- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334733766
作品紹介・あらすじ
「私の内面には、瞹昧な不安が、だんだん増大しつつ定着していた。早晩必ず何事か異変が起こるにちがいない」。誰かスパイのような"告げ口屋"がいる-東堂太郎の抱く漠たる不安が内務班全体にも広がり始めた。丁度その頃、ついに"大事"が発生。続いて始まった"犯人探し"は、不寝番三番立ち勤務の四名に限られた。その渦中に登場する冬木二等兵の謎めいた前身…。
感想・レビュー・書評
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夏こそずっしりと重い大作を読もうと考えて、分厚目の文庫本5巻に渡る超大作の本書をセレクト。それこそ、日本近代文学の金字塔にあたる作品として学生時代から認識はしていたものの、相当に難解な作品なのだろうと思い込んでいた。
確かに平易な作品であるとは言い難いが、実際に読み進めてみるとそれを超える面白さに釘付けになってしまい、貪るように5巻を読了してしまった。
本書は著者自らの従軍体験に基づき、日本陸軍の二等兵である主人公が送る数ヶ月間の陸軍訓練が舞台となる。主人公の東堂太郎は、超人的な記憶力を持ち、日本陸軍の不条理に孤独な戦いを挑んでいく。
これは日本陸軍に限った話ではないが、軍隊という組織が国家権力によって運営されている以上、その全ての営みには何かしらの法的文書が存在している。その点で極めて官僚的な組織という一面を軍隊は持っており、実際の訓練における一挙一同に、ある種バカらしいほどの理屈付けがなされているという点でのナンセンスさに溢れている。その点で、主人公の超人的な記憶力は、このあらゆる法的文書をすらすらと暗誦し、ときには不条理なトラブルを解決するためにその記憶力で持って立ち向かっていく。
そして、本書の面白さを際立てせているのは、人物造形の深みのレベルの高さである。そもそも新兵訓練のための招集ということで、集められた二等兵は日本社会の縮図といえるほどに、学歴や身分、職業などが千差万別になっている。突出しているのは、新兵に対して残忍なしごきを与える主人公の班の班長の造形である。ステレオタイプ的な残忍さだけを持つ人間として描くのではなく、中国大陸で残忍な虐殺に関与してきたという過去や、訓練生活の中でのユーモアなど、非常に多面的な人間として描かれることで、決して物語の先行きを安易には予測させないような展開が待っている。
全く予想だにしなかった結末も含めて、ひたすら物語の巨大さに圧倒された全5巻であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
村田與室町等人的閒聊之中討論到"隔牆有耳",其實證就是談及江藤之前的歧視言論被抓耙仔傳到上官耳中因此被罵,大家開始討論抓耙仔是誰(在場人士:江藤、村田、吉原、白水。此外還有兩個病人應該是聽不到),部分人覺得品格不正的吉原很可疑,生源寺突然提出也可能有其他人輾轉聽到去告狀,因此結論不了了之。
第一班湯淺的刀鞘異變,由於事關毀損兵器(在這裡不討論過失犯)讓長官急著找兇手。受人敬重的藤麻主張在不寢番二番立ち的時候還是好的,而仁多軍曹開始思考刀鞘是否被別人掉包,因此猜測不寢番三番立ち的時間帶是可能的犯案期間,除不寢番三番立ち的成員以外,包括二班、三班都是長官認為可能的兇手。而身為有前科者、部落民傳言的冬木,也成為上官們認定的可能兇手之一,片桐伍長聽信吉原的五四三,還把白水叫去八卦一下冬木的前歷。
柿本伍長之前曾來告知東堂,東堂(跟生源寺)兩個比較擅長寫字之前被梅根曹長叫去寫,當時試寫的紙條東堂所寫的典出芥川的紙條,被不知何人(惡質的片桐伍長的可能性極高)從垃圾桶撿起來跟堀江隊長告發是自由主義反軍國主義思想,又加深抓耙仔的疑雲,植村古兵認為就是當時入室的片桐去告狀的,因此兩人善意來提醒一下東堂。卷末東堂正要被隊長傳喚去問話。
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登場人物繼續更新
神山上等兵ー很有膨風學經歷情節(給自己學經歷灌水),喜歡賣弄自己很有學問跟暗示自己是早大出身。在卷二被大前田逼迫說明「普通名詞」一語。対馬厳原出身,身邊有一群同為當地出身的人組成厳原閥總是聚在一起拍馬屁。
澤柳ー最年長最高最重,為某商社課長,某些新兵さん付けで呼ばれている。厳原閥的人,對東堂似乎沒好感。為神山和白石學校七八年的先輩,和神山家似乎有上下主從關係,因此神山白石都對他特別待遇(雖然他本人並無逾越二等兵的舉動)。
吉原ー法政大學中退,厳原當地出身,高知識份子、厳原閥馬屁精之一,第三卷中在大船越當地民家不識相的行為引起大家翻白眼(明明不認識卻非常大面神)。被部分人懷疑是抓耙仔。
生源寺ー其實是很有學問的神主,思考也很有邏輯性。第二卷的命令規則爭論出來救援東堂。
若杉ー相撲力士,唯一沒有斷髮的新兵,還留著力士頭。想著到底四個月後可否順利退伍,聽到大前田說不可能就想斷髮,聽到傳言又說可以退伍就又放棄斷髮。
松本ー每天替若杉(唯一特別被允許擁有梳子者)梳頭。
村田ー床屋,不喜歡上官一直使喚他免錢理髮。卷三提到江藤之前的歧視部落民(橋本)發言被神山叫去罵,可見部隊裡有抓耙仔只是不知道是誰。
橋本ー第二卷自爆為部落民、隠坊。
江藤ー農民。直想進入厳原閥但沒有被接受,也是拍馬屁一族。卷三曾發生歧視發言被叫去罵,懷疑抓耙仔是吉原或者村田。
白水ー旋盤工。在卷三事件時被吉原拉進倉庫裡,因為片桐班長想聽所謂前科者(冬木)的八卦,白水一開始誤認為是自己之前跟女生共乘腳踏車被罰款的事,後來才知道在暗示冬木就堅稱不知。
柿本伍長ー跟東堂之前是同一個新聞社不同之局,也是左派同情者。來警告東堂紙條事件。
片桐伍長ー惡質的轉向者,人品不佳,以前為左派因此更知道怎麼去抓其他左派的小辮子。倉庫事件惡搞下屬(倉庫在法文裡是室外,關於行禮應行室外禮,訓斥行室內禮的屬下。但若屬下行室內禮,其又訓斥說此處以擺桌子應屬事務室應行室內禮云云),和品格低劣的吉原混在一起,東堂的試寫紙條疑似他撿起來去跟堀江隊長告發(有自由主義嫌疑云云)。
植村一等兵ー與生源寺之前是學校教師同事,人品似可信賴。 -
この3巻目にきて作品の印象が私の中でかなり変わってきた。簡単に感想を書ける作品ではないけれど、4巻目でその印象の変化を確認出来るかもしれない。個人的にこの作品から感じるイメージはトーマス・マンの「魔の山」にとても近い。
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厳原閥の汚らしさが垣間見える。280・雨森伯陽『たはれくさ』もろこしの詩と日本の歌、468・「倉庫と事務室を使い分けの二足のわらじ」Catch-22的な尋問。
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金玉規定と普通名詞論争。なんじゃそら
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2月中旬
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大船越への遠出における「ぼたもち事件」と雑誌買い。「厳原閥」への嫌悪感と比例して、素朴だが根の真っ直ぐな新兵たちへの仲間意識を育てていく東堂。だが冬木は「大根の菜軍事機密問題」以降、むしろ東堂との接触を避けている節がある。そこに持ち上がる剣鞘すり替え事件で、冬木に嫌疑がかけられているらしいことが明らかになる。
感想は最終巻で。 -
社会階層、ひいては社会構造を見る眼差し、職業についての考え方、同年兵や上級者との人間関係が描かれ、これまでの2冊とはまた違う読み応えがあった。どうなるのだろうか?