ドキュメント 底辺のアメリカ人 (光文社新書 386)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034894

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  • 第44代アメリカ合衆国大統領、バラク・フセイン・オバマ。

    オバマ当選直前にマイノリティのアメリカ人達へのインタビュー編。

    メイフラワー号に乗せられ、アフリカから奴隷として連れられてきた黒人達。
    ローザパースクの件、バスボイコット事件、ワッツ暴動、公民権運動。
    黒人は人ではなく、財産として数えられていた。奴隷解放宣言はされたものの、セグリゲーションは依然変わらず。WASPなアメリカは変わらず。

    そんな歴史の中から初の黒人大統領が誕生。
    この一冊から見ると、黒人初だからどうと語る人は少ないようでした。

    時は下り、トランプ大統領。
    そろそろ、来日ですね。KKK是認とか...
    さあ、トランプのアメリカはどうなってゆくのでしょうか。

  • 2009年刊行。米国在住のフリージャーナリストが、第一期オバマ選挙戦を、マイノリティや貧困層への取材を通して活写。健康保険制度の重要性が身にしみて判る。日本においては、国民皆保険ないしそれに近似する制度を、とにもかくにも実現させた当時の自民党(リベラル派か?)政権の先見性に脱帽。後は、職の創出と住宅供給政策なのだろう。どこの国にも妥当する問題だが…。本書で最も興味深いのは、ユダヤ人へのインタビュー。子ブッシュ・イラク戦争批判は単純ではない米国の懐を感じさせる。まぁ、マイノリティと言えるか疑問もあるが…。

  • アメリカという国は非常に多面的な国だ。ビルゲイツやザッカーバーグのような億万長者がいる一方で、ホームレスが十万人ほどいる。その多くは有色人種であり、満足な教育も受けられず今後の展望も暗い。本書ではアメリカの暗部、恥部にクローズアップしている。アメリカ在住経験もなく、英語も使えないために本書の内容の正しさは分からないがアメリカの一面が認識された事で、昨今のサブプライムローンなどの背景が想像出来るようになった。

  • 少し前の内容だが、丁寧なドキュメントだと感じた。様々なバックグラウンドを持った人間がアメリカ合衆国で生活しているが、それぞれがそれぞれの信念や歴史に従って、国のトップを選ぶ。彼らの共通認識は似ているが、ここまで価値感の違いによって結論が変わってくるのか、と思った。医療問題など、根深い問題は多いが、興味深いドキュメンタリであった。

  • オバマは彼らの希望となるか ドキュメント ―
    http://www.kobunsha.com/

  • 内容はタイトルとは若干違い、2008年の大統領選に対する意見を市井の人々にインタビューしたルポ。底辺ではない人も結構混じっている。あくまでもインタビューで、そこからの著者の掘り下げはあまりない。著者の『下層教育現場』も興味深く、米国の下の層からの視点で書いたものをまた読みたい。

  • 現地の人々の生の声をそのまま載せていることから、合衆国大統領選の時期の人々の認識が手に取るようによく分かる。また例えば白人、黒人、ヒスパニック、アジア系といったように、様々な立場からの意見を集めているため、非常に勉強になる。

  • レポ作成のため流し読み

    ・内容
    アメリカの非主流層(低所得層・マイノリティ)のエピソード集
    約10つの民族集団・地域について1章ずつ使い、民族的価値観と現実的課題の狭間で生活する人々を描いている。
    またそれらの集団がアメリカ社会(とりわけ大統領選挙)にそう寄与するかといった内容で締めくくられている。

    ・感想
    それぞれのエピソードは具体性が高く、網羅性は低い。
    ヒスパニック、レッドネック、ニューオーリンズ、コリアン・アメリカンなどの、現代アメリカが抱える諸問題について事例に基づいて描いている。

  • 統計的情報と現地での個人へのインタビューのバランスがとれていて分かりやすく、説得力がある

  • 日本は腐った社会だが、アメリカも似たようなもので。
    オバマ現象はなんだったのだろうか。
    日本の小泉劇場はなんだったのだろうか。
    少しずつ年収が上がって生きていけるようになって来たが、ちょっと転がる先が違えば私も抜け出せない生活が待っていたのだろうか。
    子供のためにも何か社会活動をやらねば。
    内容は関係ないが、無性にそう思えた。

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著者プロフィール

福岡大学准教授

「2023年 『よくわかる力学の基礎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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