- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334046194
感想・レビュー・書評
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『鎌倉殿の13人』はどれくらい史実から離れているのか知りたくて。そして『仁義なき戦い』愛好者の観点から「抗争史」というタームに惹かれて。すごいペースで御家人たちが粛清されていくから、かえって源頼朝のすごさが浮き上がって見えた。そのうち頼朝の本も読もう。
ドラマと史実の違いについてはけっこうそのまんまの人もいたけれど、北条義時を闇落ちした孤独な独裁者と性格づけるために、かなり良い人に描かれた人もいたのがわかった。なるほどその要素を含めないと義時が悪く見えるんだ、みたいなことがみえて面白かった。
あと、これは先月読んだ『16テーマで知る 鎌倉武士の生活』にも書いてあったとおりで、鎌倉武士は殺す/殺されることへの抵抗感がびっくりするほど低い。納得いかなくても上が命じたら/必要と判断すれば親戚でも殺しちゃう。あんまり現世が楽しくなかったんだろうか。それとも来世があるって信じていたから死は世界の壁を抜けるためのステップだったんだろうか。まあ現代人だって自分と身内が楽しくできれば遠くの誰かが苦しもうが死のうが構わないのがデフォルトではあるんだけど。 -
頼朝の死から承久の乱までの時期を対象に、鎌倉幕府における御家人間抗争の経緯を辿る。叙述内容は吾妻鏡が中心。個々の事件について余波まで含めて整理されているので、通史的に理解しやすい構成になっている。
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なぜ鎌倉武士たちは仲間うちで殺し合いを繰り返したのか、鎌倉時代初期の政治史と、武士の現実が書かれています。
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2022年12月24日 夫からのプレゼント。
2023年5月26日読了。 -
源頼朝の死去から北条政子の死去までの鎌倉幕府の混迷期が描かれていて興味深かった。
巻末には古代中世日本の基礎知識が書かれていて親切。 -
読了 20221001
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鎌倉武士団を私的武力集団構成員に例えているのは秀逸だった。
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源頼朝の死後から北条政子の死まで、ここまでの血で血を洗う争いがあったとは知りませんでした。いかに頼朝のカリスマ的指導力による鎌倉幕府だったのかがうかがい知れます。また将軍2代目・3代目までもなんと不安定なことか。北条氏による安定的な執権政治になるまで、御家人たちは疑心暗鬼に陥っていたことでしょう。
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東2法経図・6F開架:B1/10/1211/K
『鎌倉武士は殺す/殺されることへの抵抗感がびっくりするほど低い。』
これ、色々なところで出ますよね。歴史物って...
『鎌倉武士は殺す/殺されることへの抵抗感がびっくりするほど低い。』
これ、色々なところで出ますよね。歴史物って現代の感覚で理解してはいけないなって思いました。
菊池寛『三浦右衛門の最後』で、武士にとって生命以上に大切なものはたくさんあり、武士の見栄とは、いかに安価に生命を捨てるか、いかに勇ましく死ぬかだった、「その時代は縛り上げる力さえあれば理由はいらなかったのである」とありました。
災害、怪我や病、飢饉、戦、暴力、身分や性別の差…理不尽が多いこの世で生きるには、自分の力だけでは限界がある。それなら命以上の物がある。そして自分の力だけではどうにもならないものは諦めることも必要だったのかなあと。
鎌倉時代と違っていろいろ諦めなくてよくなった現代ですが、諦められないことから生まれる...
鎌倉時代と違っていろいろ諦めなくてよくなった現代ですが、諦められないことから生まれる不幸せは増えたのかもしれませんね。