死びとの座: 鬼貫警部事件簿 (光文社文庫 あ 2-37 鮎川哲也コレクション)
- 光文社 (2002年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334732875
感想・レビュー・書評
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「鮎川哲也」の長篇ミステリ小説『死びとの座~鬼貫警部事件簿~』を読みました。
『りら荘事件』、『早春に死す~鬼貫警部事件簿~』に続き、「鮎川哲也」の作品です。
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一人めの被害者は、芸能人の「ミッキー中野」こと「秋葉原好一(よしかず)」だった!
彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。
――捜査陣は、つぎつぎに出現する容疑者に困惑する。
スチュワーデス、フリーのルポライター、ライバルの同業者たち……動機を持つ人物が多すぎるのだ。
「鬼貫(おにつら)警部」は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが……。
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『週刊新潮』の1982年(昭和57年)10月21日号から1983年(昭和58年)5月12日号に連作された、「鬼貫警部」シリーズの作品です。
■プロローグ
■被害者を洗う
■進展
■冬の旅
■北の挿話
■失踪
■X氏
■Xの追及
■肉薄
■相合い傘
■付録1●『死びとの座』縁起 鮎川哲也
■付録2●あとがき 鮎川哲也
■エッセイ●想い出五十年 山沢晴雄(作家)
■解説●鮎川哲也と鎌倉 山前譲(推理小説研究家)
一人めの被害者は、芸能人の「ミッキー中野」こと「秋葉原好一」だった! 彼は東京・中野区の公園・中のセントラルパークに置かれた死人の座と呼ばれるベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた… 交際のあったスチュワーデス「大塚ひろみ」、妹のことで「ミッキー中野」に恨みを持つフリーのルポライター「馬場吾策」、ライバルのものまね芸人「原宿慎伍」等の動機を持つ容疑者が出現するが、決定的な証拠をおさえることができない、、、
「鬼貫警部」は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが、やっと嘘を見破っても、即犯人検挙とならないから厄介だ… その後、失踪した「原宿慎伍」が、「ミッキー中野」を殺害した銃で自殺、、、
事件は解決したかに思えたが、事件の結末に納得がいかない、推理小説家の「高田謙介」は、「原宿慎伍」の恋人「目黒マリ」と、真相の探るべく調査を開始する……。
ものまね芸人を利用したアリバイトリックは予想できた展開でしたが… 大胆なベンチのトリックは意外でしたねー
名前を隠したオープニングも効果的で面白かったですね… 巧くミスリードさせられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
死びとの座
プロローグ
被害者を洗う
進展
冬の旅
北の挿話
失踪
X氏
Xの追及
肉薄
相合い傘
週刊新潮 1982年10月21日~83年5月12日
「死びとの座」縁起 鮎川哲也
波 1983年12月
あとがき 鮎川哲也
新潮社「死びとの座」 1983年12月
エッセイ 山沢晴雄
想い出五十年
解説 山前譲
鮎川哲也と鎌倉 -
鬼貫警部ものを読みたいと言っていた私にミステリ好きの義父が貸してくれた一冊。
私が好きな音楽ネタあり、ご近所(ちょっとだけでてくる)ネタあり、まさかの身内ネタまであり、お義父さんたら、すごい! -
なんか変なかんじーと思ったら連載だったからだらだらと続いてたのね。
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鬼貫警部シリーズ
公園のベンチで撃たれ水飲み場で絶命したモノマネ芸人ミッキー中野。彼に恨みを持つ男・馬場。馬場のアリバイを証言した推理作家・高田。高田が途中退席したリサイタルにかくされた秘密。ミッキー中野がモノマネをしていた有名人・ジャッキー上野のもう一人のモノマネ芸人の死。恋人・目黒の捜査。高田の調査。新潟にいた頃に東京へ呼び出され待ちぼうけを食った中野の秘密。もう一つの殺人事件。ホステス・明美の殺害事件。
「死びとの座」呼ばれるベンチにかくされた秘密。事件当夜ベンチによって寝ていた男の証言。
2010年12月5日読了 -
個人的には「死者を鞭打て」の方が面白いが、お勧め本です。
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この作者にしては珍しく、意味深なオープニングが存在するが、本編は地味にゆっくりと展開する。ようやく調子が出てきたと思ったら、作者お得意のレコード談義の登場でやんわり萎える。中盤以降、人物の入れ替わりがあるので、すっかり読書ペースを乱されてしまった。退屈しそうになったところで事件の全容が顔を出す。一気に目が覚めてしまった。規模の小さいサプライズ? やはり、“本格の鬼”は一筋縄ではいかないものだ。巧い。強引でアクロバティックな感もするが、巧いのだから仕方がない。
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とある芸能人が公園で殺されて、犯人と思われる人が銃で自殺。
それで事件は終わったように見えたけど、意外な人が探偵役となって真相に迫る。
でも最後は鬼貫警部がきちっと推理を働かせて容疑者のトリックを暴きます。 -
冒頭いきなり殺人の場面が名前を伏せて書かれてるんだけどその部分で軽く読者へ挑戦している。そこから続くストーリーは怪しそうな人からそうでない人まで誰も鉄壁のアリバイを持っているという状態。ここから導き出される解答はある程度は想像できたとしてもやっぱり考えの及ばないところへ落してくる。読み返すと伏線がちょっとしたところに隠されているし。