月の扉 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
3.25
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本棚登録 : 2240
感想 : 293
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334740450

作品紹介・あらすじ

沖縄・那覇空港で、乗客240名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ3人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変-。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。各種ランキングで上位を占めた超話題作が、ついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 密室殺人、ハイジャック、幻想譚の3要素を詰め込んた意欲作。
    以下ネタバレあり。
    中でも想定外の密室殺人は意外性もありユニークなのだが、肝心の師匠の人物造形が弱いので、皆既月食での彼の祈りの力が拘置所の中では作用せず、広い空間でなければ発揮出来ない理由が最後までわからなかった。この辺は幻想譚の作為として本来気にならないのだが、作品自体が理詰めなのでかえって気になった。また、師匠が人質を殺した(実際は違う)ハイジャックの三人(霊能者なら飛行場に到着した時点で気づかない?)の行為を咎めるわけでもなく単純に再会を喜ぶだけなのもなんだか。ラストも彼らはハイジャックはしたが殺人はしていないため、おそらく無期懲役に処されるが、人質を盾に逃亡すれば射殺される可能性が高いのがわかっていながらなんで?という思いが拭えなかった。

  • 「師匠」を空港に連れてくる為の飛行機ハイジャック。
    予定外の殺人事件。
    殺人事件の解明を要求された座間味くん。
    犯行グループの目的と「師匠」の計画。
    自分の意図に関係なく人を惹き付けてしまう師匠の存在はものすごく大きくて、師匠の力で向こう側に行くのが可能だったのかは分からないけど、師匠を敬愛しすぎてしまった人達が発端の事件。
    なんだかすごい話だなあと。
    あと、座間味くん好きだったなあ~。

  • 探偵役のキャラはいいけど、全体的になんか強引な感じ。
    オチもいまいちやな、っと。

  • 10年ぶりくらいの再読。面白かった記憶だけはあったけれど、やっぱり面白かった!
    ファンタジー系を全く読まない人だと受け入れにくい内容かもしれないけれど、個人的には非現実的要素とミステリーの融合がすごく好き。
    文章もさくさく読みやすく、座間味くんや真壁のキャラクターがよかった。
    シリーズ読破したい。

  • 「彼女と飛行機に乗ったら離陸前にハイジャックされちゃった。しかも殺人事件まで発生ってどういうこと?なんでその謎を俺が解かなきゃいかんのよ」
    という気の毒な探偵役が登場するお話。
    ダブルカバーに書かれたとおり、読了後はたしかに月を見上げたくなった。

  • ハイジャック苦手なんですよね。飛行機乗ると不安になっちゃって。
    でも、本書を捲る手は止まりません。
    人を魅了するカリスマ性ある師匠、不当逮捕にあい師匠を留置場から出すべくハイジャックをする3人。
    だが、何故かハイジャックの最中に機内で起こる殺人事件。
    座間味Tシャツを着ている事から、座間味くんと呼ばれあれよあれよと殺人事件の謎に迫る謎の座間味くん。
    えぇっ!てなるハイジャックの終わり。最後にいい夢を見れました。

  • 3.5かな。楽しめた。
    ただ、座間味くんの位置付けががっかりだった。
    実は··· を期待したけど結局会社員だった。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/759357

  • TSUTAYAの勧めるコーナーにあって、中では読みやすそうだったから、図書館で借りてきて読んだのだけど、かなり面白かったな、これ。
    ハイジャックと密室的な殺人とファンタジーが重なり合っていてなかなか複雑になりそうなんだけど、作中、一つ一つを丁寧に説明しながら解いてくれるサラリーマン探偵(まぁ、こんな人はいないよ、とは思うけどね)のお陰で全然迷わず、そして沢山ある伏線が見事に回収されているのが自分でもわかって、脳のアハ体験的なものも感じられて、愉しい時間だった。

  • 活動家でも過激派でもない人々によるハイジャック、普通の人による殺人事件推理。プラスファンタジー。
    ファンタジーの部分はモヤっとするけど、展開は飽きさせず、引き込まれて読んだ。
    発端のこと(これもとんでもないと云えば、とんでもない)から、とんでもないことになるのも、考えさせらた。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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