結婚しても一人 (光文社新書 1271)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334100179

感想・レビュー・書評

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  • NHKアナウンサーを経て
    フリーとなる
    その後、様々な分野で活躍する著者
    80代の女性

    私より年上なのに
    考えが新しく、なるほど!と納得
    「結婚式は嫌いでなるべく参列したくない」に
    えっ!!そうなの?何だか寂しいと思ったが
    お葬式は参列する
    の理由を読んだ時に
    この方は自分の考えがきちんとあり
    優しい部分があると感じた

    夫は夫
    私は私
    母の時間が多く
    個を持つことにやや罪悪感
    この本を読んで個をもって良いのだと思った

    なかなか諸事情で1人時間が難しく
    1人外出は厳しい
    だからこそ私の好きな読書時間を積極的にとる
    それでいいと思えた
    1日15分なにもしない個の時間もうけてみる

    結婚の数だけ夫婦の形があって良い
    それは夫婦だけでなく
    友人、恋人、親子どの関係でもいえるのかも
    個あっての関係
    相手に期待ばかりの関係はいつかひびが入る
    自分も大切にしよう

  • 上野千鶴子さんの「女ぎらい」を読んで、関連本として読みました。こんな本を携えていたら夫が気を悪くするかな、とか思ったけど(笑)。
    女である前に一人の人間であること、「娘」「妻」「母」と言った役割を生きるのではなく、「個人」として生きることを選んだ著者。本書を読んで、「個人を尊重する」ということが本当によく理解できました。日本は個人より集団・家族・組織・国家を大事にし、個人をないがしろにしがち。個人の尊重とか個性重視というと、秩序が乱れるとか集団・家族のまとまりがなくなるなどと言う人もいる。しかし個人を尊重することこそが、よりよい社会を築くことになるのだということが腑に落ちる内容でした。
    私自身は、「私とは何か」などと考えることもせず、社会の圧力に屈して?20代後半で「やばい、結婚しなきゃ」と焦って結婚し、女として、妻として、母として生きてきた(←大げさ)。しかし、団塊世代の母から、「一人でも生きていけるようになりなさい」と小さい頃から言われ続けていたので、結婚した後も仕事だけは手放すまいと思っていた。夫とは対等な個人同士であり、母となっても私は「私」である。「妻であること・母であること」と「私という一人の人間であること」は両立できると思う。「母にとってよき娘であること」も、手放したくない。私は下重暁子さんよりももっと欲張りなのかもしれないと思った。
    すべてを手に入れることは本当に難しい。でも、どれか一つを選ぶとしたら、やはり私は「母であること」を選ぶと思う。
    しかし下重暁子さん、80を過ぎても文筆活動を続け、自分を見失わず、凛として生きる、人として本当に尊敬できると思いました。

  • 『感想』
    〇人に期待しない、この言葉を自分なりに解釈すると、期待はするが期待どおりに動かないことを期待しないということか。

    〇人に期待すると傷つくことはある、他人との付き合いは楽しいことや助かることもあるけれど、嫌なことをすることでもある。

    〇下重さんは違うのかもしれないが、人は一人では生きられない。自分で何でもできている気がして、実はその裏に助けてくれている人がいる。お金で解決できると思われるかもしれないが、お金がないと助けてくれない関係ばかりでは、本当に困ったときどうするのか。

    〇私も無理してグループに所属しようとするほうではない。少数でも信頼できる人がいればいいと思うし、その人が苦しいときには自分の利益とか関係なく助けてあげたいと思っている。またこの人なら助けてくれると期待というか信頼している仲間がいるから助かる。

    〇大切なのは個人を互いに尊重すること。その点で言うと、著者のつれあいさんは、本でこのように関係性を広く伝えられていることをどう思っているのだろう。

    〇個人は大切だけれども、家族関係は違う次元で大切だと思う。

    〇人に期待しないのは結構だが、期待したことをしてくれた人のことを好ましく思わないのだろうか。また人から期待されたことをこなして人に喜ばれることはうれしくないのだろうか。少なくとも仕事はこの思いの繰り返し。

    『フレーズ』
    ・結婚したから、あるいは離婚したから、人は幸せになるのではない。人生に自分が何を求めるかをわかっていて、かつ、それを行動に移すことができる人が幸せを得るのだ。(p.120)

  • 結婚しても、人はやっぱり一人だと思う
    干渉しない、期待しない
    一緒に住むためには必要なこと
    でも、自分がそう思っていても
    相手が同じ考え方でないとうまくいかない
    著者の家庭は同じ価値観だからうまくいってるのかな

  • 下重暁子さんの考え方がよく表現できている。程よい距離感が夫婦には良い。

  • 東2法経図・6F開架:B1/10/1271/K

  • めちゃくちゃ勉強になった。結婚してもこうやって考えている人もいるんだなって思った。「妻」「子供」と言う役割にとらわれる前に、自分は1人の「個人」。

    ◯他人に期待しない。料理は自分が食べたいから作る。だから相手が要らないと言っても文句はない。個でいたいなら経済的自立を手放すべきではない。
    別の環境で育ってきた価値観も習慣も異なる他人とは、所詮分かり合えないと肝に銘じることが肝心。分かり合えなくとも、思いやることはできる。結婚は心の寛容さを養うよき修行の場と心得たい。
    たとえ結婚し夫や子どもと暮らしても、1人で生きることに変わりはない。世間は家族という単位で見るかもしれないが、一人一人違う人間である。結婚とは2人で生きることではない。1人で生きる独立した人間が、2人集まること。
    【TODO】
    全てが分かり合えるとは思わないようにする。

    ◯無駄な出費のほとんどは、人と同じことをすることで生じるものである。自分が欲しいからではなく、流行だから、友人が持っているから…と言う理由で買い物をしていないかを考える必要がある。
    歳を重ねた人ほどおしゃれに気を遣うべきだと私は思っている。しかしそれは流行を追ったり、人の真似をすることではない。おしゃれは自己表現であるから、自分らしいおしゃれが大事なのだ。結婚も同じ。お金のある人と結婚して、きれいな格好して、おいしいものを食べ、セレブと憧れるような生活…それは本当に自分がしたいことなのかを、自分の心を掘って、問いかけて欲しい。それが自身の真の望みであれば、そうした結婚を目指すのが良い。
    【TODO】自分の心に、正直に。

    ◯「人生を変える趣味」
    自分のことは自分で楽しむ。楽しむためには、仕事でも趣味でも真剣に取り組まなければならない。好きなことには、命を掛けるから一生懸命にならなければいけない。好きなことに一生懸命にならなくて、一体何に一生懸命になると言うのだろう。趣味に打ち込むことで人生は変わる。私もこれまでいくつかの習い事をしてきた。どれも真剣に取り組み、超一流の先生に習ってきた。例えばバレエ。発表会にも出て、へとへとになるまで踊ってきた。今も続けている同世代の友人は、家族亡き後、バレエだけが生きがいだと言う。好きなものにある程度のお金がかかるのは当たり前。趣味は本来、お金がかかるものだ。そのための蓄えや準備を早めにしておく必要がある。自分のやりがいや生きがいを持ち、自分を完成させる。これができなければ、人とうまくいくはずもない。反対に、自分1人の人生が楽しければ、結婚していようとしていなかろうと、どちらでも良くなるはずだ。 
    【TODO】
    好きなことには惜しみなくお金を使いたいって思った!人生が充実するなら!

    ◯不倫は本当の恋愛。大っぴらに、男女が手をつないで歩くのは、恋愛ではない。それはもはや日常である。「秘すれば花」であるならば、不倫こそが、その最たるものであろう。秘め事こそが、本物の恋愛。長い人生、何度も恋して良いのではないか。不倫に縛られ、身動きが取れない人より、自分の気持ちに忠実に恋をし、悩んでる人の方が魅力的だ。日本で不倫がこれほど批判されるのは、個人よりも、結婚と言う家族制度が優先されていることの証であると思う。男女が幸せに結婚してそのまま暮らしましたと言う物語を、誰が読みたいだろうか。
    →なるほど。平凡な日々より、多少スリルがある方が面白いよね。こういう考え方もありなのかって思った。

    ◯大切なことほど人に話さない。人に話すと値打ちが下がるような気がする。相談して、他人の意見を聞きたいと言う気持ちもない。どうでもいい事は相談するが、大事なことほど、1人で決める。責任を取ることができるのは、自分だけだから。
    →相談しても、結局は自分が決めることだし、責任を取るのも自分。

    ◯1人で行動できるようになると、行動範囲が広がるし、これまで気づかなかった景色に気づくようになる。面倒な人間関係や、無理して付き合っていた友人を断ち切ることもできる。1人を楽しむことができれば、配偶者の存在など、それほど気にならなくなっていく。それでいいと思う。自分で自分を楽しませる。配偶者がいようがいまいが、これで生きていく。基本1人でできる趣味を持つことも大切。1人で楽しめるものは他人に左右されず一生楽しめる。
    いくつになっても新しいことを始めようと言う好奇心を持ち、感性を磨き続けたい。どんな状況でも自分で自分を楽しませる人は強い。
    【TODO】
    自分で自分を楽しませるっていう表現がすごく響いた!1人でも楽しめることをもっとたくさんしていこう。
    感性を磨く、感性っていう言葉を久しぶりに聞いた。最近自分の感性死んでないかな?感性を磨いていきたい。

    ◯私は常に自己表現としての自分の仕事を持っていたくて、そのように生きてきたから、ややこしい人間関係が苦手なのだ。そのためには相手に期待してはいけない。自分に期待する分には、いくら期待してもいい、結果、自分に戻ってくるから、自分で責任をすればいい。他人に期待すると裏切られた落胆大きい。結局愚痴と文句になる。親、子、兄弟、夫など近しければ近しいほど、激しくなる。たとえ家族であろうと、人間生まれてきた時も、死ぬ時も1人、個人である。
    【TODO】
    家族であっても、人に期待しすぎちゃいけない。「個人」という考え方も頭の隅に置いておこう。

  • 適齢期なんてない好きなときにしろ。
    籍は入れていても相手の仕事については知らない。
    不倫も恋愛も個人の問題。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/568254

  • 夫婦といえども「話せばわかる」は幻想であり、わかり合えないと諦めたところから始まるのが、真の人間関係である。これは夫婦に限らず、親子でも友達でも同様である。
    そういうわけで、深いコミュニケーションを取らないように努めてきた。

    確かに…納得はするけど、実行するのは難しい。

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著者プロフィール

1959年、早稲田大学教育学部国語国文科卒業。同年NHKに入局。アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民放キャスターを経て文筆活動に入る。公益財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)会長、日本ペンクラブ副会長などを歴任。日本旅行作家協会会長。
主な著書にベストセラー『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』『明日死んでもいいための44のレッスン』(以上、幻冬舎新書)、『鋼の女――最後のご女・小林ハル』(集英社文庫)、『持たない暮らし』(KADOKAWA)、『夫婦という他人』(講談社+α新書)、『老いも死も、初めてだから面白い』(祥伝社新書)、『自分に正直に生きる』『この一句 108人の俳人たち』(以上、だいわ文庫)他多数。


「2023年 『年をかさねるほど自由に楽しくなった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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