暗殺教程 (光文社文庫 つ 4-34 都筑道夫コレクション アクション篇)
- 光文社 (2003年6月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334735098
感想・レビュー・書評
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日本版007。息をつかせぬアクションの連続、誰が敵で誰が味方か。アタック・アンド・カウンター・アタック、と作者がいうストーリー展開は、まさにスリルにあふれている。
The Undercover Line of International Police(国際警察秘密ライン)、通称チューリップ(TULIP)の日本支部の一員であるJ3は、香港へ不法移住した中国人が集団で行方不明になる事件を追っていた。チューリップの仲間が、殺されたり行方不明になる中、J3はフリーの記者を装い、秘密裏に行動を開始する。
彼の持つ道具は、すべて一見すると普通だが、組み替えると銃になったり、中から刃物が飛び出したりするスパイの秘密道具となっている。
途中、助けたり知りあったりする女性と深い仲になって濡れ場をみせるかと思えば、さまざまな道具や抜群の運動神経、訓練された頭脳を駆使し、ピンチを切り抜けるという目まぐるしいアクションの連続も。
舞台も日本から香港、マカオへと移り、派手な展開はまさにハリウッド映画のよう。
息もつかせぬストーリーの連続ながら、舞台背景をち密に書きあげる作者の卓越した能力ゆえに、文字を追っているだけでその場の景色はもちろん、においや息遣いまで聞こえてくるようだ。まさに日本版の007というにふさわしく、また活字で読むアクション映画のようである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
基本的にはさまざまな方法で絶体絶命の境地に立たされた主人公がほとんど武器も道具もない状況から脱出し、反撃するという繰り返しなんだけど、それがアイディアを豊富に、という言葉でも不十分なくらい詰め込んでいて読んでる間全く飽きさせない。現代の日本(少なくとも当時の)の割りに人が死にすぎたり物が壊れすぎたりしてる感じはあるけどそんなのほとんど気にならない。