世界の危険思想 悪いやつらの頭の中 (光文社新書)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334044152

感想・レビュー・書評

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  • 面白くてパパッと読めるのが良い。
    悲惨な内容もあるが、それを感じさせない語り口と転換。是非を論じることの無いフラットな見方が好き。

    以下Amazonより----------------------------------
    人が人を殺す理由は何なのか――。
    著者は世界中の危険地帯の取材を続ける中で、日本人の常識とは相容れない考え方に
    出会ってきた。

    仕事だから作業のように人を殺す、金持ちからは奪ってもよい、
    縄張りに入った奴はすべて排除する。

    そんな、教科書には決して載らない「危険思想」を体を張って体系化。
    悪いやつらの頭の中に迫る!

    【目次】
    第1章 人殺しの頭の中
    第2章 命に値段はつけられる
    第3章 スラムという現実
    第4章 裏社会の掟
    第5章 本当は危ないセックス
    第6章 世界は麻薬でまわっている
    第7章 なくならない非合法ビジネス
    第8章 自分探しと自己実現の果て
    最終章 危ない思想は毒か薬か

    著者紹介
    丸山ゴンザレス(まるやまごんざれす)
    1977年、宮城県生まれ。考古学者崩れのジャーナリスト・編集者。
    無職、日雇労働、出版社勤務を経て、独立。
    著書に『アジア「罰当たり」旅行』(彩図社)、
    『世界の混沌を歩くダークツーリスト』(講談社)などがある。
    人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系)に
    「危険地帯ジャーナリスト」として出演中。

  • 人が人を殺す理由は何なのか――。
    著者は世界中の危険地帯の取材を続ける中で、日本人の常識とは相容れない考え方に
    出会ってきた。
    仕事だから作業のように人を殺す、金持ちからは奪ってもよい、
    縄張りに入った奴はすべて排除する。
    そんな、教科書には決して載らない「危険思想」を体を張って体系化。
    悪いやつらの頭の中に迫る!
    人気番組「グレートジャーニー」で「危険地帯ジャーナリスト」として出演中の丸山ゴンザレスが、危険地帯で出会った殺し屋やギャングや売春婦などの思考回路を解説したノンフィクション。

    金銭トラブルや生命保険をかけられたり遺産相続トラブルなど金銭目的で殺害された邦人殺害件数が、フィリピンで最も多い。 貧困から僅かな金で殺人を請け負う者と金を出せて警察を味方に出来る富裕層のビジネスで割り切る冷酷な命に値段をつけて換金するビジネスが、成立する環境がある。
    危険地帯というイメージのあるスラムにある、住民は襲わないというルール。そしてお互いに利益を分け合う再分配のルール。
    裏社会を支配するルール、縄張り意識、ボスへの忠誠、アンチ警察。
    薬の快楽のために倫理観が壊れたジャンキーの怖さ、刑務所の中の囚人の住み分け、裏社会から抜けることの困難など、裏社会のヤバさが垣間見れるノンフィクション。

  • 特殊詐欺グループのパーティーに出席し、会社を通さない闇営業をしていたとして、吉本興業などの芸人が謹慎処分を受けました。
    関連の報道が今も世間を賑わわせています。
    ただ、報道の多くは、もっぱらこの芸人による闇営業問題にフォーカスしています。
    最も悪いのは、言うまでもなく特殊詐欺グループでしょう。
    全体こういう「悪いやつら」の頭の中身は一体どうなっているのか。
    それが自分の長年の疑問というか関心事でありました。
    自分はミステリーもよく読みますが、ミステリーには殺人事件が付きもの。
    殺人という、人にとって最大の罪を犯した人の心理をたどる経験は、文字通りスリリングです。
    でも、実際のところどうなのよ、と思っていました。
    というわけで手に取ったのが本書です。
    著者は世界中の危険地帯を取材してきたジャーナリスト。
    本書には、殺人犯や殺し屋はもとより、強盗、武器商人、マフィア、ギャング、麻薬の売人、薬物依存者、集団暴行する人、悪徳警官などなど、世界の「悪いやつら」が数多登場します。
    まず殺し屋。
    日本人にしてみれば、殺し屋の存在は特異ですが、「起点となる感情は我々とまったく同じものであった。だが、殺しを実行できる人の頭の中は、本当に無感情そのもの」とのこと。
    無感情に人を殺せるのはアウトローだけではありません。
    たとえば、ケニアで警察が窃盗団を銃撃しました。
    最後は無抵抗な犯人まで銃撃して殺したそう。
    理由は「取り調べや調書を取るのが面倒なため」なんだとか。
    日本人でも、人によっては、「窃盗団なんだから殺されてもいいだろう」という方がいるかもしれません。
    いや、かなりいそう。
    実際、今の日本では、ひとたび悪いことをすると徹底的にバッシングする風潮が蔓延しています。
    それは、多くの人が自分を「善良な市民」と信じているからでもありましょう。
    ですが、「窃盗団はみんな殺されて当然」というバランスを著しく欠いた社会は、必ずや善良な市民をも圧迫します。
    話が逸れました。
    「裏社会のルール」も興味深かった。
    裏社会のルールとは①縄張り②ボスへの忠誠③アンチ警察―です。
    これは米国ロサンゼルスのギャングの話ですが、彼らは普段の生活でも縄張りから出ないのだそう。
    車で通過するとしても顔を隠すというから、縄張り意識はかなり強いようです。
    「彼らは縄張りの中にいると強いけど、一歩外に出たらものすごく不安そうなんだよ」
    という声を著者は現地で拾っていますが、これは、もしかしたら日本の反社の人たちにも言えることかもしれません。
    最終章の著者の言葉には共感しました。
    「日本にはもう少しでいいので、曖昧なままの状況を許す心が必要なんじゃないだろうか。許せないとか、拒絶するという考え方は、世界で一番危ない考え方につながりかねないと思うのだ。すべてのことに白黒つけたがるということは、必要悪を許容しないとか、曖昧さを排除する方向につながっていくと思うからだ。」

  • 相手を敬わないその思想こそが人を殺す最大の危険思想なのだと私は思った。

    不幸を嘆いても世界は私を救ってくれないし時間は流れる
    スラムに生きている人たちで成功した者は世界を変えるより自分を変えた人たちなのだと。

    丸山ゴンザレスが危険思想に陥る人に言いたい言葉はこれだったのではないかと勝手に推測しました。

  • ひさしぶりに薄っぺらい本読んだ。
    「悪いやつら」がこういう事を言って、自分はこう思った、の繰り返しで、ツッコミは足りないし、だいたいそれが本当なのかどうかがわからない。たとえばフィリピンで交通事故を起こしたとき、重症で治療費がかかるときよりも、いっそ死んでしまったときのほうが賠償金が安く済むので「トドメ」を刺す加害者が「いる」という。著者の知り合いがそういう発言をしたのは事実なのかもしれないが、発言内容が本当なのか、本当だとしてそれがどのくらいの頻度で起きているのか調べようという考えは著者にはないらしい。誰かが言ったことをそのまま書けばいいだけだったら、ジャーナリストというのは楽な商売だ。おまけに半分くらいが著者の自分語り。内容は平凡だし、ぼくは著者に興味はないので(ドキュメンタリーを読む人はみなそうだと思うが)つまらない。
    ちなみにタイトルに「危険思想」とあるけれど、怪我より死んだほうが賠償金が安く済むので殺しちゃう、というのは「思想」じゃないから。

  • あーそうですか?と言う感じデス

  • 字数をなんとか稼ぐために絞り出しているような水増し文章に感じられます。あとがきの、著者自身の言い訳で合点しました。
    アブナイ旅行エッセイ程度と思って読むべき。

  • ●読んで得たもの
     人の命を何とも思わない人との価値観の違い

    ●感想
     仕事で危険な国に行ったことがあるが、そのときはボディガードが付いていたので危険な目に遭わずにすんできた。
     そのような国を個人で旅行するのは恐くて無理だなと改めて思った。

  • クレイジージャーニーで認知された人の中でもトップクラスに人気がある人ではないでしょうか。その魁偉な風貌から、落ち着きのある冷静な語り口。そして危険地帯に躊躇せず潜入していく姿に画面越しにワクワクしている人は多いでしょう。僕自身彼が画面に出る時には楽しみに見ています。
    ジャーナリズムの定義はよく分かりませんが、彼の取材方法と内容に関してはサブカルチャーの方面の方が相性が良いと思っています。アンダーグラウンドな世界を我々に垣間見せつつも、そこに社会的な思想が見えません。どうすべきという思想が欠落している事によってあるがままに伝えてくれています。ここはエンターテイメントとして受け取れない人からはマイナスになる要素かもしれません。あくまで彼の存在はサブカルチャーの中の社会派エンターテイナーです。

    善悪そのものを判断する材料というのは、文化の中から産まれてくるもので彼が言うような「殺人には思想がある」と言うのは完全に浅慮だと思いました。殺し屋という職業が頻出し、金銭のやり取りで殺人を行う人々についても語っています。そこにあるのは思想ではなくその文化の中で作られた有機体としての人間の価値の水準ではないかと思います。
    例えば世界的な虐殺に至るプロセスの中で、一般の人達がそれに加わるパターンとしては政府やそれに代わる自分より大きな共同体から「許可された」という思考停止に近い感情によって発生していると思います。そこにあるのは思考の放棄であり危険思想ではない。逆に多数に従わない少数の正常な人々の方が危険思想と判断されると思います。

    と、本筋から大分離れましたが、本書は色々な世界のアンダーグランドな人たちをちょっとずつ読めて結構楽しめるぞ。という評価です。

  • クレイジージャーニーで知った丸山ゴンザレス氏。
    本はどんな感じなんだろうとふと思い読んでみたけどまぁ~面白かった
    麻薬・殺人・売春・スラム街等々タブーすぎて地上波で放送できない、あんなことこんなことが沢山。
    世界のありとあらゆる場所で、結局はお金目当てで色んな罪に手を染めているわけだけど
    それが無くては生きていけない人もたくさんいるというのもこれまた事実。
    日本って平和だわ…

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著者プロフィール

丸山ゴンザレス
1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト、編集者、國
學院大學学術資料センター共同研究員。國學院大學大学院修了後、
出版社勤務を経て独立。現在は世界各地で危険地帯やスラムなどの
取材を続ける。主な著作に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』
(光文社新書)などがある。

「2019年 『亜細亜熱帯怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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