリっていう画家の《男と三人の女たち》っていう作品は…刺激的すぎでした。刺激っていうか吐き気が…笑
    ただ、「ここでは男性は自主性を持たず、女たちのなすがままである。彼は奉仕を強いられ、その報酬として快感が与えられる。」という解説にはなるほどと思った。
    ふとボーヴォワールの『第二の性』に「絶頂の快感を経験しないで死ぬ女は多い。しかし、男にとって快楽は求めれば必ず到達できるものである。」って書いてあったのを思い出した。たしか女性の9割がイケないまま人生を終えるんだっけ。
    自分だけイッちゃう分、女の人をいたわれってことなのかしら。。
    ともかく、私は女性をファム・ファタール(※)として扱ってくれる男の人が好きですっ

    ※男の運命を握る女。男を破滅し、堕落させる。

全28件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上英洋の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×