探偵クラブ傑作選 (光文社文庫 み 19-8 幻の探偵雑誌 8)

著者 :
制作 : ミステリー文学資料館 
  • 光文社
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本棚登録 : 29
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334732493

感想・レビュー・書評

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  • リレー小説『殺人迷路』と、探偵コント集(←短編作品集)、一般からの投稿作品などの掌編を収録。
    この本、全体の印象としてはかなり満足度高い。私好み。
    リレー小説『殺人迷路』は横溝、乱歩、浜尾、甲賀などなどと参加メンバーが超豪華。まぁ、話としてはリレー小説で綺麗にまとめ上げるのは難しいとは思いますが、このシリーズ文庫『シュピオ』収録の「猪狩殺人事件」に比べれば、格段に無事に着地できてます(笑)
    投稿掌編は玉石混淆な印象は否めませんが、今でも充分通ずる面白さがあるし、毎回ついている乱歩の評価コメントがこれまた興味深い。創作する人とかが読むと面白いかも。

  • 以前僕はミステリー草創期の作品煮興味を持っていました。日本のミステリーの始祖と言ったら江戸川乱歩と一般的には思われていますが乱歩登場前からいろいろな作家が活躍していました。そのような日本ミステリーの原点を読んでいくのは楽しかったです。本書は光文社文庫の「幻の探偵雑誌」シリーズの8巻目です。新潮社の「新作探偵小説全集」全10巻の付録の「探偵クラブ」からリレー小説「殺人回路」(全10回、乱歩や横溝正史らそうそうたる執筆陣)、探偵コント集、水谷準作の「僕の「日本探偵小説史」が収録されています。それと平凡社の「江戸川乱歩全集」の付録の「探偵趣味」からは乱歩選の公募探偵小説集が収録されています。「殺人回路」は意外にまとまっていますし探偵コント集に中にも面白いものはいくつかありました。公募作品は作品自体よりも乱歩の批評が面白かった。何とか新人を発掘したいと言う乱歩の情熱と現実に集まった作品の質との落差に対する苛立ちのようなものが感じられます。このシリーズはこれからも集めて生きたいです。

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5174564.html)
    (収録作品)殺人迷路(森下雨村・大下宇陀児・横溝正史・水谷準・江戸川乱歩・橋本五郎・夢野久作・浜尾四郎・佐左木俊郎・甲賀三郎)/短銃(城昌幸)/カメレオン(水谷準)/女と群衆(葛山二郎)/小曲(橋本五郎)/戸締りは厳重に!(飯島正)/縊死体(夢野久作)/黒髪(檜垣謙之介)/建築家の死(横溝正史)/動物園殺人事件(南澤十七)/僕の「探偵小説史」(水谷準)/息を止める男(蘭郁二郎)/してやられた男(小日向台三)/五月の殺人(田中謙)/嬰児の復讐(篠田浩)/私の犯罪実験に就いて(深田孝士)/硝子(井並貢二)/彼女の日記(凡夫生)/最後の瞬間(荻一之介)/怪物の眼(田中辰次)/探偵Q氏(近藤博)/紅い唇(高橋邑治)/奇怪な再会(円城寺雄)/棒切れ(鹿子七郎)/剥製の刺青・黄金仮面えぴそうど(深谷延彦)/炉辺奇譚(篠崎淳之介)/復讐(篠崎淳之介)/夜靄(冬木荒之介)/黄昏の幻想(深谷延彦)/一夜(篠田浩)/或死刑囚の手記の一節(荻一之介)/意識と無意識の境(榎並照正)

  • リレー小説がすごい豪華。

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著者プロフィール

明治23年、高知県生まれ。本名・岩太郎(いわたろう)。早稲田大学英文科卒。やまと新聞社社会部記者を経て博文館編集部員となり、大正9年に『新青年』が創刊されると同誌の編集主幹となる。編集者として江戸川乱歩や横溝正史など若い作家を世に送り出す一方、翻訳者としても活躍し、ウィルキー・コリンズの「月長石」などの海外探偵小説を翻訳紹介した。昭和6年秋に博文館を退社、翌春からは作家専業となる。当時の探偵小説界を憂い、昭和10年には「一般大衆に喜ばれる軽い文学としての探偵小説」を目指す〈軽い文学(ライト・リテラチウア)〉を提唱した。戦時中に高知県佐川町へ戻り、戦後は故郷で過ごす。昭和40年5月、脳出血の後遺症のため死去。

「2019年 『楽園事件 森下雨村翻訳セレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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