高学歴女子の貧困 女子は学歴で「幸せ」になれるか? (光文社新書)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334037840

感想・レビュー・書評

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  • 三葛館新書367.2||OR

    有名大学の大学院卒業という高学歴なのにもかかわらず、貧困なのはなぜなのか。
    もしあの時正規雇用され、波にうまく乗っていたら、もし正規雇用されていたのを辞めずにいたら今頃は・・・。けれど、高学歴の女性たちは決して努力を怠ったのではなく、今も今までも懸命に努力している人が大半です。非正規雇用と正規雇用の隔たりに限らず、女性だからという理由が未だにはびこっている現実があるのも事実だとか。学歴がすべてとは言わないまでも、なぜ努力が報われないのか、決して他人事とは思えません。
                                   (ゆず)
                                   
    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=68181

  • 20140929

  • 図書館で借りて読むくらいでよく資料的価値は少ないと思う。愚痴という感じがする。同じ内容でももう少し書き方を変えた方が良いと思う。

  • 読んでいて、学生だった頃に「院はいつでも行けるけど、新卒就職は一回しかない」と女性の教授に強く言われたことをはたと思い出しました。
    その時は、就職氷河期と呼ばれた時期でもあり
    「そーだよね!勉強はいくつになってもできるけど、就職は新卒扱いしてくれるのは一回こっきりだわ!」
    と、うっすら考えていた院への進学をあっさり選択肢から外しただけでその言葉について深く考えもしませんでしたが
    「この(=研究)世界では、女性は男性以上の本気と根気と強気がないと続かないし、捨てないといけないことも沢山ある」
    とも仰ってたし、この本で述べられていることを諸々踏まえると女性が大学院に進むこと(しかも人文系)で被るデメリットを暗にアナウンスしてくださってたのかな…と今さらながら思ったりしました。

    そんなことを思い出して考えるきっかけにはなりましたが、全体を通じて話が散漫に感じられ、また感情的だと感じる部分も多く読後感はイマイチです。
    ただ、最終章の大野さんのお話は、自分と無縁な「美術系大学出身の方々の進路、その後」を垣間見ることができてとても興味深く読めました。

  • 高学歴を手にしたら、やりたいことができて、お金も稼げるというのは幻想なのだろうか?
    もちろん、学歴がないよりあった方がいいのだろうけど、学歴があっても幸せになれるとは限らないのだなぁと改めて感じた。

  • 図書館で予約していた『高学歴女子の貧困』がまわってきて読む。読みはじめてみたが、正直つまらなくて、途中から(もう読まずに返そうかなー)と思いながら、もうしばらく読んでいた。

    最後の章、4人の著者のうち、大野左紀子さんが書いた部分にたどりつき、その5章「「アート系高学歴女子」のなれの果てとして、半生を顧みる」はわるくなかった。大野さんの別の本『アーティスト症候群』もぜひ読んでみたいと思った。でも、それ以外の人が書いた箇所は、私にはかなりイマイチだった。

    イマイチと思った点はいろいろあるが、議論が雑で(調査のデータや他の人の論文を示しているが詰めが甘い)、そもそも「高学歴女子」という定義がアイマイで(大学院の博士課程まで行った人の話か?と思うと、大野さんは学部卒なのだ)、博士論文通ってない人を「博士」と書いていたり…というのが主。研究職と教育職の話をさりげなく(わざとか?)混ぜて書いてるところも議論が雑な感じを受ける。監修の人はある大学の評議員と書いてあったが、これを「ヒラの大学職員」と言うのは違うでしょう。

    大野さん以外の著者3人(監修者含む)が書く「「女性」ということで壁がある」話は分からなくはないのだが、その下敷きになってるのは「高学歴=もっと地位もお金ももらえるはずなのに(そうではない)」というココロのようで、私は、そのココロに違和感があるのかもなーと思った。この本の第1章のタイトルは「どうして女性は高学歴でも貧困なのか」というのだ。

    「高学歴」を信仰しすぎな気もした。たとえば「仕事をできるかどうか」に、学歴はいうほど関係ないだろうと思うが、読んでいると、大野さん以外の3人は、暗黙のうちに「高学歴=地位も収入も高くて当然でしょ」と前提にしてるようで、私にはそこがうまくのみこめなくて、つまらなかったのかもしれない。裏返して「学歴が低い=地位も収入も低くてあたりまえ」なのか?と考えてみると、違うだろうと思うのだった。

    大野さんは、自分にとって直接サベツだというのはなかったけれど、それでもこういうところやこういうところは、やはりジェンダーの問題じゃないかと自分の経験を丁寧に述べながら書いていて、読みやすかったし、なるほどと思えた。これはライターとしての経験の差なのか、あるいは年の功かと思った。

    「アートは会社の仕事とは違う。それはお金にすることもできるが、本質的にはお金のためにすることではない」(p.166)と大野さんが書いているところが、私には印象深かった。大学院へ行く(≒研究する)というのも、お金になることもあるかもしれないが、お金にならなくてもやってみたいことなんじゃないのかなーと思ったりした。そのぶん、浮き世離れすることもあるのだろうけれど。

    大学も含め、学費が高すぎるのが根本的な問題のような気がする。

    (5/22了)

  • 女に学歴はいらない、は現在も続いているのかもしれない。人生において本当に必要なものは柔軟さ。

  • 学歴もそれなりに役には立つがけして女子には特に集背の手形にはならない。むしろめんどくさくする。世の中はゆっくりと変わるのね。

  • 「高学歴」って博士卒のことじゃないのか?
    ここの女性、博士論文書いてない人や中退者ですが?
    文系、いかにも就職できにくい学部ばかりですが、理系については言及しないのはなぜ? 院進学しても民間企業に就職できた人だっているのに? 視野が狭すぎる。

    『高学歴ワーキングプア』と同じで、院生崩れで就職できない人はこんなに情けないんですよ、というのが読んでいてよく分かる本。自分たちが優秀だと思うなら、起業すればいいのに。

    大野さんの論考だけは、共感できる部分が多い。アカデミズムに依存しないし、リスクの多い人生を生き抜いたという自信があるからなのだろう。

    数は少ないけど、人文学でこの人たちとほぼ同年代で準教授になった女性研究者を知っているが、ここで紹介されている人みたいな学歴ロンダじゃない、正真正銘の旧帝大博士卒だし、ちゃんと結婚もしてるし、英語どころかドイツ語他で論文も書けますよ。
    なんでこういう成功した人の意見を取り入れないんですかね? まあ失敗した人の失敗談を読んで、同じ轍を踏まないようにするのは賢明かもね。

    意地悪な言い方をしたが、院進学を考えている人は一読しておくべき。

  • 「高学歴ワーキングプア」の作者監修の高学歴シリーズ第2弾。


    非正規(非常勤講師)となってしまい不安定極まりない環境におかれ、研究上、職務環境上、生活上問題を抱える女性高学歴研究者の内状が大変勉強になった。

    私も女性ではないが、元高学歴ワーキングプア状態を5~6年経験したものから言わせていただくと


    「事実は、ご縁とタイミングが良かっただけある。しかし、専任教員になった人間は決してこのことを認めたらがない。」(p43)

    これに関しては同意できませんね。特に私のまわりにいる人々(研究者)は不遇の期間が長かろうが短かろうが皆さん同じように「ご縁(運)とタイミングだよね!」って言ってます。

    このような細かいところに関して???はありますが、それが、本書の目的でもあった、「現代における高学歴女子の内実」をあぶり出したことにマイナスに作用したことは全くない。大変面白い一冊である。

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